赤ちゃんにするめはあげていい?食べさせる時期の目安【管理栄養士監修】
昔はするめをかじらせて歯固めをした、などの話を聞きます。するめは大人のおつまみのイメージが強いですが、赤ちゃんにするめをかじらせたり、食べさせたりして大丈夫なのか、気になりますよね。与えるとしたらいつから? 塩気があるけど塩分は? アレルギーは大丈夫? など疑問を解決していきましょう。
赤ちゃんにするめは大丈夫なの?
するめはイカの内臓を取り除いて乾燥させたものです。イカを干しただけなので材料は素材そのものですが、なかには味付けをしてあるものもあります。赤ちゃんにするめをあげても大丈夫なのでしょうか?
するめは3歳前後からがおすすめ
特に何歳という決まりはありませんが、するめは、歯の生えそろう3歳前後からがいいかもしれませんね。まだすぐに噛み合わせが整うわけではありませんが、噛み合わせがうまくいくように、するめを少し噛んでおくのもいいかもしれません。
嚙み切りにくくのどに詰まらせてしまう場合もあるので、奥歯の生えそろわないうちは食べにくいです。年齢というよりも20本の歯が生えているかどうかということを目安にしましょう。
するめを食べさせる際の注意点
では、実際にするめを赤ちゃんに食べさせるときにはどんな注意が必要なのでしょうか。
アレルギーの可能性もあるので注意
イカは、アレルギー表示推奨品目21品目のうちの1つなので、初めて与える際には十分に気を付けましょう。
たとえば最初はなめるだけなどにして、少量ずつから始め、様子を見るようにします。食べたあとに子どもの体調や様子に変化が見られた場合は、医療機関を受診しましょう。
塩分にも注意
するめは素材そのもののみで作られた無添加の製品が多いですが、海水由来の塩分が含まれます。噛めば噛むほど味の染み出てくるするめは、そのままでも塩気を感じやすいです。塩や調味料などを使っていない無添加の製品を選ぶようにし、塩分の摂りすぎにならないよう、与える量にも気を付けましょう。するめがもつ旨味で食べさせるのがよいですよ。
のどに詰まりやすいので細長くする
するめは硬い食品なので、「食べやすいように」と小さく切るのは逆効果。硬いので小さく切っても噛んでやわらかくできず、そのまま飲み込んでしまい、のどに詰まらせるなどの危険があります。小さくするのではなく、細長くするようにします。ゲソと胴体でそれぞれ以下のようにしましょう。
また、与える際はきちんと食べることができるか、近くで見守るようにしましょう。
加熱すればより安全に
軽くあぶったり、トースターなどで加熱をするとやわらかくなり、食べやすくなります。ただし加熱し過ぎると硬くなり、鋭利な部分が口に刺さることなどもあるので気を付けましょう。
また、するめはだしとして使うこともできます。無理に噛ませなくても、料理の味付けとして使うのもいいでしょう。かぼちゃや里芋の煮物に小さく裂いたするめを合わせてもいいですね。ただ、それでもまだ硬いので、いずれにしてもするめをあげるのは3歳前後からにしましょう。
赤ちゃんにするめを食べさせるメリット
食べるときの注意点を見てきましたが、するめを食べるメリットにはどんなものがあるのでしょうか。
噛む練習になる
飲み込みやすいサイズにするためにも噛むことは大切です。するめは噛みちぎることが難しく、少しずつ繊維がほぐれていくため、噛む練習になります。また、噛めば噛むほど味も染み出てくるため、赤ちゃんも飽きずに噛み続けられますね。
唾液が多く出るので虫歯予防に!?
噛むことももちろん大切ですが、噛むことによって出てくる唾液もとても大切な役割があります。唾液には口の中の細菌を流す役割があるので、唾液の分泌量が増えるとその効果もより期待できるかもしれません。
虫歯予防には、砂糖の摂取を控えること[*1]、丁寧な歯磨き、フッ化物の活用[*2]などがあり、するめを食べるだけでは虫歯予防にはなりません。しかし、歯を健康に保つことにはよいと言えるのかもしれませんね。ただ、ずっと食べ物を口にしているのも歯によくありませんから、ダラダラ食べないようにしましょう。
するめ選びのポイント
赤ちゃんに適したするめ選びのポイントをみてみましょう。
無添加のものを選びましょう
するめはおつまみとしてコンビニなどでも売っており、手軽に買うことができます。赤ちゃんにはパッケージに「無添加」と書いてあるものを選びましょう。基本的にはイカを干したものなので無添加のものが多いですが、味付きのものなどもあるので確認して購入しましょう。
原材料がイカだけのものを選ぶ
「無添加」表記以外にも、気を付けたいのが原材料。パッケージの裏面に原材料表記がありますが、イカ(真イカ)などだけ書かれているものを選びましょう。おつまみ用のものなどは味付けされており、塩分も高くなってしまいます。
まとめ
硬くて噛みにくいするめは歯が生えそろう3歳前後から食べられます。アレルギーや食べ過ぎによる塩分の摂りすぎ、ダラダラ食べには注意しましょう。
また、手に持って食べやすいですが、唾液の分泌が増える分、お部屋が汚れないよう座って食べることも同時に伝えていきたいですね。おつまみにも登場しますが、赤ちゃん用と大人用は別のものを用意した方がよいでしょう。
(文:宗政祥子 先生/監修:川口由美子 先生)
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