離乳食のゆで卵はいつからOK?進め方、レシピ、アレルギー【管理栄養士監修】
赤ちゃんに食事を与える時、気になるのがアレルギーのことです。特に卵(鶏卵)などアレルゲンとなりやすい食品ではいつからどのように進めればいいのか迷うものでしょう。今回はゆで卵について、どのように離乳食に取り入れていったらよいのか、詳しく解説します。
離乳食のゆで卵はいつからあげられる?
乳児期に多いアレルゲンの1つである卵は、いつからどのようにあげたらいいのかと心配になりますよね。逆に怖いからといって避けてしまうと、卵に豊富に含まれる栄養であるたんぱく質や鉄が摂れなくなってしまいますので、注意をしつつも始めていきましょう。
離乳食の初期は黄身(卵黄)のみ
厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」では、離乳初期でおかゆや野菜などを試した後に、かたゆでの卵黄から始めるようにとされています[*1]。
最初はしっかり加熱したかたゆで卵から卵黄だけ取り出して使います。
白身(卵白)は離乳食の中期から
厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」では離乳が進むにつれ、卵は卵黄から全卵へと進めていくとしています。
目安としてゆで卵の卵黄1個分位が食べられるようになったら白身(卵白)も含んだ全卵に進みます。食物アレルギーの発症を心配して、保護者の判断で特定の食物の摂取開始を遅らせても、食物アレルギーの予防効果があるという科学的根拠はありませんので、このころから少しずつ始めましょう。
離乳食の卵の食べ進め方
実際に卵をはじめるにあたってのステップをご説明します。
離乳初期の卵の食べ進め方
最初は水から20分ほどゆでたかたゆで卵から卵黄を取り出して使います。ゆでてから時間をおくと卵白のアレルゲンが卵黄に移行しますので、早めに卵黄を取り出してください。
取り出した卵黄をこし網などで、裏ごしします。初めての食品を始める時には、まずはほんの少しずつ。特に明確な決まりはありませんが、心配な場合は耳かき1杯から始め、その後は様子を見て気になる症状がなければ倍量ずつ増やしていきましょう。
離乳中期以降の卵の食べ進め方
固茹で卵の卵黄1個分が食べられるようになったら、全卵に進む目安です。
卵黄同様、こし網などで裏ごしして卵白と卵黄を一緒に与えます。少し食べにくそうならおかゆなどに混ぜてあげると良いでしょう。
知っておきたい卵のアレルギー
食物アレルギーの原因となるものはいろいろありますが、一番多いのが鶏卵で、中でも乳幼児期が一番多いので気を付けたいものです
卵アレルギーの症状
卵黄は、消化管アレルギーの1つである新⽣児・乳児⾷物蛋⽩誘発胃腸症に該当することが多く、主症状は嘔吐や血便などです。
卵白では、主に乳児アトピー性⽪膚炎が多くみられます。即時型症状として2時間以内に蕁麻疹、アナフィラキシーなどがみられることがあります。しかし、就学前に完解(治る)することが多いのが特徴です。
異常が見られたらどうする?
最初は比較的アレルギーの発症が少ない卵黄から与えるようにします。
異変が起きた場合、昼間に症状が出たのであればかかりつけ医に相談しましょう。休日や夜間であれば、スマートフォンなどから#8000をダイヤルすると「子ども医療電話相談事業」というお住まいの都道府県の相談窓口につながり、小児科医や看護師に相談できます。
しかし、既にぐったりしていたり意識が混濁している場合などは、119で救急要請をしましょう。その場合、体を横たえて休ませる際も、嘔吐物で窒息しないように横向きの姿勢にしてあげてください。
離乳食の卵アレンジレシピ
離乳食に卵を使うのはドキドキしてしまうかもしれませんが、使いやすい食材でもありますし、いろどりもかわいいので、上手に取り入れていきましょう。
ゆで卵:卵黄|ピーマンと黄身の和えもの<離乳中期(7〜8ヶ月)〜>
材料(作りやすい分量)
・ピーマン 1/3個
・卵黄 1/2個
・だし汁(かつおだしなど) 100cc
作り方
① かたゆでした卵から卵黄を取り出し、ほぐしておく
② ピーマンをだし汁でくたくたになるまでやわらかく煮て、きざむ
③ ①と②をよく混ぜてできあがり
アレンジ例
・パプリカは甘味があり、色どりもよくなるので、ピーマンの代わりに使ってもいいでしょう。
・だし汁が残った場合は、水溶き片栗粉などでとろみをつけてあげるとまた違ったおいしさがあります。
ゆで卵・全卵|ヨーグルトを使った卵サンドイッチ<離乳後期(9〜11ヶ月)〜>
材料(2回量)
・食パン 2枚(みみをカットした8枚~10枚切のもの)
・かたゆでしたゆで卵 1個
・無糖ヨーグルト 50g
作り方
① かたゆでしたゆで卵(ゆで時間:20分目安)を粗みじん切りにする
※こし網などで裏ごしして、なめらかにしておくとさらによい
② ①にヨーグルトを混ぜ、パンにはさんで食べやすい大きさにカットしてできあがり
まとめ
ゆで卵は、まずは黄身のみを離乳初期から食べさせてみましょう。徐々に量を増やしていき、卵1個分の黄身が食べられるようになったら白身の部分も合わせて食べられます。
自己判断により食品の摂取開始時期を遅らせたり、食べさせないなどが続いたりすると、栄養欠乏が起こることがあります。アレルギーに対してあまり慎重になりすぎず、肌の保湿をしっかりしながら適齢・適時に食べ進められるといいでしょう。
(文:シライカヨコ 先生、監修:川口由美子 先生)
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