【医師監修】産後にお腹の皮がしわしわに!気になるたるみを引き締める4つの方法
出産が終わってお腹が戻ると思っていたら、皮がしわしわに! 産後のお腹のたるみは誰でも起こることです。ある程度は自然に戻りますが、できるだけ早く何とかしたいもの。そんなお腹のたるみを引き締めるためにできることを紹介します。
産後にお腹の皮がしわしわになる理由
出産を終えたお腹はどうしてしわしわになってしまうのでしょうか。
お腹が大きくなった際に腹筋・皮膚が伸びた
皮膚は体の動きや体型の変化に応じて伸びたり縮んだりします。とはいえ、数ヶ月にわたる妊娠でお腹の大きさに合わせて伸びていった皮膚は、急に戻ることはできません。そのため、産後しばらくはたるんでしわしわな状態になってしまいます。
妊娠後期にお腹が大きくなるとき、皮膚だけでなく筋肉も引き伸ばされています。腹筋は左右に分かれていて、その間を「白線」という組織がつないでいます。お腹が大きくなることでこの白線が横に伸ばされて、腹筋が割れたような状態になることを腹直筋離開(ふくちょくきんりかい)といいます。妊娠後期から産後数ヶ月は腹直筋離開になっているママも珍しくなく、これも産後にお腹がたるむ原因となっています。
産後のたるんだお腹は完全には戻らない
妊娠で伸びてしまった皮膚はすぐには元に戻らないことをお伝えしましたが、産後の体型の変化に対して、皮膚が戻るための新陳代謝が追いつかず、たるみができてしまうと、とれるまでに時間がかかります。完全には元通りにならないことも少なくないでしょう。
産後のお腹の皮のたるみの戻し方
お腹のたるみ、少しでもどうにかしたいですね。そのたるみを戻す方法や注意点を紹介します。
無理なダイエットは禁物
早くたるみを何とかしたい! と焦ってしまうかもしれませんが、産後は無理なダイエットは控えましょう。出産でゆるんだ骨盤底筋や腹直筋離開が回復する前に激しい運動で刺激するのは逆効果。出産を終えて間もないうちは体を休めることを優先してください。
また、食事制限中心の急激なダイエットによって体型が変化すると、さらにお腹の皮が余って余計にたるんでしまいかねません。それだけでなく、授乳中であれば、通常より350kcal多くエネルギーを摂ることが推奨されています[*1]。
ママ自身と赤ちゃんのためにも、産後はしっかり睡眠をとり、食事もきちんと摂ることが大切です。産後1ヶ月程度は、そうやって産後の体が自然に戻るのをサポートしていきましょう。
なお、産後のダイエットについては、こちらの記事も参考にしてみてください。
▶【医師監修】 産後ダイエットに効果大!おすすめの5つの方法
代謝や姿勢を改善してハリを取り戻す
皮膚は新陳代謝によって日々、細胞が新しく入れ替わっています。全身のエネルギー代謝がよく、体温が高いほうが、肌の新陳代謝も良好になりやすいと考えられます。そのため、運動や筋力アップでエネルギー代謝を増やすことは、皮膚の新陳代謝にもよい影響となることが期待できます。産後におすすめの運動については、「腹横筋を鍛える」でご紹介しますね。
また、姿勢も代謝に関わってきます。赤ちゃんのお世話は下を向いて行うことが多いので、産後は猫背になりやすい傾向にあります。姿勢が悪くなると血行が悪くなり、全身の細胞に酸素や栄養が行き届きにくくなります。すると、エネルギー代謝が落ちて、皮膚の新陳代謝も低下しやすくなります。
まずは授乳や抱っこのときに姿勢が悪くなっていないか、鏡で確認したり、周りの人に聞いてみたりしましょう。授乳のポジショニングを見直してみるのも一つです。こちらの記事を参考にしてください。
▶【助産師解説】写真で学ぶ授乳姿勢!パターン別授乳姿勢と4つのポイント
また、筋肉をほぐして血行をよくするために、簡単なストレッチで背筋を伸ばすのもいいでしょう。
腹横筋を鍛える
産褥期(産後6〜8週)を過ぎたらお腹を引き締めるエクササイズを始めましょう。急に過度に負担をかけるのではなく、簡単な体操から始めて、疲れない程度に少しずつ増やしていきます。ここで一つ注意したいのが、鍛える腹筋の種類。
腹筋の筋トレは、膝を立てて寝そべり上体を起こすなど、腹直筋を鍛えるものが多いですが、腹直筋を使うと腹腔内圧があがり、出産によって緩んでいる骨盤底筋に負担をかけてしまいます。そうすると尿漏れや子宮脱(※)などのトラブルにつながる可能性があるので避けましょう。腹横筋を鍛えるエクササイズから始めるといいですよ。
※子宮脱:子宮が正常の位置より下がり、腟の入り口から子宮の一部または全部が出ている状態
①仰向けに寝そべり膝を立てた姿勢で、軽くあごを引く。
②その状態で、腟をおへその方に引き上げる意識をしながら「はぁ〜っ」と呼吸の音がするように息を吐ききる。
③これを10分くらい繰り返す。
息を吐くときにお腹がへこむのを意識しながら行うのがポイントです。慣れてきたら、1日3回(合計30分)に増やすなどしてもよいでしょう。
引き締め作用のある治療
美容皮膚科や美容外科では、高周波、レーザー、赤外線、超音波などで伸びた皮膚に働きかける治療があります。どの治療も効果には個人差があります。自分に合った方法を相談してみましょう。
余った皮膚を切除する手術
美容外科ではお腹のたるんだ皮膚を切除する手術も行っています。自費診療のため、手術費が高額になるほか、お腹を切開するため傷ができる(傷跡も多少残る)、入院することになる点にも注意して検討しましょう。
まとめ
産後のお腹のたるみは完全には戻りません。ただ戻り方には個人差があり、ほとんどわからないほど戻る人もいます。できるだけ妊娠前に近づけるように、姿勢に注意して過ごし、体の調子が戻ってきたら筋トレなど運動を加えていきましょう。
なるべく睡眠をとり、食事でしっかり栄養を摂ることも忘れずに。あまり悩み過ぎずに大仕事をした産後の体をいたわってあげましょう。
(文:佐藤華奈子/監修:浅野仁覚 先生)
※画像はイメージです
※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました
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