ヨガとストレッチはどう違う? 2つを組み合わせたおすすめのストレッチもご紹介
どちらも身体を伸ばす動作をするヨガとストレッチ。ヨガのポーズを使ったストレッチもあり、興味のある方もいるでしょう。似ているようですが、目的や効果などに違いはあるのでしょうか? ヨガインストラクターがすすめるストレッチもご紹介しますよ。
ヨガとストレッチってどう違うの?
フィットネスのうち、筋トレやエアロビクスなどの激しい運動と違って、ゆっくり身体を動かす運動として思い浮かぶヨガやストレッチ。似たようなものとしてとらえている人も多いのではないでしょうか。確かに似ている点もありますが、違いも少なくありません。
1.ルーツ|ヨガの方が古い
ヨガとストレッチは、まず、その歴史が大きく異なります。ヨガのルーツは古代までさかのぼりますが、それと比べると、ストレッチが生まれたのは比較的最近のことになります。
■ヨガのルーツ
ヨガは古代インドから続く修行法がルーツとなっており、現代では心身の健康法として広まっています。日本におけるヨガは、座法や呼吸法、瞑想法をまとめた静的ヨガの一部が中国を経由して座禅として伝わったのが始まりです。
現在広く実践されているヨガは、13世紀ごろに生まれた動的なヨガ「ハタ・ヨガ」がベースとなっています。「ハタ・ヨガ」の中から姿勢と呼吸法を取り出したもので、エクササイズとして親しまれるようになりました。
■ストレッチのルーツ
ストレッチには「伸ばす」という意味があります。運動としてのストレッチ(ストレッチング)は1970年代に、アメリカのボブ・アンダーソンという人が編み出したものだとされます。
2.目的|ヨガの方が「呼吸」と「精神面」を重視
■ヨガの目的
ヨガはサンスクリット語で「つながり」を意味する言葉です。心と身体、魂がつながっている状態のことを表しています。したがってヨガの目的とは、呼吸、姿勢、瞑想を組み合わせて心身の安定を得ることと言えます。
■ストレッチの目的
ストレッチは筋肉や関節の柔軟性を高めることを目的とした運動です。関節を動かしながら筋肉を伸ばしたり縮めたりする「動的ストレッチ」と、ゆっくり一定方向に筋肉を伸ばして静止する「静的ストレッチ」に分けられます。動的ストレッチはウォーミングアップとして、静的ストレッチはクールダウンやリラクゼーション(リラックス)のために行われたりしています。
ストレッチはヨガと比べると身体のコンディションのためという意味合いが大きいですね。また、ストレッチでも「呼吸を止めないこと」は大切になりますが、ヨガの方がより呼吸を重視しているといえるでしょう。
ヨガとピラティスの違い
ちなみに、ヨガに似ているものとしてピラティスもありますが、こちらはヨガや太極拳の要素を取り入れたエクササイズです。ヨガは深い腹式呼吸(副交感神経を働かす)ですが、ピラティでは胸式呼吸(交感神経を働かす)を使うといった違いがあります。
また、ピラティスはヨガよりも身体的アプローチに重きを置き、体幹部のインナーマッスルを鍛えることで正しい姿勢を作るエクササイズです。
3.効果|柔軟性を向上させるのは同じ
ヨガもストレッチも、ともに柔軟性をよくして身体のコンディションを整えてくれる点は同じです。それ以外に、精神面での効果に違いがあるといえるでしょう。
■ヨガの効果
ヨガのポーズの本来の目的は自分と向き合うことですが、ポーズによって筋肉が伸ばされるため、柔軟性の向上が期待できます。ポーズによっては筋肉が鍛えられ、シェイプアップや姿勢の改善といった効果も。また、意識的な呼吸によって交感神経と副交感神経の働きが整えられることで、ストレスの緩和、心身の調和などにつながります。集中力や感情のコントロールの向上といった精神的な効果もあるとされます。
■ストレッチの効果
ストレッチには筋肉を伸ばすことで柔軟性を高める(関節可動域を広げる)効果があります。そのため怪我の予防や運動時のパフォーマンスの向上、疲労回復やリハビリによいとされています。また、ストレッチのやり方によっては副交感神経が優位になるため、リラックス効果も期待できます。
厚生労働省:e⁻ヘルスネット「ヨガ」
厚生労働省:e⁻ヘルスネット「ストレッチング」
厚生労働省:e⁻ヘルスネット「ストレッチングの効果」
厚生労働省:e⁻ヘルスネット「ピラティス」
認定NPO法人日本ヨガ連盟:ヨガの目的と効果
長寿科学振興財団:健康長寿ネット「高齢者向けヨガの健康効果とは」
ヨガのストレッチ3選【動画】
ここまでヨガとストレッチの違いをお伝えしてきました。最後に、「本格的なヨガはまだ……」という人や、「ストレッチに精神的な効果もプラスしたい」という人におすすめしたい、ヨガとストレッチを組み合わせた運動をご紹介します。
1.股関節を柔らかくするストレッチ
股関節周りの筋肉を伸ばすストレッチです。数種類のポーズをとっていきますが、それぞれ深い呼吸と一緒に身体の動きを意識して行ってみてくださいね。
動画作成:anri yoga さん
2.開脚におすすめのストレッチ
こちらは開脚をめざす人におすすめのストレッチです。骨盤の動かすコツや、関係する筋肉の伸ばし方のコツを丁寧に教えてくれるので、初心者でもわかりやすいですよ。
動画作成:MOMIYOGA さん
3.5分でストレッチ&エクササイズ
こちらは5分でできるストレッチとエクササイズのセット。両足の付け根をストレッチした後、ゆっくり両足の上げ下げの運動を行っていきます。
動画作成:たかヨガ 小野田貴代チャンネル さん
まとめ
ヨガとストレッチの違いのお話と、ヨガとストレッチを組み合わせた運動をご紹介しました。ぜひ、ヨガの特徴である呼吸を意識しながらストレッチをしてみてくださいね。
(文:マイナビ子育て編集部)
関連記事▶痩せるストレッチってあるの? ダイエットする身体作りに役立つメニューをご紹介
関連記事▶股関節のストレッチ3選!体が硬い人にもおすすめの簡単ストレッチをピックアップ
関連記事▶朝のストレッチの効果とは?身体がすっきり目覚めるおすすめのメニューをご紹介