ダイエットにそうめんは不向き? 気になるカロリーや期待できる効果
糖質が多く、ダイエットには向かないイメージのそうめんですが、実は食べる量や食べ方に気をつければ、ダイエット中にもおすすめできる食品です。気になるカロリーや糖質量、栄養素、ダイエットにとりいれる場合のポイントについて解説します。
そうめんはダイエットに不向き?
「そうめんは栄養素が糖質だけでダイエットには向かない」のでしょうか? そうめんのカロリーと糖質を実際に見ていきましょう。
そうめんのカロリーと糖質量
そうめんは原料が小麦なので、含まれる栄養成分の多くを糖質が占めています。
そうめん100gのエネルギー量と糖質量
エネルギー | 糖質 | |
---|---|---|
そうめん(乾) | 333kcal | 70.2g |
そうめん(ゆで) | 114 kcal | 24.9g |
そうめん(乾)は1束50gとなっており、「1人前は2束(乾麺100g)」が一般的です。つまり、そうめん1人前のカロリーは333kcal、糖質量70.2gになります[*1]。
そば・うどんなどほかの麺との比較
では、そうめん1人前の「エネルギー333kcal、糖質量70.2g」(乾麺100g)というのは、ほかの麺と比べて多いのでしょうか? 少ないのでしょうか?
ゆでる前の主な麺1人前当たりのエネルギー量と糖質量[*1]
エネルギー | 糖質 | |
---|---|---|
うどん(乾麺100g) | 333kcal | 69.5g |
中華めん(生麺110g) | 274kcal | 55g |
スパゲッティ(乾麺100g) | 347kcal | 67.7g |
そば(乾麺100g) | 344kcal | 63.0g |
上記は、それぞれの麺でゆでる前の1人前として一般的な量で比較してみました。実際食べる量はお店や好みによって多少変わりますが、結論としては、うどん、中華めん、パスタ、そばといったほかの麺類も、そうめんと同じく小麦粉が原料なので、エネルギーや糖質量にそこまで大きな差はありません。
ダイエットにそうめんがよいといわれる理由
ダイエットにそうめんがよいといわれる理由を解説します。
油を使わない調理法でもおいしく食べられる
ラーメンやスパゲティは、汁やソースに油をたっぷり使うことが多いです。そばやうどんなら、天ぷらや揚げ玉と一緒に食べたくなる人も多いのでは。
一方、そうめんは通常油を使わずに食べることが多いので、無理なく脂質を抑えられます。脂質は1gあたり約9kcalと高エネルギーなので、ダイエット中はとりすぎに気を付けたいですよね。
夏には冷たく、冬には温かいにゅうめんとして、油を使わなくても季節を問わずおいしく食べられるのがそうめんの良いところ。なお、そうめんチャンプルーなどの油を使うメニューは、麺がくっつくかないように油がしっかり使われますので、ダイエット中は避けたほうがよいでしょう。
たんぱく質やミネラルも摂れる
糖質のイメージが強いそうめんですが、実は「たんぱく質」もけっこう含まれています。そうめん(乾)100gには9.5gのたんぱく質が含まれています。牛乳100gのたんぱく質は3.3g[*3]。実はそうめんには、牛乳の約3倍のたんぱく質が含まれています。
また、そうめんに比較的多く含まれるミネラルに「セレン」があります。セレンは抗酸化作用を持ち、老化防止に役立つとされています [*4]。
乾麺のそうめん100gには16μg、ゆでたそうめん100gには6μgのセレンが含まれています。ご飯100gでは1μg、ゆでたうどん100gでは2μgなので、主食としてはそうめんのセレンは比較的多いことがわかります[*1]。
便秘に役立つ食物繊維が含まれる
食物繊維は野菜に多いイメージですが、糖質と食物繊維からなる「炭水化物」が豊富な穀類にも多く含まれています。
1人前100gのそうめんを茹でると重さが2.7倍となるので、1食あたり270gとなり、食物繊維量は2.43g[*1, 2]。
ご飯茶碗1杯(150g)の食物繊維は2.25g、ご飯200gでは3gなので、そうめんにはだいたいご飯と同じぐらいの食物繊維が含まれています[*1]。
