子どものかんしゃくや感情の爆発に対処するとっておきの方法|おうち学習で知りたいこと80 #3
ちょっとしたことで怒って泣いたり暴れたり……。感情のコントロールが苦手なわが子を前につい自分もイライラ。そんな経験はありませんか?
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今回は、「感情のコントロール」について、書籍『勉強も小学校生活も超うまくいく! おうち学習で知りたいこと80』(KADOKAWA)からお届けします。
感情のコントロールは「ネーミング」で攻略
学校ではいい子でがんばっている子も、「家では癇癪を起こしたり、うまくいかなくて泣きわめいたりする」と保護者の方から聞くことがあります。家だけでは収まらず、学校や習い事の場でほかの子に手を上げたり、暴言を吐いてしまうという子もいます。
「どうしてそんなことを?」と思ってしまいますが、感情のコントロールというのはいきなりできるものではないのです。子どもは少しずつ学び、経験し、感情の落としどころを知っていきます。大人はまず、そのことを認識しておく必要があると考えています。
算数で、たし算の後にひき算を学び、その後かけ算、わり算とレベルアップをしていくように、感情のコントロールも段階的に身についていくものです。そしてその成長速度には個人差があります。
私が学校で癇癪を起こしている子どもを見たときは、「おっ、感情のコントロールのやり方を練習しているところだな」と捉えます。こう考えれば、焦ったり、怒り返したりせず優しく対応できます。近づいて「〜がしたかったんだな」「〜が嫌だったんだね」と気持ちに共感し、落ち着くのを待ちます。時間がかかりそうなら「落ち着いたらゆっくり話そうね」とその場を離れても大丈夫。長引いたら時々近づいて横についてあげる。このように落ち着いて対応することが大切です。大人が焦ったり怒ったりすれば、感情を爆発させている子どもにとっていい影響はありません。
では、子どもが感情のコントロールを学ぶにはどうすればいいのでしょうか。私のおすすめする方法は、「感情に名前をつける」ことです。たとえば、怒ってしまう感情に「怒りん坊」、周りの子をたたいてしまう「たたき鬼」、買ってほしいとわがままで泣きわめくなら「買って買って星人」など。可能であれば、子どもと一緒にネーミングを考えましょう。子どもの精神状態が落ち着いているときに、「ねえ、ときどきすごく怒っちゃうじゃない? あのときの気持ちに名前をつけてみない? 怒りん坊、怒り魔女、何がいいかなあ」と話をしてみてください。意外とのってきて、「プンプン大魔神がいい!」なんて名づけてくれるかもしれません。
そしてその名前を使って、その感情の説明をしてもらうのです。「プンプン大魔神が出てきたときって、どんな感じなの?」と聞いてみます。すると、「頭がワーッとなる」「自分でもどうしたらいいのか困る」などと話してくれる子も。なかには「わかんない」と言う子もいると思いますが、構いません。
次に、「プンプン大魔神が出てきたら、どうすればいいと思う?何をすればどこかへ行っちゃうかな」と一緒に考えてみましょう。「どこかにもぐる」「テレビをつける」など子どもが話すこともありますし、もし出てこない場合は親がいろいろと提案してみてください。「違う遊びをしてみようか」「隣の部屋へ移動してみようか」など。「じゃあ、次に大魔神が出てきたら、そうしてみようね」と、試してみることを話しておきます。
この方法の利点は、感情に名前をつけることで、子ども自身と感情を切り離して考えられることです。問題は「感情」なので、「あなたはよくない」とその子自身が責められる印象を与えません。「怒っている“気持ち”をどうしようか?」という話し合いになります。すると子どもも、前向きに考えることができるのです。
ただし、感情に名前をつけたからといって、すぐに感情をコントロールできるようになるわけではありません。そんなときは、「また大魔神出てきちゃったね」と温かく受け止めてください。そしてまた子どもが落ち着いたときに、「次は何を試してみようか」と考えましょう。この繰り返しのなかで、子どもは少しずつ感情のコントロールを学んでいきます。
続きは書籍でお楽しみください。