おでかけ おでかけ
2025年02月08日 07:35 更新

葛飾北斎の浮世絵が先端技術で令和によみがえる!「HOKUSAI : ANOTHER STORY in TOKYO」体験レポート

2月1日から東京・渋谷の「東急プラザ渋谷」で開催中の「HOKUSAI : ANOTHER STORY in TOKYO」。江戸時代を代表する絵師・葛飾北斎の作品を、先端技術を駆使してイマーシブに体験できるイベントです。北斎の浮世絵に”没入できる”ってどういうこと!? 編集部が体験してきました。

はじめに北斎や北斎の代表作について学ぶ

中に入るとまず迎えてくれたのは、冨嶽三十六景でも多用されている深い青で彩られた空間。ここでは北斎の作品の変遷や代表作について知ることができます。北斎の代表作である「神奈川沖浪裏」など、これからイマーシブ体験ができる作品の解説もありました。

竹あかりで江戸時代風に浮世絵を楽しむ

奥に進むと見えてきたのは……ふわっと光り輝く竹林! ここでは、竹あかりで照らされた超高精細リマスターデータの冨嶽三十六景の全図(46図)を鑑賞できます。

江戸時代のあかりは、現代とは違い手元など一部を照らすものでした。竹あかりのやわらかな光で江戸時代風の浮世絵の楽しみ方を再現。作品全体を光で照らす一般的な展示とはまた違った見え方で作品を味わえます。

明滅するあかりがなんとも幻想的でした。

北斎の作品に没入できる3つの部屋

ただの床のはずが!? 氷や砂を踏みしめる感覚がクセになる「大地の部屋」

壁の三面+床の4面に作品が映し出された「大地の部屋」。ここでは冨嶽三十六景から4つの作品を体験できます。

足元には作品から拡張された雪の道。氷が張っているところで足踏みをしてみると、パリッとした音とともに氷が割れ、足の裏に氷を踏んだときのような感覚が! この日は厚底のスニーカーを履いていましたが、それでもしっかりと氷や雪を踏みしめているような感触がしました。これは子どもがハマりそう!

触覚まで返ってくる体験は初めて……新感覚です!

ほかにも、作品が変化するにしたがって木の橋を渡るときのゴツゴツとした感覚、砂浜のギュッギュとした感覚が足裏から感じられてなんとも不思議な体験でした。

この不思議な触覚体験の正体は「ハプティクス」という技術によるもの。「力(圧)や振動」を用いて実際に砂や雪の上を歩いている感覚を再現しているんだそうです。

冨嶽三十六景のさまざまな風を感じられる「風の部屋」

次は「風の部屋」。このゾーンではまるで北斎の絵の中を空中散歩しているような体験ができるのだとか……。ここでは、「風」を感じられる8図を体験できます。

実際に入ってみると、ただそよそよと上方から風が吹くのではなく、傘を吹き飛ばす突風や疾走する馬が横切ったときの風など、バリエーションのある風が! スクリーン上で桜吹雪がこちらに吹いてきたり鳥が飛んできたりするアニメーションと連動して風が吹くことで、その場で起こっているような感触を得られます。音と映像と風のハイブリッドで北斎の世界を体験できました。

人の少ない時間帯を狙って行くと風を全身で感じられて、より臨場感のある空中散歩を楽しめそうです。

上方に装置があり、やわらかい風からパワフルな風まで、作品に合わせて臨場感のある風が吹いてきます。

超高画質の作品やリアルな大波を全身で体験!「北斎の部屋」

最後は「北斎の部屋」。圧倒的な迫力のある絵をなぜ北斎が描けたのか。「北斎の想像力を拡張する」をテーマに、高精細のLEDに映し出される大型映像と立体音響、風、振動で北斎の作品を全身で感じられる本展示のメインともいえるゾーンです。

高精細で再現された「神奈川沖浪裏」。浮世絵の大波がリアルな大波に変化していく様子は、現地で実際に体験してみて。

「神奈川沖浪裏」が大きく押し寄せてきたかと思えば、リアルな波に! すべてを飲み込みそうな激しい波の音は、本当に海にいるよう。雷に合わせて震える床や、吹きつけてくる風もあって「波しぶきが飛んできた!?」と錯覚するほどでした。

この迫力はうまく書き表せません……ぜひ実際に体感してみてくださいね。

北斎の作品を隅々まで楽しめる仕掛けは他にも

リアルなレプリカで、作品の細かい部分までじっくりと鑑賞できます。ルーペは可動域が広いので、子どもの背丈でも鑑賞できそうでした。

3つの部屋を全身で体験した後は、冨嶽三十六景のマスターレプリカをじっくりと鑑賞できるゾーンや、現代アーティストと冨嶽三十六景のコラボ作品を楽しめるゾーンも。コラボ作品は会期中に入れ替わるので、訪れるたびに新たな発見があるかもしれません。

どんな子におすすめ? 子連れで行く際のポイントは?

入口入ってすぐの展示では学校の歴史や美術の教科書よりもずっと深く北斎について学べます。歴史や美術が好きな子は興味津々かも。また、デジタルやアートに興味のある子にもぴったりです。

3つの部屋は音や映像の演出がしっかりとしているので、小中学生だとより印象に残る体験になりそうです。 暗い場所や、音や映像の演出が苦手でなければ、6歳以下の子どもでも楽しめそう。とくに「大地の部屋」の触覚体験はクセになりますよ!

会場内は暗いため、18歳以上の大人1人につき小学生は3名まで、6歳以下の場合は大人1人につき1名までの入場です(例:小学生以下の子どもが5名の場合は、大人が2名、 小学生以下の子どもが7名の場合は、大人が3名必要)。

ベビーカーや車いすでの入場も可能ですが、会場がコンパクトなので人が少ない曜日や時間帯を狙って行くとよいかもしれません。

イベント概要

展覧会名:HOKUSAI : ANOTHER STORY in TOKYO

会場:東京都渋谷区道玄坂1丁目2-3 東急プラザ渋谷3階
https://shibuya.tokyu-plaza.com/access/

開催期間:2025年2月1日(土)~2025年6月1日(日)

チケット料金:一般 ¥3,500/高校生・専門学生・大学生 ¥2,200/小学生・中学生 ¥1,500/未就学児以下 無料

公式サイト:https://hokusai.anotherstory.world/

作品画像:©Ars Techne.corp 原作品所蔵元:山梨県立博物館


(取材・文:マイナビ子育て編集部)

PICK UP -PR-

関連記事 RELATED ARTICLE

新着記事 LATEST ARTICLE

PICK UP -PR-