子供の紫外線対策! 小児科医が教える効果的でラクな方法とは?
初夏から秋にかけて気になるのが、子どもの日焼け。でも、子どもが日焼け止めを嫌がる、何回も日焼け止めを塗り直すのは大変、という声も。そこで、どうしたら効率よく日焼けを防ぐことができるのか、小児科医の森戸先生に教えてもらいました。
子供が日焼け止めを塗らせてくれない?
初夏らしくなるとともに、だんだんと日差しが強まってきましたね。紫外線の量は、春先から徐々に増えて、夏にピークを迎えます。昔は健康的なイメージだった日焼けですが、今では皮膚に炎症を起こすだけでなく、しみやしわの原因となり、さらには皮膚がんのリスクもあるため、紫外線対策は当然のこととなりました。
紫外線は体内で骨を作るために必要なビタミンDの生成を促すため、全く浴びないのもいけないのですが、国立環境研究所の資料によれば、東京なら日向で15分、日陰で30分ほど両手の甲くらいの面積に紫外線を浴びれば大丈夫です[*1]。ですから、子供も紫外線対策をしてください。
子供にも日焼け止めを塗るといいのですが、なかなか手間がかかりますし、嫌がって塗らせてくれない場合もあります。ですから、まずは日差しの強い時期こそ、通気性のよい長袖・長ズボンを着させるといいでしょう。光を反射しやすい薄めの色、UVカット素材の服や帽子などを使えば、より効果的です。海や川、じゃぶじゃぶ池などで遊ぶときは、ラッシュガードを着せましょう。
そして、どうしても日光が当たってしまう顔や手足などの部分には日焼け止めを。部分的にならサッと塗ることができると思います。ただ、長袖長ズボンを嫌がって着てくれないこともありますね。その場合は、手間がかかりますが、服から出ている部分すべてに日焼け止めを塗るしかありません。
日焼け止めの選び方
では、日焼け止めはどういうものを選ぶといいでしょうか。オーガニックや無添加、天然素材を謳っている商品が皮膚にいいとは限らないので、それよりもきちんと日焼けを防げるかどうか、まずは「強さ」を確認しましょう。
日焼け止めの強さは、普段用なら「SPF15~20、PA++」くらいが最適です。海や山、紫外線の強いところに行くときは「SPF20~40、PA++~+++」くらいを目安にしましょう。いずれにしても、汗をかいたり、服や布でこすれたりすると落ちてしまうので、2〜3時間おきにこまめに塗り直すことが大切です。海やプールに入るときにはウォータープルーフタイプを使いましょう。
また、日焼け止めには、紫外線を集めて皮膚まで届くのを防ぐ「紫外線吸収剤」タイプ、紫外線を散乱させて皮膚まで届くのを防ぐ「紫外線散乱剤」タイプがあります。
紫外線吸収剤のメトキシケイヒ酸オクチル、ジメチルPABAオクチルなどを配合した日焼け止めは、塗った時に肌が白くなりにくく使いやすいのですが、肌がデリケートだとかぶれてしまうことも。そのため、子どもには紫外線散乱剤だけの日焼け止めが安心ですが、「子ども用」と書いてあるからといって紫外線吸収剤が入っていないとは限らないのです。
成分表示を見て紫外線散乱剤の「酸化亜鉛」あるいは「酸化チタン」が主成分のものを選びましょう。皮膚が赤くなったり、かゆくなったりした場合は、紫外線吸収剤不使用の日焼け止めに替えてください。「ノンケミカル」と表示されていることが多いですよ。
参照)森戸やすみ『子育てはだいたいで大丈夫』(内外出版社)
(編集協力:大西まお)