離乳食のきのこはいつから?後期・完了期レシピ【管理栄養士監修】
香りと旨味が魅力のきのこは、赤ちゃんにいつごろからあげられるのでしょうか。離乳食での開始時期の目安とともに、調理の際の注意点や赤ちゃんが吐き出してしまうときの対応、そしてきのこを使った離乳食レシピをご紹介します。
きのこ、赤ちゃんは離乳食でいつから食べていいの?
・後期の調理:噛み切れないことがあるので避けてもいい。あげる場合は薄く、なおかつ細かくきざむ
・完了期の調理:細かくきざむ
秋の味覚、きのこ
きのこは自然ではなく人工的に栽培されているものが多いため、一年中店頭に並びます。天然のきのこは9月から11月にかけて旬を迎えるものが多いので、秋といえばきのこを連想する人が多いのはこのためですね。
なお、きのこの中でもエリンギは全て栽培もののため、旬はなく一年を通じて安定的に手に入れることができます。
きのこに豊富な栄養
きのこにはカルシウムの吸収を助けるビタミンDが含まれますが、このビタミンDは食べる前に生のきのこを1~2時間外に干すだけでもアップします。
うまみ成分も豊富
きのこにはうま味成分であるグアニル酸も豊富なので、だしに使用することで香りとうま味がアップします。干ししいたけがだしなどにもよく利用されるのは、このうま味成分を利用しています。
離乳食のきのこ、下処理・下ごしらえの方法
離乳食できのこを使う際の下処理や調理のコツについてお伝えします。
下処理のコツ
きのこは水で洗うと風味が落ちるため基本的に洗いませんが、離乳食に使う場合は軽く洗うか、濡れ布巾で優しく拭いて使用するほうが安心です。
しめじは根元の石づき部分は切り落としまします。まいたけは石づきを切り落とし、かさの間の汚れを落とします。
調理上の注意点
きのこは食物繊維も多く噛み切りにくいので薄く切り、繊維を断ち切るように必ず細かくきざみましょう。そのままでは食べづらい場合は、片栗粉を使用するなどしてとろみをつけることをおすすめします。
きのこの多くは大人でも生で食べることができません。特に離乳食ではしっかりと加熱をすることが大切です。
きのこの離乳食、よくある疑問
次は、離乳食でのきのこに関してのよくある疑問についてお答えします。
きのこをベーと吐き出すのですが、どうしたらよい?
きのこは味がしっかりとしたものが多く、特にまいたけは味だけではなく香りも強いです。きのこを食べ慣れていない赤ちゃんは、味や香りにびっくりしてしまうことも。まずは赤ちゃんの様子を見ながら少量ずつ離乳食に取り入れてみてください。
また、繊維が多いきのこは赤ちゃんにとって飲み込みづらい食材でもあるため、とろみをつけてあげることもおすすめです。
きのこはたくさん食べさせてもいい?
きのこにはお腹の中で溶けにくい食物繊維(不溶性食物繊維)が多く含まれており、消化機能が未発達な赤ちゃんが食べすぎるとお腹が痛くなる可能性もあります。ほかの野菜を中心にとり、きのこは多すぎないようにしておくといいでしょう。
きのこは冷凍できる?
きのこ類は冷凍可能です。細かくきざんだものを1回の使用分ずつ小分けにしてストックしておくと離乳食づくりに便利です。
また、きざんだきのことだし(出汁)を一緒に製氷皿などに入れて冷凍し解凍することで、きのこのうま味が溶け出しおすすめです。きのこは冷凍することでうま味成分がアップするので素材の味がしっかりと感じられます。
きのこの離乳食レシピ! 後期・完了期
最後にきのこを使った離乳食レシピをご紹介します。
<離乳後期のレシピ>和風のスパゲッティ
材料(1回量)
・スパゲッティ 15~20g
・鶏ひき肉 5g
・にんじん 10g
・大根 15g
・小松菜 5g
・しめじ 10g
・だし汁 70ml
・醤油 少々
・水溶き片栗粉 少々(水:片栗粉=1:1)
作り方
① にんじんと大根は7~8mmの角切り、小松菜は粗みじん切り、しめじは細かくきざむ
② 鍋に鶏ひき肉を入れ軽く炒め、①とだし汁を入れやわらかくなるまで煮る
③ スパゲッティはやわらかく茹で、1cmほどに切って器に盛る
④ 野菜がやわらかくなったら醤油を回し入れ味をととのえ、水溶き片栗粉でとろみをつけスパゲッティにかける
<離乳完了期のレシピ>高野豆腐の卵とじ
材料(1回量)
・高野豆腐 8g
・さやえんどう 1枚
・にんじん 10g
・しめじ 10g
・だし汁 100ml
・醤油、砂糖 各小さじ1/4
・溶き卵 1/2個
作り方
① 高野豆腐は水に戻し、1cm角に切る
② さやえんどうは筋を取り除き細切りに、にんじんは皮を剥き細切りに、しめじは細かくきざむ
③ 鍋にだし汁と①・②を入れてやわらかく煮る
④ ③を醤油と砂糖で味付けし、溶き卵を回し入れ、卵に火を通す
<離乳完了期のレシピ>きのこの春雨スープ
材料(1回量)
・春雨 5g
・キャベツ 10g
・舞茸 10g
・にんじん 5g
・だし汁 2/3カップ
・醤油 小さじ1/5
作り方
① 春雨は茹でて1cmほどに切る
② キャベツは粗みじんに、舞茸は細かくきざみ、にんじんは千切りにする
③ 鍋にだし汁と②を入れやわらかく煮る
④ ③に①を入れ、醤油で味をととのえる
まとめ
一年を通し安価で手に入るきのこには、赤ちゃん骨を作るうえで欠かせないビタミンDが含まれています。ちょっと干すとビタミンDが増えるのも面白いですね。離乳期には食べづらそうなきのこですが、うま味成分を多く含んでいるために素材の味をより一層活かした離乳食作りができます。まずはきのこのだしを使ったメニューから取り入れ、細かくきざんだきのこを少量ずつ料理に加えると良いでしょう。
(文:茅野陽 先生、監修:川口由美子 先生)
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