
保存版【しらすの離乳食】初期・中期ペーストや塩抜きの方法とレシピ【管理栄養士監修】
イワシの稚魚であるしらすは身がやわらかいので、魚の中でも赤ちゃんが食べやすい部類です。たんぱく源にもなりますから、いつから赤ちゃんに食べさせていいのか、気になりますよね。離乳食で使う際に知っておきたい、基本のペーストの作り方、下ごしらえでの塩抜きの簡単な方法のほか、おすすめのレシピもお教えします。
赤ちゃんがしらすを食べられるのはいつから?
しらすの離乳食は初期からOK、しっかり塩抜きを
しらすは離乳食の初期から赤ちゃんに与えることができます。最初はペーストから始めましょう。離乳食が中期、後期と進んでいったら、そのまま食べられます。どの時期においても塩抜きが必要です。

しっかり茹でてやわらかくしたら、茹でた湯を捨てます(ゆでこぼし)。その後、裏ごしをしてペーストにするか(レシピはこちら)、 包丁でみじん切りに。
中期の調理
お湯につけて、しっかり塩抜きをします。そのままだと食べにくそうであれば、粗く刻んであげましょう。
後期の調理
茶こしなどに入れ、お湯をかけて塩抜きをします。やわらかければそのままでOK。ごはんにのせたりするのがオススメです。
完了期の調理
しらすの塩味を味付けととらえてもOK(ほかの塩分は減らします)。混ぜごはんなどにもぴったりです。それ以外はお湯をかけて塩抜きをしましょう。
■ワンポイントアドバイス■
離乳食のしらすの大きさは?
離乳初期はペーストにします。
離乳中期頃から、舌でつぶせるくらいになってくるので、やわらかいしらすならほとんど食べることができます。でも、もし口の中で違和感があるようであれば、細かく切ってもいいでしょう。だいたい1つのしらすを2~3つに切るくらいが食べやすいかもしれませんね。
離乳後期になると、歯ぐきでつぶせるくらいになりますので、しらすはある程度大きくても問題なく食べることができると思いますが、食べにくそうにしていたら小さく切ってみてもいいでしょう。
特にのどに詰まったりするような食べ物ではありませんので、臨機応変に対応できるといいですね。大きい方が食べやすいこともあるかもしれません。
しらすは、「かたくないか」ということを確認しましょう。
基本のしらすペーストの作り方
■材料(作りやすい量)
・しらす 大さじ3
■作り方
① 鍋に水をいれ沸騰したら、しらすを1分ほど茹でる
② ざるにあけ水気をきったら、裏ごし器で裏ごすか、すり鉢でつぶす
③ かたくなってしまったら適宜お湯を足して、ヨーグルト状になるまで伸ばす
多めに出来上がるので、冷凍保存袋に流し入れ、薄く延ばし、まっすぐにしたまま冷凍しておくと、少しずつ折って解凍できるので便利です。
しらすの下ごしらえ、簡単な塩抜き方法

電気ポットのお湯でも塩抜きOK
鍋で湯を沸かさなくても、電子ポットなどがあれば熱湯をボウルにはって、しらすが入ったザルを3分ほどつけて引き上げればOKです。塩分は残っていますが、多少の塩分は離乳食のほどよい味付けになります。
レンジで加熱1分でも
また、電子レンジを使用しても簡単に塩抜きできます。
耐熱皿にしらすとお水をいれて、ラップをし、電子レンジで約1分加熱しします(熱いので出すときには注意を)。さましてからザルにしらすをあげたら出来上がりです。
塩抜きしないままあげるのはいつから?
離乳後期ごろからは調味料がわりに
しらすの塩分は気になりますが、実は離乳食期でも多少の塩分はあったほうが、赤ちゃんも食欲が進みます。
離乳後期あたりからは、塩抜きをせずに、その塩分を利用して離乳食の味とするのもいいですね。味噌やしょうゆを控えて、しらすを水からコトコトにると、茹で汁にはしらすからのうま味と塩分が溶け出てきます。
また、「おかゆがすすまない!」「なかなか白いごはんを食べてくれない…」という赤ちゃんにも、しらすを加えてあげることで食べてくれることもあります。
しらすの塩分も、使いようによっては必要な味ともいえます。なかなか食べてくれないときに、しらすを加えてみると、塩分も栄養も足せるので安易に味付けだけを変えるよりもむしろいいかもしれませんよ。
離乳初期のしらすのおすすめ冷凍ワザ