アレンジしやすいので続けやすい
そうめんはシンプルだからこそ、具材やつゆの工夫でバリエーションを広げることができます。つゆの味を変えたり、ぶっかけにして具材をのせたり、また、和風の味付けはもちろん、カレー味にしたり、韓国風やイタリアン風にしたりと、いろいろな味でアレンジして楽しめます。
そうめんを使ったダイエットのやり方
そうめんをダイエットにとりいれたい人におすすめの方法と注意点を説明します。
1日1食をそうめんに置き換える
ご飯におかずをそろえるよりも、そうめんに具材をプラスする方が脂質を少なくしやすいので、カロリーを抑えやすいです。ご飯はおかずがないと食べにくいですが、そうめんはつゆと薬味だけでも美味しいので、ヘルシーな具材を少しプラスするだけでも満足感が得られやすくなります。
ただし、なるべくカロリーを抑えようと、そうめんと薬味だけにしてしまうと、たんぱく質や食物繊維など、糖質以外の栄養素が不足してしまうので、そうめん以外の具材もきちんと摂るようにしましょう。
1日2食の置き換えは注意
そうめん1人前(乾麺で100g=2束)のカロリーは333kcalと、ご飯大盛り1杯(200g)312kcalとほぼ同じくらい。通常の茶碗1杯のご飯(150g、234kcal)と比べるとカロリーが高くなってしまいます[*1]。
そのため、いくらおかず分の脂質を抑えられるといっても、1日のうち2食をそうめんに置き換えてしまうと、摂取カロリーや糖質量が増えてしまう可能性があります。置き換えるなら、1日に1食にしておきましょう。
ダイエット中にそうめんを食べるときの注意・ポイント
食べ方を間違えるとダイエットに失敗する可能性もあります。そうめんを食べるときの注意・ポイントをお伝えします。
一食で食べるそうめんの量は決めておく
そうめんは、喉ごしのよさがおいしさの一つでもありますが、つるつると食べられるので、つい、よく噛まずにどんどん食べてしまいます。あらかじめ、食べる量は決めておきましょう。
家族でそうめんを食べるときには、まとめてゆでることが多いと思いますが、それだと自分が何束分を食べたかがわからなくなります。ダイエット中は、自分が食べる分は別にゆで、量を把握できるようにするのがおすすめです。
野菜などおかずも一緒に摂る
そうめんは麺つゆだけでもおいしく食べられますが、それだと栄養素が糖質に偏ってしまいます。野菜やたんぱく質を豊富に含む肉や魚、卵、大豆製品も一緒に食べて栄養バランスをとりましょう。副菜としてサラダや小鉢をプラスしたり、そうめんに具をプラスしたりするのが手軽です。
食物繊維が豊富な野菜をさきに食べると、そうめんだけを食べるときよりも血糖値の上昇を緩やかにしてくれる効果も期待できます。またそうめん単体よりもおかずのあるほうが品数が増えるので食事の満足感が得られやすく、そうめんの食べ過ぎの防止につながることも期待できます。
冷え性の人は温かいそうめんに
そうめんといえば冷やして食べるのが一般的ですが、とくに女性は普段から冷えが気になっている人も多いもの。東洋医学では、冷たい食べ物は内臓を冷やすといわれています。
冷えを感じやすい人の場合は、冷たい麺は避けて温かいそうめんにして食べましょう[*5]。
まとめ
そうめんは糖質の塊だから「ダイエットの敵」と思っていた人もいるかもしれませんが、実は糖質以外の栄養素も含んでおり、ヘルシーに食べられたり、アレンジがしやすいというメリットもあります。そうめんだけに偏らず野菜やたんぱく質を一緒に摂るなどのポイントをおさえて、ダイエットに取り入れてみてくださいね。
(文:木下ともえ)
※画像はイメージです
[*1]文部科学省:日本食品標準成分表2020年版(八訂)第2章データ 穀類
[*2]日本食品標準成分表 重量変化率
[*3]文部科学省:日本食品標準成分表2020年版(八訂)第2章データ 乳類
[*4]大塚製薬 栄養素カレッジ セレン
[*5]テルモ体温研究所 冷え性対策「食」編
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます