
オランダの小学校で評価されるのは態度だけ! 驚きの成績表|オランダ人のシンプルですごい子育て#3
成績表=勉強の評価ではない?オランダでは、成績表でまったくちがうことが評価されています。
\子ども幸福度世界一のオランダ!親も苦労しないシンプルな子育てとは/
小学生は宿題なし、塾通いなし。でも学力は世界トップ層のオランダ。
手をかけないで「自分の頭で考える力」を伸ばすシンプルな育児法が、今、世界から注目されています。
それぞれアメリカ、イギリスから移住した2人の著者が、自由放任に見えて学力も幸福度も高いオランダ式育児を紹介した一冊です。
評価の内容や重視されることにびっくりなオランダの成績表について、書籍『オランダ人のシンプルですごい子育て』(日経BP)から一部抜粋してお届けします。
成績表にびっくり!

学業達成度をはかる10段階評価やABC評価とは違い、息子の成績表には、社交能力や個性に重きをおいた5項目評価が記されていた。私は、今まで自分が信じていた確固たる価値観とのギャップに直面した。なぜ社交能力が頭の良いことよりも大事なの!?
この5項目評価は、子どもたちが小学校に通う間ずっと続いた。それぞれの評価項目を見て、子どもがどうやって特別な技術を身につけ、ほかの人と一緒に作業をし、計画し、失敗があったときにどのように処理しているかなどの概要をつかむことはできた。
昔からあるオランダの学校では段階評価の成績表を出しているところもいくつかはあるようだが、モンテソーリ学校だけでなく、おもな学校ではこうした5項目評価の成績表を使っているようだ。
成績表に書かれた、5項目評価のカテゴリーは次の通りだ。
1 一般的な態度
自立し、穏やかであり、控えめで自分に自信を持ち、のびのびとして、責任感があることが理想とされる
2 環境に対する配慮
きちんと勉強に取り組んでいるか、机はきれいで整理整頓されているかを評価する
3 先生との関係性
頼りになり、好奇心が旺盛で礼儀正しく、気が利き、間違ったことに対してきちんと意見を言えることが理想とされる
4 ほかの子どもとの関係性
助け合おうとしているか、ほかの友だちのことを考えているか、立ち直りが早く、人の話をよく聞いているかを評価する
5 勉強に対する態度
根気強さと集中力、自分1人で仕事に取り組む能力、授業の間、きちんと話を聞いているか、やる気があるか、どれだけ早く勉強に取り組んでいるかの特質を評価する
これらの細やかな性格評価を見れば、オランダの小学校が子どもに何をさせたいと思っているか、ここで重要だと考えられていることは何かを知ることができるだろう。
つまり、オランダの小学校は、学業的に優れた才能とか、高い点数を取れる子どもを育てようとしているのではなく、友だちと仲よく、机をきちんと整理整頓できる子どもになるよう育てようとしているのだ。
これらの評価基準は、イギリスとはかなりかけ離れていると私の友だちは言った。イギリスでは、子どもに対して繰り返しテストが行われ、それをもとにランキング表が作成され、学校の評判が決まっていく。それはまるで資金を得るために子どもを利用しているようなものだと彼女は言う。
読書会の友だちの1人であるオランダ人ママのアニヤに、教育で一番大事だと思うことについて聞いた。すると「たくさん遊ぶことね! 息子たちには豊かな想像力を持ってほしいの。でも社会的にきちんと適応してほしいとも思うわ。それから、音楽の才能を磨くことも大事ね」と言った。

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この続きは、是非書籍でご覧ください。

※本記事は、『オランダ人の シンプルですごい子育て』著:リナ・マエ・アコスタ、ミッシェル・ハッチソン 訳:吉見・ホフストラ・真紀子/日経BP より抜粋・再編集して作成しました。