しらすは冷凍保存が便利です。離乳初期には、湯通しして塩抜きしたものを棒状にラップでくるんで冷凍するとよいでしょう。使うときにおろし金ですりおろすと食べやすいですよ。
関連記事▶離乳食の冷凍保存|食材別テクニックと便利な冷凍容器
しらすは手軽な白身魚で栄養豊富
しらすとは、一般的にはイワシ(カタクチイワシ、マイワシなど)の稚魚(ちぎょ)の総称として使われています。
しらすは、生の状態だと透き通っていますが、流通しているものの多くが茹でたり干したりされたものです。なお、塩茹でしたものは「釜揚げ」、釜揚げを干ししたものは「しらす干し」、さらに干して乾燥を進めたものを「ちりめんじゃこ」と呼びます(地域差あり)。
しらすの栄養

骨を強くするカルシウムとビタミンDが豊富
赤ちゃんが積極的にとりたい栄養素にはいくつかありますが、カルシウムとビタミンDもそのひとつ。しらすはカルシウムやビタミンD豊富な食材で、これらの栄養成分は赤ちゃんの骨を強くします。
冬場はとくに積極的に取り入れたい
ビタミンDは食事からとるほか、太陽光(紫外線)を皮膚に当てれば身体の中で作ることができるビタミンです。でも、冬は日照時間が短いことや肌の露出が少ないこともあって、なかなか日に当たる機会もないですよね。そんなときには、食べ物からしっかりビタミンDをとりましょう。
ちりめんじゃこでもOK?
ちりめんじゃこはとても塩分が多いので、なるべくなら茹でたしらすを使うようにしましょう。
使うのであれば、茹でた上で離乳後期以降から
どうしても使いたいのであれば、離乳後期以降ならばちりめんじゃこでも構いません。ただし、その時はお湯でしっかり茹でて、茹で汁は捨てましょう。茹でることで塩抜きするとともに、硬いちりめんじゃこをやわらかくすることもできます。
川口先生おすすめ!離乳食のしらすのレシピ
しらすと青のりのおかゆ|7、8ヶ月頃~
しらすはおかゆのままではもの足りないなというときなどにも便利です。しらすを冷凍しておけば、おかゆが飽きちゃったときにもさっと使えて、便利ですよ。
■材料
・全がゆ(5倍がゆ) 50~80g程度
・しらす 大さじ1
・青のり 少々
■作り方
① 全がゆにしらすと青のりを加え、水大さじ1(分量外)を加えてよく混ぜ合わせる
② 電子レンジ(600W)で約20秒加熱する
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青のりとしらすのごはん|10ヶ月頃~

おにぎりのような厚みのあるものはなかなか食べにくいけれど、平たいと口に入れやすく、噛み取りやすいので、形を作ってみてくださいね。
■材料
・ごはん(または軟飯) 子ども茶碗半分程度
・しらす 小さじ1
・青のり 小さ1/2
■作り方
① しらすはお湯をかけ、簡単に塩を抜いておく
② ごはん(または軟飯)に青のり、しらすを混ぜ込む
③ 親指と人差し指で囲うようにしながら、赤ちゃんせんべい大に成形する
■“丸飲み” 予防策にも■
まとめ
しらすはイワシ類の稚魚で、店頭などでよく見る白いしらすは、塩茹でしたり(釜揚げしらす)、それを干したり(しらす干し、ちりめんじゃこ)したものです。カルシウムとビタミンDが豊富で、魚の中でも離乳食のレシピに使いやすい食材ではありますが、塩分を多く含むので上手に塩抜きするなどして使用しましょう。ご飯に混ぜて平たく成形すれば、赤ちゃんがかじりつきやすい一品になりますよ。
(文・写真:川口由美子先生)
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