離乳食の卵はこうやって冷凍しよう!ゆで卵・卵焼きの冷凍方法とレシピ【管理栄養士解説】
赤ちゃんにはアレルギーのリスクのある卵ですが、栄養価が高いため離乳食に取り入れていきたい食材です。最初は少しずつ使っていくので、余りを冷凍保存したいと思う方もいるのではないでしょうか? そこで、卵の冷凍方法や冷凍した卵を使ったレシピをご紹介します。冷凍保存を活用して普段の離乳食にうまく卵を使っていきましょう。
離乳食で使う卵は冷凍できる?
離乳食の卵は卵黄(黄身)からスタートし、徐々に全卵へと進めていきます。離乳食の時期により卵の使う部分が異なりますが、冷凍保存はできるのでしょうか?
余りがちな卵黄は冷凍保存が便利
卵は離乳初期(生後5~6ヶ月)に、おかゆや野菜に慣れて豆腐や白身魚などのたんぱく質を始めるタイミングで、固ゆで卵の卵黄からスタートします。はじめはごく少量から、かつ、少しずつ量を増やしていきます。そのため起こりがちなのが、1個の固ゆで卵を作っても卵黄が余ってしまうということ。
そのようなときに冷凍保存することで、毎回固ゆで卵を作らなくても済みます。
関連記事▶離乳食の卵の進め方!量は?卵白はいつから?
初期・中期の固ゆで卵は卵黄だけ冷凍可能
卵白(白身)は冷凍すると水分が抜けてゴムのような食感に変わってしまうため、冷凍には向きません。固ゆで卵は卵黄だけ冷凍ができます。
また卵白の部分に多い「卵白アルブミン」といったアレルゲンは、茹でてからしばらく時間が経つと卵黄に移行するため、茹でたら早めに卵黄のみ取り出しましょう。
関連記事▶離乳食のゆで卵はいつからOK?進め方、レシピ、アレルギー
後期以降は全卵の卵焼きを冷凍してもよい
全卵1/2個まで食べられることが目安となる後期ごろには、固ゆで卵だけでなく卵焼きのような料理もチャレンジできます。
全卵1個で卵焼きを作りその半分を1回分として冷凍しておくと、使いたいときに解凍してすぐ食べることができるのでおすすめです。調理済みなので解凍すれば主菜が出来上がるのも助かりますね。
関連記事▶離乳食で全卵を使うときに覚えておきたいこと!全卵を使ったおすすめレシピや注意点も
離乳食の卵の冷凍方法
実際の冷凍方法を見ていきましょう。ここでは固ゆで卵の卵黄と卵焼きを冷凍する方法をご紹介します。
冷凍方法|固ゆで卵の卵黄
※初期の場合、ごく少量(耳かき1杯程度)から徐々に卵黄1個分まで増やしていく
初期のころ、1回量が耳かき程度など小さじより少ない量を冷凍する場合は、おかゆと一緒に冷凍するのもよいですよ。
もしくはつぶした卵黄1個分を平らになるようにラップに包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍してもOKです。この場合、初期のころで1回量が卵黄1個分以下のときは使いたい分だけ手で折って取り出します。残りはすぐに冷凍庫へ戻しましょう。
冷凍方法|卵焼き
しっかり火を通した卵焼きを、粗熱が取れるのを待って1回量(※)ずつラップに包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍します。卵焼きは固ゆで卵よりも加熱時間が短いので、中までしっかり火が通っているか爪楊枝などを刺して確認してから冷凍しましょう。
※全卵1個で作った卵焼きの半分が目安
1回量ずつに小分けが便利
基本的に離乳食の冷凍では、冷凍用保存容器に入れる量やラップに包む量は1回量ずつにするのがおすすめです。そのときに使いたい分だけを解凍できるので、解凍後に分量を量る手間が省けるうえ、使い切れずに余ってしまうことも防げます。
冷凍期間の目安は1週間
冷凍保存は冷蔵保存より長持ちしますが、冷凍してから1週間以内には使い切りましょう。冷凍した日付や食材名を袋や容器にメモしておくとわかりやすいですね。
解凍するときのポイント
解凍の際にポイントとなるのが「加熱」です。特に解凍後に調理しない場合(卵焼きなど)は、解凍時の加熱をしっかりすることが大切になります。
加熱して解凍する
自然解凍はNG
自然解凍は時間がかかるので雑菌が繁殖しやすいほか、加熱調理してから冷凍しても、冷凍中に雑菌の繁殖することがあります。加熱殺菌ためにも自然解凍は避け、電子レンジなどでしっかり加熱しましょう。
なお、一度解凍したものは再冷凍せず使い切るようにしてください。
レンジ解凍のコツ
電子レンジで解凍するときは500Wなど少し低めのワット数で長めの時間で解凍しましょう。
冷凍の卵を使ったレシピ
初期|スイートポテト風
■材料(1回量)
・さつまいも 10g
・育児用ミルク(調乳済み) 大さじ3
・卵黄 小さじ1
※さつまいも、卵黄はフリージングしたものを使用
さつまいも…皮をむいてやわらかくゆでたさつまいもをつぶし、ペーストにして冷凍しているもの
■作り方
① 卵黄は冷凍用のラップを外さずにそのまま電子レンジ(500W)で40秒加熱したら、湯冷ましを少量(分量外)加えてペースト状にのばす
② さつまいもと育児用ミルクを鍋に入れ火にかける
③ さつまいもがトロトロになったら皿に盛り、上から①をのせる
卵黄の量を変えても同じように仕上がります。卵黄は加熱で固まりやすいですが、電子レンジで加熱後すり鉢などですりつぶすとなめらかになります♪
中期|パンプディング
■材料(1回量)
・食パン8枚切り(耳なし) 1/3枚
・卵黄 1個
・育児用ミルク(調乳済み) 80ml
※食パン、卵黄はフリージングしたものを使用
食パン…耳を切って6等分に切り冷凍しているものから2切れ
■作り方
① 食パンは凍ったまま5mm角に刻む
② 冷凍の卵黄と①、育児用ミルクを一緒に鍋で煮込む
卵黄1個分でもぺろっと食べられるようなメニューです。火にかけるときに卵黄が固まりダマになりやすいので、スプーンなどでつぶしながら煮込んでみてください。
まとめ
離乳食で卵黄を与え始めるときなどは少量ずつしか使わないので、卵黄が余ってしまいますよね。そんな時には冷凍保存をぜひ活用してみてください。ゆで卵の卵黄や卵焼きだけでなく、同じ要領で薄焼き卵や炒り卵も冷凍できます。冷凍保存をうまく取り入れながら、卵の離乳食を進めていってくださいね。
(文・写真:谷岡友梨 先生)