離乳食がめんどくさい!簡単な対処法まとめ【管理栄養士監修】
離乳食を作ったり食べさせたりがめんどくさいと思ったこと、ありませんか? 赤ちゃんのいる家庭は、やることがいっぱい! 掃除・洗濯に加え、おむつ替えやお風呂、ぐずったらあやし、夜になったら寝かしつけ……朝から夜まで仕事が終わることがないでしょう。今回は離乳食がめんどうな時の対処法について、川口由美子先生にお聞きしました。
離乳食がめんどうくさい! これって私だけ?
(イラスト:まちこ @achiachiachico)
まず大前提として、赤ちゃんの世話や家事で日々大変ですよね。そこに離乳食が加わると、時間的にも体力的にも精神的にもしんどい! そんな保護者のみなさん。先に結論を言いましょう。
\めんどくさいのはあなただけじゃない/
\がんばりすぎなくて大丈夫ですよーー/
3人に1人が「離乳食作りが負担」
厚生労働省の調査[*1]によると、赤ちゃんの保護者のおよそ75%が「離乳食について困ったことがある」と答えています。そして、中でも最もママ・パパたちを困らせているのが離乳食作り。33.5%の人が「作るのが負担、大変」と思っているようです。また、「食べさせるのが負担、大変」(17.8%)という困りごとも珍しくありません。
そのほかにも
・もぐもぐ、かみかみが少ない(28.9%)
・食べる量が少ない(21.8%)
・食べものの種類が偏っている(21.2%)
・乳汁※と離乳食の バランスがわからない(17.1%)
・食べるのをいやがる(15.9%)
・乳汁※をよく飲み、 離乳食がなかなか進まない(12.6%)
など、離乳食についての困りごとはたくさんあります。ああめんどくさい! となってしまう気持ち、よくわかります。
※乳汁:母乳や人工乳
「離乳食、めんどくさい」3つのパターン別対処法
離乳食がめんどくさい場合、どうすればいいのでしょうか。パターン別に解説します。
1. 離乳食を作るのがめんどくさい
米を洗って、水を入れて、炊いて、野菜を茹でて、つぶして、魚を茹でて、骨を取って、裏ごしして、とろみをつけて……離乳食ってなんでこんなに面倒な工程が多いの!?
鍋に食材と水を入れて、さあ調理しようと思ったら、あちらで赤ちゃんが泣き出したり。それならば事前に下準備を、と思って寝る時間を削って夜中に時間をかけてフリージングを作ったら、作りすぎて結局ダメにしてしまったり。ああ、めんどくさい!
「めんどくさいなら作らなくていい」
離乳食作り、本当に大変ですよね。めんどくさいときは、作らなくていいのです。
特別に作ろうと思うと余計にめんどうになりますよね。だったら、離乳食だけで調理するのではなく大人用のものを取り分けるのでも全然OK。調味前に取り分ければ塩分の面でも問題ないですし、調味後でもお湯につけて味を薄くするとかで対処できますよ。
もちろん、自分で調理せずに市販のベビーフードを使ってもいいんです。あなたが少しでも楽になる方法を選ぶことが大事です!
2. 食べさせるのがめんどくさい
あーんして口に入れたら、ちゃんともぐもぐしているかじっと見つめ、ごっくんしたら次のひとさじへ……と赤ちゃんの食事に付き合って、自分の食事は後回し。そんな保護者の方は少なくないのでは?
しかも、食べてほしいものを食べてくれなかったり、少し食べただけで椅子から抜け出そうとしたり。私の食事はいつになる!? ああ、めんどくさい!
「大人も一緒に食べればいい」
大人だってお腹が空いてるのに、付きっ切りで食べさせるのは大変ですよね。はじめのうちは食べさせてあげる必要がありますが、そんなときでも赤ちゃんの食事に全集中するのではなく、大人も是非一緒に食事を!
