
【医師監修】二人目のつわりはいつから?一人目と違う?症状と時期の特徴
二人目の妊娠では、一人目のときと比べてつわりが始まる時期に何か変化はあるのでしょうか。また、つわりの程度にも違いはあるのでしょうか。先輩ママの体験談を交えながら、二人目でのつわりの特徴と乗り越え方のコツを解説します。
- <アンケート>一人目と二人目でつわりは違った?
- 全然違った人もいればほぼ同様だった人も
- <体験談>一人目と二人目以降のつわりの違い
- 一人目と二人目でつわりは違うの?
- 個人差は大きいが程度が違う可能性はアリ!
- 二人目は上の子のお世話を休めないことの影響も
- つわりはなぜ起こる?その原因は?
- まだよくわかっていないがホルモン変化の可能性
- つわりがない人も。程度も個人差が大きい
- 二人目のつわりは早いって本当?
- 一人目か二人目かは関係なさそう
- 一度経験しているので気づくのが早い可能性も
- 二人目のつわりの乗り越え方
- 食事
- お風呂
- お出かけ
- 二人目のつわりがつらいときはどうしたらいい?
- あまり我慢せず産院に相談して
- <体験談>無理しない・周囲に理解してもらう&助けてもらう
- まとめ
<アンケート>一人目と二人目でつわりは違った?

妊娠・出産経験のある先輩ママに、一人目と二人目の妊娠で、つわりの症状や程度は違ったかどうか聞きました。
全然違った人もいればほぼ同様だった人も
その結果、87人の回答者のうち2人以上のお子さんがいる28人では、「ほとんど同じだった」と回答したのは11人、「少し違った」は12人、「全然違った」は5人でした。
人によって、一人目と二人目で違いを感じることもあれば、ほとんど同じということもあるようです。
※マイナビ子育て調べ 調査期間:2021年12月28日~2022年1月4日 調査人数:87人(21歳~40歳以上の女性)。うち、2人以上のお子さんがいると回答した人:28人 ※ここで紹介した方法と結果は、個人の体験によるものです。記載の方法を推奨したり、結果を保証するものではありません。
<体験談>一人目と二人目以降のつわりの違い
一人目のほうがつらかった
二人目のほうがつらかった
一人目と二人目でつわりは違うの?

一人目と二人目では、つわりの出方に何か違いはあるのでしょうか。
個人差は大きいが程度が違う可能性はアリ!
最初に先輩ママの体験談でも紹介したとおり、一人目と二人目でつわりの程度が違う人もいれば、ほとんど同じだった人もいます。
つわりはもともと個人差が大きく、感じ方も人それぞれで、一人目と二人目での違いも人によってさまざまです。
つわりは一人目の妊娠で多い
ただ、つわりは妊婦さんの50~80%に起こりますが、一人目のときに経験する人が多い傾向にあるということは言われています[*1]。
重症化したつわりは二人目以降で多い
また、医療機関での治療が必要なほどひどいつわりのことを「妊娠悪阻(にんしんおそ)」と言いますが、この状態になるのは妊婦さん全体の0.5~2%程度なものの、重症化するのは二人目以降の妊娠で多いこともわかっています[*1]。
二人目は上の子のお世話を休めないことの影響も
二人目以降の妊娠では、上の子のお世話をしながらつわりをやり過ごすことになる人も多いですよね。そのため、ゆっくり休めず疲れが溜まることで、つらい症状をより強く感じる人もいるかもしれません。
つわりはなぜ起こる?その原因は?

つわりは妊娠によるマイナートラブルでももっともよく聞く不調ですが、これはなぜ起こるのでしょうか。
まだよくわかっていないがホルモン変化の可能性
つわりがなぜ起こるのかは、実はまだよくわかっていません。
妊娠すると胎盤から分泌されるようになる「hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)」というホルモンが影響しているのではないかと言われています。これは、基本的に妊娠した女性特有のホルモンです。
ただし、その他のホルモンや代謝の変化、心理的要因などが影響している可能性もあるとされています。
つわりがない人も。程度も個人差が大きい
つわりは妊娠すると全員が経験するわけではありません。つわりが起こるのは妊婦さんの50~80%と言われているので、妊婦さんの20~50%はつわりの症状なしに妊娠が進みます。また、その程度も人によってさまざまです。
そもそもなぜつわりが起こるのかよくわかっていないため、このように個人差ができる理由もよくわかっていません。
二人目のつわりは早いって本当?

