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2023年01月12日 12:21 更新

常磐色(ときわいろ)とは?~日本の伝統色 Japanese Traditional Colors~

【常磐色(ときわいろ)】とは、強く深めの少し茶色を含んだ緑色のことです。日本の伝統色である【常磐色】にどのような由来があって、どのように愛されてきたのか、子どもにそのまま教えてあげられるよう、やさしい言葉で解説します。海外の方に英語で説明できるよう、英語での解説も紹介しています。

【常磐色】とは?

松の木

常磐色とは、常緑樹(じょうりょくじゅ)を思わせる強く深い少し茶色を含んだ緑色のことです。

色の名前 常 磐 色
読み方 ときわいろ tokiwa-iro
英語 ever green
WEBカラーコード #006428
CMYK  C=100/M=0/Y=100/K=50 
RGB R=0/G=100/B=40
※色は環境等により見え方が異なります。各種カラーコードは絶対のものではなく、あくまで参考値です。

【常磐色】の意味と由来は?

【常磐色】は、松や杉のような常緑樹を思わせる、強く深い、少し茶色を含んだ緑色の色名です。

「常磐(ときわ)」とは、「とこいわ(永遠に変化しない岩石)」を語源とした言葉で、永遠不滅(えいえんふめつ)や不老長寿(ふろうちょうじゅ)など、「いつまでも変わらないもの」を表しています。つまり【常磐色】は、寒い冬でも枯れることなく青々とした常緑樹の緑色ということです。江戸時代には、縁起がいい 吉祥(きっしょう=おめでたい兆し)の色とされて、松葉のような濃く暗い緑色の【千歳緑(せんざいみどり・ちとせみどり)】とともに好まれていました。

また、鎌倉時代の和歌集『新撰六帖(しんせんろくちょう)』には、藤原信実(ふじわらののぶざね)の「ときは色の ちしほのみどり 神代より そめて震えの 住吉の松」という和歌があり、【常磐色】が松の葉の色に由来していることがわかります。

【常盤色】に関連する色

【常磐色】に合う色は?


常磐色
 ときわ いろ 


撫子色
 なでしこいろ 

【常磐色】に合う色のひとつに【撫子色(なでしこいろ)】があります。【撫子色】は、撫子の花を思わせる少し紫を含んだピンク系の紅色です。【常磐色】は、濃い緑なので大きく使うと全体的に沈みがちな色合いになります。そこで、あたたかさを感じる色と合わせることで、バランスのいい配色となります。とくに薄めのピンク系の色とは相性がよく、そのほか桃の花を思わせる淡い紅色の【桃花色(ももはないろ】や淡い赤黄色の【曙色(あけぼのいろ)】などと合わせてもいいです。

【常磐色】を大きく使う場合には、薄い黄褐色の【枯野(かれの)】や淡い緑色の【白緑(びゃくろく)】など、薄い茶系や白系のものと合わせると、落ち着いた配色になります。

A traditional Japanese color "常磐 tokiwa" is...

A traditional Japanese color "常磐 tokiwa" is a strong, deep, slightly brownish green color reminiscent of evergreen trees such as pines and cedars.

The word "常盤 tokiwa" is derived from the word "とこいわ toko-iwa (eternal unchanging rock)" and represents "something that never changes," such as eternal immortality or longevity. In other words, "常盤 tokiwa" color is a sacred color that praises evergreen trees, which remain lush and green without withering even in cold winters. In the Edo period (1603-1867), it was considered a color of auspiciousness and good omen, and was favored together with "千歳緑 senzai-midori or chitose-midori," a darker green like pine needles.

In addition, the waka poem by Nobuzane Fujiwara in the waka anthology "Shin-sen rokucho (Six Newly Selected Poems)" from the Kamakura period (1185-1333), shows that the color "常磐 tokiwa" is derived from the color of pine needles.

まとめ

【常磐色】は、松などの常緑樹のような強く深い緑色の色名です。常磐という名称には、「永遠に変わらないもの」という意味があり、常磐色は縁起がいい吉祥の色として古い時代から愛されてきました。染色としても平安時代からあった色で、とくに和服や和装小物などにもよく使われています。落ち着いた美しい色として、現在でも好まれている色のひとつですね。

(マイナビ子育て編集部)

参考文献
・『色名がわかる辞典』(講談社)
・『366日 日本の美しい色』(三才ブックス)
・『くらしを彩る 日本の伝統色事典』(マイナビ)

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