大人にも「食べる楽しみ」はありますが、赤ちゃんも離乳食を通じてそれを経験していきます。食べ物の味や舌触りを楽しむことから始まり、手づかみ食べができるようになると自分で食べることの楽しさも経験します。そしてもうひとつ、赤ちゃんだけでは得られない「食べる楽しみ」があるんです。それは“共食”によって得られるものです。
共食とは、誰かと一緒に食事をすること。赤ちゃんが家族と一緒に食卓を囲むことで、コミュニケーションや思いやりの心が育ち、食べることの楽しさを経験していくのです。
赤ちゃんのお口に食べ物を入れてもぐもぐし始めたら、大人も一口ぱくり。赤ちゃんがごっくんしたら、大人がそしゃくしている間にまた赤ちゃんに食べさせる……というように「交互に食べる・噛む」をしていくイメージでいいかと思います。
赤ちゃんはいずれ手づかみ食べを始めます。そうなったら自分で食べてもらえますので、ますます食べさせるめんどくささは軽減されるはずなので、少しの辛抱ですよ。
3. 後片付けがめんどくさい
作って、食べさせるまではなんどか耐えしのいだものの、汚れた服・汚れた食卓・汚れた床を見ると、めんどくささがこみ上げてきます。満腹でうとうとし始めた赤ちゃんをぐずらせながら着替えさせ、テーブルを拭いて、床の食べ残しを拾って……ああ、めんどくさい!
「よごれてOKな状況を作る」
「せっかくかわいいお洋服を着せているのにこぼして汚したらいやだな」「掃除が大変だからこぼさないようにしなくては」などと気を張りながらの食べさせるのは本当にしんどいですよね。
汚れてOKな服を着せるのもありですし、ランチョンマットとエプロンが繋がっているようなタイプのエプロンを使えば服と食卓と床の3方向がケアできます。また、ポケット付きの使い捨てのエプロンを使って、エプロンの洗濯の手間を省くという人もいるようです。
食べこぼしを減らそうと、大人が食べさせてあげたくなってしまいますが、赤ちゃんが自分で食べることも大事な経験。ツールをうまく活用して、まだ上手に食べられない赤ちゃんも見守れる余裕ができるといいですね。
離乳食がめんどくさくても、これだけはNG!
めんどうなこと満載な離乳食は、無理せずほどほどにゆるくやるのがコツ。でも、めんどくさくても避けるべきこともいくつかあります。
NG1 食べ残しをあげない
口をつけた食べ物は雑菌が繁殖しやすくなっています。作るのがめんどうだからといって、前の食事の時の食べ残しをあげるのはやめましょう。もし準備の手間を減らしたいのであれば、食べる前に取り分けて冷蔵保存し、その日のうちに消費すればOKです。
NG2 加熱不十分なものはあげない
火を使った調理ではキッチンから離れられないため、赤ちゃんがいる家庭では特にめんどうなものですが、離乳食はしっかり加熱するが原則です。電子レンジでも火の通り具合を確認しながら加熱することはできますので、うまく活用しましょう。
めんどくさい時はこんな料理を
離乳食作りがめんどうな日はとことん調理をシンプルにしましょう。例えば、
・刺身を焼いただけ(魚の下処理いらず)
・野菜を茹でただけ(野菜本来の旨味で勝負)
なんていうのでも、赤ちゃんは意外と喜んで食べてくれるものです。おかゆは耐熱容器にご飯と水を入れて電子レンジで温めればできますよ。
まとめ
離乳食は赤ちゃんにとって大事なものですが、それと同じくらい保護者が心身ともに健やかであることも赤ちゃんには大切なことです。ただでさえ忙しい生活をしているのですから、ベビーフードやエプロンなど便利なアイテムを使ったり、取り分けなどで効率化を図ったりしながら、気楽に離乳食の期間を乗り越えていきましょう。
[*1]厚生労働省「平成27年度 乳幼児栄養調査結果の概要 乳幼児の栄養方法や食事に関する状況」p.10
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000134207.pdf
(文:マイナビ子育て編集部、監修:川口由美子 先生)
※画像はイメージです