二人目の妊娠では、つわりは早く現れると言われることもありますが、本当でしょうか。
一人目か二人目かは関係なさそう
個人差が大きいものの、つわりは早くて妊娠5~6週ごろ始まり、妊娠8~10週ごろが症状のピークで、妊娠12~16週ごろにかけて治まっていくというのが典型的な経過です。
ただ、もしさきほど解説したhCGというホルモンの分泌によってつわりが始まるのであれば、妊娠ごとにそのタイミングは異なるかもしれません。一人目か二人目かというより、その子によって、hCGの分泌が早く始まればつわりが早く現れる可能性もあります。
一度経験しているので気づくのが早い可能性も
二人目の妊娠の場合は、一人目のときにつわりを経験していれば、初めての妊娠のときより症状に気づくのが早くなる可能性もありますね。一人目では、なんとなく具合が悪い……としか感じていなかった時期に、二人目なら早めにピンと来るかもしれません。
二人目のつわりの乗り越え方

二人目のつわりでも、乗り越え方の基本は一人目のときと変わりません。ただ、上の子のお世話も加わるので、できるだけ体を休められるように工夫しましょう。
食事
つわりでつらいときは、「食べたいときに食べたいものを食べる」のが基本。妊娠初期の赤ちゃんは、ママの体からの栄養はそれほど必要としていません。ですから、つわりで思うように栄養が摂れていなくても、あまり焦らないで大丈夫。
つわりのときは食品のにおいで吐き気をもよおすことも多いので、食事の支度はできればパパに担当してもらえると良いですね。パパがどうしても仕事で忙しかったり、実家も遠かったりなど家族を頼れない場合は、地域の子育てや家事支援サービスを積極的に利用しましょう。くわしくは、すまいのある自治体の窓口に相談してみてください。
お風呂
妊娠初期は、女性ホルモンの影響で血管が拡張するので、血圧が下がりやすくなっています。とくに、入浴で体が温まるとさらに血圧は下がりやすくなります。お風呂では、急に立ち上がったときに脳への血流が減ってめまいなどを起こす「起立性低血圧」に注意が必要です。
また、つわりのときはお風呂の湯気で気持ちが悪くなるという人も。つわりの間は上の子のお風呂もパパに担当してもらいたいですが、難しいようならできるだけ短時間で入浴するか、シャワーだけで済ませるという手もあります。
空腹時や食後すぐの入浴は、吐き気やめまいなどがよりひどくなる可能性があるので避け、食後1時間くらい経ってから入るようにしましょう。
お出かけ
体調がそれほど悪くないときは、適度に体を動かすのは良いことですが、あまり無理はしないでください。急に具合が悪くなっても休憩できそうな場所を事前に把握しておくと良いですね。
また、空腹になるとつわりは悪化しやすいので、ちょこちょこ口にできるクラッカーやビスケット、キャンディなどの用意も忘れずに。
二人目のつわりがつらいときはどうしたらいい?

つわりは、何度も経験したら慣れるというものではありません。二人目のつわりでつらいときにはどうすれば良いのでしょうか。
あまり我慢せず産院に相談して
つわりは多くの妊婦さんが経験する症状ですが、ひどくなると医療機関での治療が必要になることもあります。以下のような状況に当てはまるときは、あまり我慢せず、かかりつけの産院に相談してください。
・一日中何度も吐く
・食事がとれず水も飲めない。尿の量が減った
・体重がどんどん減っている(とくに元の5%以上減った)
職場への連絡は「母健連絡カード」で
仕事をしている妊婦さんの場合は、つわりがひどくてつらいなら「母健連絡カード(母性健康管理指導事項連絡カード)」を活用して、職場に通勤・勤務時間や休暇、仕事内容などの相談をしましょう。
母健連絡カードは、医師等から働く妊婦さんや産後の女性への指示を、事業主に適切に伝達するためのツールです。
母子手帳に様式があるのでそれをコピーするか、下記の厚生労働省のサイトからダウンロードして使用できます。健診などの際に、医師に相談し必要な措置を記載してもらって、職場に提出しましょう。
<体験談>無理しない・周囲に理解してもらう&助けてもらう
先輩ママにつわりでつらいときどんな工夫をしたかも聞いたところ、「無理しない」「周囲に頼る」ことで乗り切ったと教えてくれた人が多かったです。
家事はなるべくやらない!
周囲を頼る
まとめ

二人目を妊娠して、つわりはいつ始まるのか、一人目のときと何か違うのか気になっているママに向け、その特徴を解説しました。
つわり自体、なぜ起こるのかくわしくはわかっておらず、一人目と二人目での違いもはっきりとはわかりません。一人目とほとんど同様のこともあれば、まったく違う場合もあるようです。
ただ、二人目の場合は上の子のお世話がある、というのが一人目との大きな違いです。子育ての苦労と喜びを夫婦で共有するためにも、二人目のつわりでつらいときは遠慮なくパパを頼りましょう。二人目の産後に備えて、ママとパパで担当する家事分担を仕切り直すきっかけにもなりますよ。
(構成・文:マイナビ子育て編集部/監修:宋美玄 先生)
※画像はイメージです
[*1]病気が見える 産科, メディックメディア, 2018.
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます