上白糖とグラニュー糖の違いとは? 料理・お菓子での使い分けと代用のコツ
料理やお菓子作りでよく使う「砂糖」と「グラニュー糖」。どちらも甘い調味料ですが、実は使い方や特徴にちょっとした違いがあるんです。この記事では、砂糖とグラニュー糖の違いを詳しく解説します。料理やお菓子作りの際の参考にしてみてくださいね。
そもそも砂糖とグラニュー糖は違うものなの?
料理やお菓子作りに欠かせない「砂糖」ですが、実はひとくちに砂糖といっても、いろいろな種類があります。
まずは2つの違いについて見ていきましょう。
一般的に認識されている砂糖は上白糖
一般的に、私たちが「砂糖」と聞いて思い浮かべるものは「上白糖」に分類されます。
日本の家庭では最も一般的に使われているものであり、料理のレシピに「砂糖」と書かれている場合は、ほとんどが「上白糖」を指していると考えてよいでしょう。
グラニュー糖は砂糖の一種
グラニュー糖は、上白糖と同じく「砂糖」の一種です。日本では砂糖といえば上白糖を指しますが、世界ではグラニュー糖を意味することのほうが多い のだとか。
もしレシピに「グラニュー糖」と記載されている場合は、通常の砂糖(上白糖)とは異なるということを理解しておきましょう。
また、砂糖には上白糖やグラニュー糖以外にも多くの種類があります。以下でいくつか紹介します。
・黒糖(黒砂糖) :さとうきびのしぼり汁を煮詰めて作る濃厚な甘さと独特の風味が魅力の砂糖。かりんとうや駄菓子に使われることが多い。
・和三盆 :さとうきびを原料として日本の伝統的な製法で作られる粒子の細かい砂糖。口溶けの良さと上品な風味から高級和菓子に使われる。
・三温糖 :砂糖の結晶を取り出した後に残る液体(糖液)を煮詰めて作られる黄褐色の砂糖。加熱によるコクと強い甘みがあり、煮物やつくだ煮などの和食に合う。
・中ざら糖 :大粒の黄褐色をした砂糖で、まろやかな風味を活かして煮物やすき焼き、漬物などに使用される。
・粉砂糖 :グラニュー糖を細かく粉状にした砂糖で、主に洋菓子のトッピングに使われる。
・氷砂糖 :透明で氷のような見た目の砂糖で、果実酒作りに適している。
砂糖(上白糖)とグラニュー糖の違い
見た目はどちらも白くて甘い砂糖。でも、実は上白糖とグラニュー糖には、性質や使い方に違いがあります。
料理やお菓子作りで迷わず使い分けるためにも、それぞれの特徴をしっかり押さえておきましょう。
砂糖(上白糖)の特徴
上白糖はショ糖(スクロース)を主成分とし、製造の最終工程で少量の転化糖(ブドウ糖と果糖の混合液)を加えるため、しっとりとした質感とまろやかな甘さになります。
日本の家庭で最も一般的に使われている砂糖で、まろやかな甘さを引き出すことができため、料理やお菓子作りなど幅広く活用できます。
また、結晶のサイズは0.1ミリから0.2ミリほどと細かく、溶けやすいため、均一に甘みを広げられるのもポイントです。
グラニュー糖の特徴
グラニュー糖は、非常に純度が高く、さらさらとした質感が特徴です。その結晶の大きさは、上白糖よりも少し大きく、0.2ミリから0.7ミリ程度といわれています。
自然でクセのない甘さから、コーヒーや紅茶、お菓子作りなど、素材の香りや味を生かしたいものへの使用が向いているでしょう。
砂糖(上白糖)とグラニュー糖の使い分け方
料理やお菓子作りで「砂糖を使う」といっても、上白糖とグラニュー糖では仕上がりに違いが出ることがあります。上手に使い分ければ、料理がもっとおいしくなるはず。
ここからは、それぞれの使い分けについて説明します。
料理で汎用性が高いのは上白糖
上白糖は、日本の家庭で最もよく使われている砂糖です。
しっとりとした質感とまろやかな甘さで、和食はもちろんや飲み物など、さまざまな料理に使用できるのが魅力。
家庭で砂糖を一つだけ常備するなら、まずは上白糖を選ぶとよいでしょう。
和菓子に使うなら上白糖
上白糖は、料理だけでなく、お菓子作りにも幅広く使われます。特に和菓子との相性がよく、たとえば、小豆を煮て作るあんこや、どら焼きの生地などには上白糖がぴったり。
また、上白糖を使うと、焼き菓子に焼き色が付きやすく、見た目も美しく仕上がるのがうれしいポイントです。
クッキーやジャムに使うならグラニュー糖
洋菓子やジャムを作るときは、グラニュー糖を使うのがオススメ。グラニュー糖は純度の高い砂糖で、さっぱりとした甘さが特徴。そのため、素材の味や香りをしっかりと引き立ててくれます。
特に、果物の風味を大切にしたジャムや、バターの香りを生かしたクッキー・ケーキなどに使うと、後味がすっきりとした仕上がりになります。
コーヒーや紅茶に入れるならグラニュー糖
コーヒーや紅茶のように風味を楽しむ飲み物には、さらさらで溶けやすいグラニュー糖がぴったりです。クセのない淡白な甘さなので、飲み物本来の味や香りを引き立ててくれます。
ちなみに、カフェや喫茶店でよく見かける角砂糖は、グラニュー糖を固めて作られたもの。 見た目も上品で、ゆっくり溶けるので、ティータイムをより優雅に演出してくれますよ。
砂糖(上白糖)とグラニュー糖、代用はできる?
上白糖とグラニュー糖は、基本的に代用可能です。ただし、上白糖には転化糖が含まれているため、焼き菓子などでは焼き色がつきやすく、しっとりとした食感になりやすいという違いがあります。
たとえば、上白糖はしっとりしていて甘みが濃く感じられるのに対し、グラニュー糖はさらさらしていてすっきりした甘さ。上白糖の代わりにグラニュー糖を使う場合は、少ない量から試して、味を見ながら調整するようにしましょう。
まとめ
料理やお菓子作りに欠かせない砂糖には、いくつか種類があります。この記事では、特に使用頻度の高い上白糖とグラニュー糖の違いや特徴について解説しました。それぞれの性質を理解して用途に合わせて使い分けることで、料理やお菓子の仕上がりがよりよくなります。ぜひ今回の内容を参考に、日々の調理やスイーツ作りに役立ててみてくださいね。
なお、どの種類の砂糖も摂りすぎには注意が必要です。WHO(世界保健機関)は、自由糖の摂取量を1日の総エネルギーの10%未満(望ましくは5%未満)に抑えることを推奨しています。
