離乳食の牛肉はいつから?中期・後期・完了期レシピ【管理栄養士監修】
大人であれば、焼肉やステーキ、すき焼き、しゃぶしゃぶ、とお肉のご馳走に欠かせない牛肉。赤ちゃんにはいつごろからあげられるのでしょうか。今回は離乳食で牛肉を使う際の部位の選び方や下処理方法、おすすめのレシピなどをご紹介します。
牛肉、赤ちゃんは離乳食でいつから食べていいの?
・中期の調理:茹でて火を通し、細かくきざんでからすりつぶし、ペースト状にしてから調理
・後期の調理:茹でて火を通し、細かくきざんでから調理
・完了期の調理:茹でて火を通し、粗くきざんでから調理
気をつけたい牛肉の始め方
牛肉は中期(生後7ヶ月ごろ)から使っていくとよいですが、最初はペースト状にしましょう。後期(生後9ヶ月ごろ)くらいになったら、きざんで食べさせても大丈夫です。
牛肉はアレルギーを起こす可能性がある食材なので、初めての日は少量を様子を見ながらあげましょう。
牛肉はどこの部位がいいの?
牛肉は、血や筋肉のもととなるたんぱく質が豊富です。また、生後6ヶ月ごろから赤ちゃんに不足しやすい鉄分も含まれています。中でも特に鉄分が多いのが赤身肉。
赤ちゃんには脂肪分の少ないヒレ肉から始めるとよいでしょう。もも肉も脂肪分が少ない部位ですが、白い脂身の部分を取り除く必要があります。なお、霜降り肉はやわらかいですが、脂肪分が多いので避けましょうね。
離乳食の牛肉、下処理・加熱のポイント
下処理のポイント
脂肪分が多い脂身は、切り取ってから調理をしましょう。
また、厚みのある肉の場合は、包丁の背で筋を切るようにたたくとやわらかくなりますよ。
食べやすくするコツ
肉汁を閉じ込め、噛みやすくなるので、片栗粉をまぶしてから火を通すのがおすすめです。加熱後に食べやすい大きさに切りましょう。
また、独特な肉の香りを好まない場合は、トマト、チーズ、バター、ごま油、だし汁、醤油、みそなどと組み合わせると食べやすくなります。
牛肉の離乳食、よくある疑問
牛肉は冷凍保存もできる?
冷凍OKです。ペーストや茹でてからきざんで、1回分の量ごとに小分けにして冷凍すると便利です。
牛乳アレルギーだと、牛肉もNG?
牛乳アレルギーがあっても、牛肉を除去する必要はないことが多いです。
必要以上に除去をしてしまうと栄養の欠乏も心配です。不安が残るようであれば医師に相談しましょう。
牛肉の離乳食レシピ! 中期・後期・完了期
<離乳中期のレシピ>牛肉のトマトパンがゆ
材料(1回量)
・牛赤身肉 10g
・玉ねぎ 10g
・8枚切り食パン(みみなし) 15g
・トマトピューレ 大さじ2
・玉ねぎの煮汁 大さじ2
作り方
① 茹でた牛赤身肉を細かく切って、すりつぶしてペースト状にする
② 玉ねぎはやわらかく茹でて、細かくきざむ(玉ねぎの煮汁は残しておく)
③ 食パンはみじん切りにする
④ 耐熱容器に①②③とトマトピューレ・玉ねぎの煮汁を入れて、ラップをかけて電子レンジで1分30秒くらい加熱する。少し蒸らして、かき混ぜたら完成
<離乳後期のレシピ>牛肉となすのトロミ煮
材料(約1回量)
・牛もも薄切り肉 15g
・片栗粉 適量
・なす 15g
・玉ねぎ 10g
・ごま油 少量
・醤油 1滴
・だし汁 適量
・水溶き片栗粉 適量(水:片栗粉=1:1)
作り方
① 牛もも薄切り肉は脂身をはずし、片栗粉をまぶしてから茹で、細かくきざむ
② 玉ねぎは皮をむいてやわらかく茹でて、粗みじんに切る。なすは皮をむいて粗みじんにする
③ 小鍋にごま油を入れてから、①②と醤油、材料がかぶるくらいのだし汁を入れる
④ ③がひと煮立ちしたら水溶き片栗粉を入れてとろみ付けする
<離乳完了期のレシピ>ベビー牛丼
材料(約1回量)
・牛肉 20g
・玉ねぎ 10g
・にんじん 5g
・醤油 少量
・砂糖 少量
・植物油 適量
・だし汁 適量
・軟飯 80g
作り方
① 玉ねぎ、にんじん皮をむき、千切りにして2cmぐらいにそろえる
② 牛肉は茹でてから粗くきざむ
③ 小鍋に植物油を入れてから①②を軽く炒め、醤油・砂糖・具がかぶるくらいの量のだし汁を入れ、野菜がやわらかくなるまで煮る
④ お皿に軟飯を入れて③の具をのせて完成
まとめ
牛肉の霜降り肉はやわらかくておいしいのですが、脂肪分が多いので赤ちゃんには不向き。おすすめは脂肪分が少ないヒレやモモ肉などの赤身肉です。赤身は鉄分豊富なので、不足しやすい鉄分を補うこともできます。ただし、肉の繊維は赤ちゃんが嫌がりやすいので、最初はペースト状にするといいでしょう。
(文:夏目千恵子 先生、監修:川口由美子 先生)
※画像はイメージです