
新垣結衣さんと星野源さんが『逃げ恥SP』で直面した、日本の子育ての課題
女優の新垣結衣さんとアーティストの星野源さんが結婚を発表し、日本中がわいています。2016年放送の連続ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)で結婚する役柄を演じたお二人が、本当の夫婦に!
『逃げ恥SP』で夫婦が直面した出産・育児の壁


星野源さんと新垣結衣さんが交際を開始したのは、連ドラ版の続編で今年1月放送の特別ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!』(同)の撮影がきっかけだったそうですが、このスペシャルドラマでは今の日本で多くの子育て世帯が直面する様々な問題が正面から描かれていました。
『逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!』は、海野つなみさんの原作マンガをもとに、コロナ禍という要素も盛り込んだ社会派な仕上がりに。物語は、新垣さん演じるみくりと星野さん演じる平匡という「契約結婚からの事実婚カップル」に、新たな命が宿るところから始まります。
妊娠出産は順番待ち?
連ドラでは津崎家の家事代行をしていたみくりですが、その後は就職して会社員に。ところが職場では、産休・育休を次々に取られては困るという価値観が根強く、女性社員たちが「出産の順番待ち」をしなければならない状態でした。
妊娠が判明してつわりに苦しむみくり。職場で報告するも、同僚からあからさまに迷惑がられる場面もあり、胸が痛くなるとともに、いらだちMAXになった視聴者も多かったのではないでしょうか。
育児を「手伝う」って何?
それだけではありません。妊娠検査薬で陽性が出たと伝えられた平匡は、戸惑いからか少々塩反応。妊娠が確定して入籍してからも、不用意に「みくりを手伝う」とサポーター発言をしてしまい、「ちがーう!」とみくりを失望させます。
みくりは正直に、「私だって初めてでわからないことだらけ。私だけが勉強して平匡さんに指示しないといけないの? 一緒に勉強して一緒に親になっていくのが夫婦じゃないの?」とぶっちゃけ、二人はあらためて夫婦を超えてゆくことを誓うのでした。
男性の「育休」に否定的な職場…
しかし、いくら夫側が「自分事として子育てするぞ!」という意識でいても、それを許さない職場もあります。平匡の勤務先にももちろん制度としての育休はありますが、進行中のプロジェクトで重要な役割を担う平匡が3カ月の育休を申請すると、プロジェクトリーダーである上司は頭からこれを拒絶……。
みくりの妊娠もそうでしたが、育児することが職場では「迷惑」になってしまうなんて、少子化が止まらないのも仕方ありません。最終的に、平匡の職場では、育児に限らず病気や事故、介護などで社員が長期の休業を必要とすることはあり得るのだから、「誰が休んでも仕事が回るよう環境を整えるリスクマネジメントをすべし」という提言を受けて、平匡の育休が認められました。
男性の育休、どう思う?

マイナビ子育てでは今年1月、「男性の育休、どう思う?」というアンケートを実施。男性の育休取得について、「賛成」が74%、「賛成じゃない」が15%、「その他」が11%という結果になりました。
賛成派のコメントは、「夫婦で育児するのは当たり前」「女性も長時間働く人が増えている」「夫婦の会話や絆が深まると思う」「家族で育児にあたらないと共倒れになる」など。
一方、賛成じゃない派の意見は、「男性育休自体は賛成ですが、中身が問題」「育休をとっても、家事や育児を積極的にやるとは思えない」「ただ家にいるだけの育休だけだったら、いらない」といった不安が大きいようでした。
星野源さんと新垣結衣さんの家族計画はわかりませんが、芸能界でも最近では、つるの剛士さんや古坂大魔王さんなどが育休を取得しています。また、大ブレイク中のお笑いコンビ・チョコレートプラネットの長田庄平さんが、3歳になる息子の成長をもっと近くで見ていたいため、少し休みをもらうことにしたとテレビ番組で明かして話題になりました。
数年後には、『逃げ恥』で描かれたような問題も、「そんな時代もあったね」と振り返れるような、子育てしやすい社会になっているといいですよね。