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2025年04月06日 08:11 更新

子どもは平凡が一番? オランダの競争しない幸せな子育てとは|オランダ人のシンプルですごい子育て#1

発達や学力、運動神経。親は何かとわが子を周りと比べてしまいがちです。でも子育てで競争することに意味はあるのでしょうか。

\子ども幸福度世界一のオランダ!親も苦労しないシンプルな子育てとは/

小学生は宿題なし、塾通いなし。でも学力は世界トップ層のオランダ。
手をかけないで「自分の頭で考える力」を伸ばすシンプルな育児法が、今、世界から注目されています。
それぞれアメリカ、イギリスから移住した2人の著者が、自由放任に見えて学力も幸福度も高いオランダ式育児を紹介した一冊です。

オランダでは、子どもは普通が一番? 才能がある子の育て方を、書籍『オランダ人のシンプルですごい子育て』(日経BP)から一部抜粋してお届けします。

平凡な子どもを育てたい

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※画像はイメージです

できるだけ早い時期に、子どもの持っている可能性を絞り出そうとすることが良いことだと私は決して思わない。でもどうして親はそんなに慌ててしまうのだろう?

英語圏の親は、その年齢の赤ちゃんや子どもがこうするべきという指標と比較して、競争をあおられているように思う。それに引き換え、ここオランダでは子どもが幼いときから読み書きができるかどうかということを重要視していない。それどころか、実際にはそうした類の話をすること自体を拒否しているようにも思える。

オランダ人の友だちが「オランダ人は、自分がどれだけすごいことを成し遂げたかなんて気にしない」と言った。このことの重要性は、私のような外国人にとっては見逃してしまう点だと思う。

たしかにオランダでは、自分ができるだけ中間のほどほどのところにいて、自己顕示欲を抑える文化がある。だから、オランダにはママ同士の争いがなく、子どもの才能に目を向けることに熱心な人もいないことにも納得がいく。

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長女のイナは、3歳のときには内気で親にべったりの子どもだった。でも、自然と「ママ」「パパ」「イナ」「ベン」というような言葉を書くことができるようになり、あちこちに書きなぐった。

3歳児検診のとき、待合室で待っている間も、彼女は楽しそうに自分の知っている文字をカードに書くことに夢中になっていた。しかしその検診では、書けることを話題にもせず、淡々とイナの体重と身長を測り、3つの積み木が上手く積み重ねられるかの発育状況を検査をしただけだった。

学習することに対して、イナがやりたいと言えば私は手伝ったが、勉強するように推し進めたことは一度もなかった。彼女が4歳の誕生日のちょっと前に幼稚園へ行きはじめると、担任の先生は、イナが勉強したいと思っていることにすぐに気がついてくれて、学習ワークシートを特別に用意してくれた。だからイナは、文字や計算の練習を自分ですることができた。そのころのイナは、算数にとても興味を持っていたので、ベッドに寝転びながら九九を暗唱していることもあった。

そんなふうに、イナは同じクラスのほかの子どもよりも、一歩進んだ勉強を続け、翌年には本格的に勉強を教えるグループ3(日本の小学校1年生)へ飛び級した。

才能ある子どもがいた場合、一般的なオランダの教育方針では、その学力に合わせて飛び級で上のクラスへ送り込むよりも、その子どもの持つ知識をより深く幅広くさせるため、特別な教材を使って子どもの能力を伸ばそうとする。

イナの場合は、飛び級した後も、そのクラスでの授業の内容が簡単すぎて飽きてきたので、もう1つ上のクラスへ飛び級することになった。

しかし、ほかのオランダの親や先生たちと同じく、私たちも社交性が学業よりも重要だと思っている。だから、イナが11歳になったら、GCSE(一般中等教育修了試験)を受けるような賢い子どもであるより、友だちと仲良くできる子になってほしいと学校の先生に相談した。

その結果、今のところ小学校の最高学年にもう1年イナを在籍させる予定だ。そうすれば、彼女は10歳で中学校へ行く必要がなくなる。

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この続きは、是非書籍でご覧ください。

オランダ人のシンプルですごい子育て
(2025/04/06時点)

※本記事は、『オランダ人の シンプルですごい子育て』著:リナ・マエ・アコスタ、ミッシェル・ハッチソン 訳:吉見・ホフストラ・真紀子/日経BP より抜粋・再編集して作成しました。

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