
元犯罪者との実験で明らかに! 子どもが犯罪に遭わないための防犯対策【安全教育の専門家が実験】
岩崎書店から2月16日に出版される絵本『いやです、だめです、いきません』の著者・清永奈穂さん。清永さんは犯罪歴のある男性立ち会いのもと、犯罪者の心理について実験。そこから導き出された子どもの防犯対策についてご紹介します。

コロナ禍で相手が不審者かわかりづらくなっている?
コロナ禍の現在、子どもに近づく不審者について、「マスクをしているので不審者かどうかわからない」「マスクで声が出せない」といった不安があります。今回紹介するのは、新学期が始まる前に知っておきたい、目から鱗の子どもの防犯対策です。
安全教育絵本『あぶないときは いやです、だめです、いきません』(岩崎書店より2月16日発売予定)の著者の清永奈穂さん。清永さんは、警察庁科学警察研究所の初代犯罪予防研究室長だった父を持ち、現在は親子で全国の小学校やPTA、防犯ボランティア向けの安全教育を行っています。
2006~07年、日本女子大の研究員だった清永さんは、同大で犯罪行動生態学を教えていた父とともに、誘拐やわいせつ目的で路上で子どもを狙う犯罪者の心理を分析しようと、犯罪歴のある男性の立ち会いのもと実験を行いました。
その結果、導き出された防犯対策は次の通りです。
普段から20m全力ダッシュできるようにしておく
さまざまな研究から、犯罪者は20m逃げられたら周りに気づかれると思い、諦める傾向があることがわかりました。不審者から逃げ切るためには、普段から20mを全力でダッシュする練習をしておくことが大切です。
「だるまさんがころんだ」で後ろの気配に気づく練習を
「だるまさんころんだ」や「ハンカチ落とし」は、後ろに気配を感じる遊びです。機敏な行動が求められるので、普段から遊んでおくのがおすすめです。
「不審者かも?」と思ったら「靴」を覚えておこう
不審者情報を警察や人に伝えるとき、大切なのは不審者と思われる人の「靴」を覚えておくこと。犯罪をおかす人は、服を途中で着替えたり、脱ぎ捨てるケースが多いですが、靴は履いたままが多いからです。
不審者を撃退するために、「大声を出す練習」を
大声を出そうとしても、その場では思ったように声が出ないこともよくあるものです。普段から、大声を出す練習をしておきましょう。顔を前に出し、体を「く」の字に折り曲げて叫ぶのがコツ。手足を振り回してジタバタする練習もしておくのもおすすめです。
→ 【子どもの防犯トレーニング】いざという時に自分の身を守る! 断る・叫ぶ練習『いやです、だめです、いきません』Vol.4
どんな子供が狙われやすい?
犯罪者の声から、狙いやすいとされた子どもの特徴がいくつか挙がりました。
・おしゃれな子(「雑誌の記者をやってる」などと声をかける)
・靴ひもがほどけている子(すきがあると思われる)
・一人でいる子
・ぼんやりしている子
・ふらふらしている子
靴ひもをきちんと結んでおくことも、犯罪に巻き込まれるリスクを下げる大切なポイントです。
→ 【子どもの防犯クイズ】あぶない人にねらわれそうな子の特徴は?『いやです、だめです、いきません』Vol.5
怪しい人のヒントは「はちみつじまん」
清永さんは、不審者の可能性が高い人を見分けるヒントとして「はちみつじまん」という合言葉を紹介しています。
「は」なしかてくる人
「ち」かづいてくる人
「み」つめてくる人
「つ」いてくる人
「じ」っと「ま」っている人
「ん?!」と思う
それぞれの先頭の文字をつなげると「はちみつじまん」になります。ぜひ覚えておきましょう。
→ 【子どもの防犯クイズ】あぶない人とそうでない人、見分けるポイントは?『いやです、だめです、いきません』Vol.2
そのほか、子どもの防犯で注意したいこと
怪しい人から声をかけられたら、「いやです、だめです、いきません」ときっぱり断りましょう。大声を出す練習とともに、家でも断る練習をしておくといざというときに役立つはずです。

また、大きな音で周囲に異変を知らせる「防犯ブザー」ですが、実際にならすことができた子供は100人中2人だけとの結果が出ています。防犯ブザーの電池がきれていないか確認して3カ月に1回電池交換をするほか、万一のときにすぐに手に取ることができるよう、腰回りに付けるようにしましょう。
清永さんによると、「犯人は必ず下見をしている」とのこと。自分の学区で怪しい人が半年に6回、1カ月に3回、10日に1回出没するようになってきたら要注意です(「6、3、1の法則」)。アプリなどの不審者情報を有効活用し、周囲の人や学校・園とも情報を共有しながら防犯対策をすることが大切です。
【清永奈穂さんの新刊】絵本『あぶないときは いやです、だめです、いきません』について

安全教育の専門家による、子どもが自分で自分の身を守るための絵本が登場。
「あぶない人」「あぶない場所」って、どんなこと?
もし、あぶないめにあったらどうしたらいい?
子どもが自分で自分の身を守るために必要なことを絵本を通して学べる一冊。
巻末の親向け解説では、逃げたり、さけんだりする練習方法も紹介。
就学前から小学1年生の、1人で歩く機会の増える子どもにおすすめです。
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(マイナビ子育て編集部)