離乳食の魚はいつから?初期・中期・後期レシピ【管理栄養士監修】
離乳食で魚はどのように取り入れていったらいいのでしょうか。白身魚と赤身魚の違いや、赤ちゃんに食べさせる魚の選び方などを解説します。刺身を使った簡単離乳食レシピもご紹介しますので、ぜひレパートリーのひとつに魚料理を入れてくださいね!
魚、赤ちゃんは離乳食でいつから食べていいの?
魚を始めるのは、おかゆや野菜など色々なものを食べ慣れてから。まずは白身魚からスタートしましょう。
・初期の調理:加熱して皮や骨を取り除き、細かくほぐす
・中期の調理:加熱して皮や骨を取り除き、細かくほぐす
・後期の調理:加熱して皮や骨を取り除き、細かくほぐす
・完了期の調理:加熱して皮や骨を取り除く
魚にはどんな種類がある?
色々な種類の魚がいますが、身の色によって主に「赤身魚」と「白身魚」に大別されます。
赤身魚とは、マグロやカツオなどのほか、背の青い「青魚」とも呼ばれるアジやサバなどを指します。
白身魚とは、鯛、ヒラメ、しらす、カレイ、スズキなどを指します。
なお、タラや鮭も白身魚ですが、離乳食を考える上では、食物アレルギーの観点から分けて考えます。
魚の栄養って?
魚はタンパク質が豊富である他、骨の正常な形成にとって大切なビタミンDが豊富です。また、赤身の魚には鉄分、背の青い魚には必須脂肪酸であるn-3系脂肪酸が多く含まれます。
離乳食の魚、下処理・下ごしらえの方法
加熱のコツ
離乳食では、刺身をだしなどで煮てあげるのが最適です。刺身であれば、魚の鮮度が良く、1切10〜15g程度と分量の把握もしやすいです(離乳中期あれば約1切、離乳後期であれば約2切が目安)。なお、マグロやサーモンなど脂の多い魚は湯通ししてから使いましょう。
魚の種類によって工夫を
白身魚は比較的どのような調理にも合います。赤身の魚は煮るとかたくなってパサつきやすいため、離乳期はおかゆに混ぜる、とろみをつけるなどの工夫が必要です。
魚の離乳食、よくある疑問
初めての魚はどんな魚から始めるのが良い?
離乳初期に選びたい魚は脂が少ない魚です。白身魚の多くは赤身の魚よりも脂が少ないので、白身魚から始めると良いでしょう。ただし、白身魚の中でも鮭は脂が多く、タラはアレルギーを発症しやすい魚です。あげてはいけないわけではありませんが、最初に症状が出ると心配になってしまうかもしれませんので、初めは鯛やしらすなどが使いやすいでしょう。
アレルギーについて、どれか一つの種類の魚を食べられたら、他の魚も大丈夫?
魚のアレルゲンは魚の種類によって異なるため、複数の魚でアレルギーが出ることもあれば、特定の魚にだけアレルギー反応が出る場合もあります。また、さばなどの青魚はアレルギーに似た症状が出ることもあります。
食べたことがない魚を食べさせるのは、見守りや受診ができる余裕があるときにしましょう。
魚の加工品を使っても良い?
魚の加工品には、釜揚げしらすや缶詰、干物や練り物などがあります。
釜揚げしらすは食塩が多く含まれますが、茹でこぼして塩を抜くことでき、離乳初期から使いやすい加工品です。缶詰は油・食塩不使用の水煮ツナであれば離乳中期頃から、サバの水煮缶は離乳後期頃から使用できます。
干物や練り物は食塩量が多く、塩抜きが難しかったり、かたすぎたり弾力がありすぎて赤ちゃんに向かないことが多いため、離乳期は避けましょう。
魚の離乳食レシピ! 中期・後期・完了期
<離乳中期のレシピ>白身魚のトマト煮
材料(約1食分)
・白身魚の刺身(鯛など) 1切
・トマト缶(潰し) 大さじ1
・玉ねぎ スライス1枚
作り方
① 玉ねぎはやわらかく茹でて細かくきざむ
② 耐熱容器に刺身を入れ、上からトマトと玉ねぎをかける
③ ふんわりとラップをかけて、電子レンジ(600W)で10秒〜20秒加熱する
<離乳後期のレシピ>かつおのおろし煮
材料(作りやすい分量)
・かつおの刺身柵 1本(厚み1cmで切り分けて約15枚分)
・だいこん 240g(長さ5cm分)
・きゅうり 30g(1/3本)
・だし 120cc
・酒 大さじ1
・しょうゆ 大さじ1
・みりん 大さじ3/4
・片栗粉 小さじ1と1/2
・水 小さじ2(水溶き片栗粉用)
作り方
① かつおの柵は約1cm幅に切る
② 大根はおろす。きゅうりはスライスしたものをさらに細かくきざむ
③ 小鍋にだし、酒、しょうゆ、みりん、大根おろしを入れて火にかける
④ 沸騰したらきゅうりとかつおを入れて再沸騰後3分程煮て、水溶き片栗粉でとろみをつける
⑤ 離乳食用に切り身1〜2枚と煮汁大さじ2杯を取り分け、身をほぐして混ぜる
<離乳完了期のレシピ>刺身でレンチン煮付け
材料(作りやすい分量)
・刺身(種類問わず) 2切
・ほうれん草などの葉物野菜 10g
・酒 小さじ1
・しょうゆ 小さじ1/2
・水 小さじ1
作り方
① 小さめの耐熱皿に刺身と刻んだ葉物野菜を入れ、調味料をしっかりまぶし、水を入れる
② ラップをして電子レンジ(600W)で約30秒加熱する
※中までしっかり火が通っているか確認すること
まとめ
白身魚は淡白で食べやすく、赤身の魚は鉄が豊富です。色々な魚を食べることで、離乳期にとりたい栄養を補うことができますので、食べられる時期になったら色々な魚を試してみてくださいね。
(文:奥野由 先生、監修:川口由美子 先生)
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