ゲジゲジは益虫で駆除しちゃダメ? おすすめの侵入予防対策
細長く扁平な体に、ムカデのようにたくさんの脚。その見た目から、人間からあまりよく思われていない虫の一種がゲジ(ゲジゲジ)です。ですが、ゲジは実は人間に害を与えず、むしろメリットをもたらしてくれる虫だということはご存知ですか? 今回は、ゲジが益虫といわれる理由と、駆除や予防の方法について解説します。
ゲジはゴキブリを食べてくれる益虫!?
ゲジの特徴
ゲジは、ゲジゲジとも呼ばれ、日本では「ゲジ」と「オオゲジ」の2種類が存在しています。体は褐色で、大きさは25mm程度(オオゲジは40~80mm程度)。縞模様の付いた細く長い脚は、幼虫のときは8本しかありませんが、脱皮を繰り返しながらどんどん増えていき、成虫になると15対(30本)もの脚を持つようになります。
そんなゲジですが、実は、見かけによらず、性格はとても怖がり。天敵である鳥などに襲われると、トカゲが尾を切るように、自分で自分の脚を切り落として逃げます。失った脚は、脱皮によって再生することができます。
ゲジが生息するのは、落ち葉や石の下、草むらなど、薄暗く湿った場所。基本的には屋外にいるのですが、エサを探したり冬を越したりするために、家の中に侵入してくることがあります。
ゲジは何を食べる?
ゲジがエサとするのは、クモやダンゴムシなどの小さな虫です。ゲジの目は、暗闇の中でも見通すことができる特別な構造をしており、闇に潜むエサとなる虫を見つけると、俊敏な動きで捕えます。
またゲジは、ゴキブリだって食べてくれるんです。素早い動きでゴキブリを捕まえると、ゲジはたくさんの脚を上手に使ってゴキブリを羽交い絞めにし、残すことなくきれいに食べます。つまり、ゲジは、家の中のゴキブリを駆除してくれる、ありがたい虫なのです。
見た目以外に害はナシ!
家で虫を発見したときに気になることといえば、「刺したり噛んだりしないのか?」「毒を持っていないのか?」ということでしょう。特に、ゲジは見た目がどことなくムカデに似ているため、人間を噛むことがあると思っている人もいます。
しかしゲジは、人間を刺すことはほとんどありません。また、微弱な毒を持っているといわれていますが、もし刺されたとしても、人体に影響が出ることはほぼないので安心してください。また、ゲジは、蚊などのように病原菌を媒介する虫ではありません。
その前に、非常に臆病な性格なので、人間が近づくと逃げてしまうでしょう。
このように、ゲジは人間に悪影響を及ぼすことはありません。見た目が気持ち悪いため害虫だと誤解されがちなゲジですが、実はゴキブリや他の虫を食べてくれる益虫(※)なので、できるだけ駆除しないであげたいですね。
※益虫:害虫を食べたり、受粉を促したりする役割をしたり、何らかの形で人間生活の役に立ってくれる虫のこと。害虫の反対の意味を持つ。
ゲジ駆除のポイント
「人間に被害を与えることはなくても、やっぱり気持ち悪い!」など、どうしてもゲジを駆除したい場合は、どのようにすればよいのでしょうか。
駆除したいならゴキブリ用殺虫スプレーで
室内でゲジを発見した場合は、殺虫スプレーを使用して駆除することができます。殺虫スプレーは、ゴキブリ用のものを使用すると良いでしょう。
また、天井裏や床下がゲジのすみかになってしまっている場合は、バルサンのような燻煙剤などの駆除剤を使うことで、ゲジをまとめて駆除することができます。
ゲジを予防するには
いくら益虫であるとは言っても、できることなら家の中でゲジを見かけたくはないものです。ここでは、ゲジの侵入を予防する方法について見ていきましょう。
家の周りの環境を整備しよう
ゲジは、落ち葉や石などの下や雑草の生い茂る場所をすみかとします。ゲジを家に寄せ付けたくないのなら、まずは、家の周囲からゲジのすみやすい環境をなくしましょう。
家の周りを除草したり、掃除をして落ち葉や瓦礫を取り除いたりすることで、ゲジにすみかをつくらせないようにすることができます。
室内への侵入を阻止しよう
家の周りの環境を整備したら、次は侵入対策です。ゲジの侵入口となりやすい場所としては、排水口や換気口、床下などが考えられます。室内にゲジが侵入してこないようにするために、家の周囲や侵入口となる部分に、粉状または粒状の殺虫剤を散布しておきましょう。
ゲジはヒノキの香りが嫌い?
ゲジは、ヒノキの香りが苦手といわれています。そのため、ゲジが室内に侵入してくるのを防ぐために、ヒノキ精油のアロマスプレーを使用すると効果的です。
「虫が家に入ってくるのは嫌だけれど、家の周りに殺虫剤を撒くことに抵抗がある」という人でも、天然成分のアロマスプレーなら安心して使用できますね。
まとめ
ゲジは見た目は気持ち悪いですが、実は、ゴキブリを駆除してくれる益虫なのです。そのため、家にゴキブリが発生しているお家は、むやみに駆除しない方がいいかもしれませんね。けれども、駆除や侵入を防ぎたい方は、殺虫スプレーなどで十分対処できるので、今回の方法を参考にしてください。