ランドセルの相場はどれくらい? 価格帯別おすすめ23選
ランドセルの価格ってどのくらい? 値段の差はどこからくるの? という疑問に答えるべく、この記事ではランドセルの相場について詳しく紹介します。2大メーカーランドセルと、工房系ランドセルの価格帯別おすすめランドセルも記載しています。
ランドセルの相場はどれくらい?
ランドセルの相場は、年々高くなっているイメージがありますが、実際にどうなのでしょうか? 具体的なデータからひも解きます。
ランドセルの相場は4~6万円台
一般社団法人日本鞄協会ランドセル工業会の調査[*1]によると、2022年のランドセルの購入金額の平均は56,425円。中心価格帯は4~6万円台に集中しており、40,000円〜64,999円のランドセルを購入した家庭が全体の42.8%にのぼります。
ランドセルの購入価格は上昇・二極化の傾向
直近3年のランドセル購入平均価格の推移を見ると、
2020年 53,600円
2021年 55,339円
2022年 56,425円
と、毎年1,000円単位で上昇しています。
特に65,000円以上のランドセルを購入したという回答が増えていて、2020年は22.3%だったのに対して2022年には30%を超えるまでに上昇。この層が全体の平均を押し上げているともいえます。
いっぽう、2020年以降、4万円未満のランドセルを買う層は19%前後でほとんど変わらず安定しています。
このことから、全体に高級化しているというより、ランドセルの価格の二極化が進んでいるということがわかります。
素材別ランドセルの相場
ランドセルの価格は、素材に大きく左右されます。代表的な3つの素材の特徴と、価格帯を見てみましょう。
■人工皮革(クラリーノ、アンジュエール、コードレなど)のランドセル
【平均価格帯】3万円台〜7万円台
【特徴】平均重量は1,000g前後と軽い。丈夫で耐水性があり、傷がつきにくく型崩れしにくい。カラー展開が豊富で刺繍などの加工もしやすい。
■牛革のランドセル
【平均価格帯】7万円台〜10万円台
【特徴】平均重量は1,300g前後。高級感があり、耐久性が高い。工房の職人による手作業でつくられるため、数量は限られる。
■コードバン(馬のおしりの希少な革)のランドセル
【平均価格帯】8万円台〜20万円台
【特徴】平均重量は1,500g前後。牛革よりさらに高級感があり、耐久性が高い。希少な部位の革を使うため、生産数が少なく即日完売することもある。
標準的な価格帯(4~6万円)のランドセルはどんなもの?
標準的な価格帯(4~6万円)のランドセルには、どんなものがあるのでしょうか。素材や色、サイズや購入時期など、項目別に細かく解説します。
素材
4~6万円台で買えるランドセルの素材は、ほぼ人工皮革製です。代表的な素材としては「クラリーノ」があります。人工皮革には軽さ、丈夫さ、耐水性、手入れのラクさ、カラーバリエーションの豊富さなど、ランドセルに求める要素が詰まっているといえます。
一部、羽倉ランドセルの「耐性牛革」製品はかぶせ部分に牛革を採用しながら5万円台、6万円台のランドセルを販売しています。
参考記事>クラリーノのランドセルを徹底解説! 特徴とデメリット・おすすめランドセルも
サイズ
ランドセルのサイズはメーカーによって多少の違いはあるものの、現在ではほとんどのランドセルがA4フラットファイルを折り曲げずに収納できる「A4フラットファイル対応」です。なので、サイズによって値段の差がつくことはほとんどありません。
4~6万円のランドセルであれば、サイズは「A4フラットファイル対応」と考えてよいでしょう。価格が安い場合は、念のためA4フラットファイルに対応しているか確認したほうが安心です。
色
4~6万円は大手メーカーランドセルの中心価格帯でもあるので、人工皮革製であれば色選びに不自由することはありません。ただ、個性的で選ぶ人が少ない希少なカラー(例えば白やゴールドなど)は、そもそも生産数をおさえているため、早く売り切れることはあります。
参考までに、人気カラーの最近の傾向も紹介しておきます。
女の子向けモデル…1位パープル、2位ピンク、3位赤色、4位水色、5位茶色
男の子向けモデル…1位黒、2位ブルー系、3位茶色、4位グリーン系
参考記事>【2023年入学向け最新版】ランドセルの人気色とトレンドは? 選び方のポイントも
形状
ランドセルには主に4つの形状がありますが、結論から言うと人工皮革のランドセルであればどの形状も4~6万円の範囲内でそれほど価格に差はありません。使う革の量が少ないキューブ型と半かぶせ型は、軽さを追求している新進のメーカーが採用していることが多く、若干値段が安めになっています。
主な4つの形状については下記になります。
・学習院型…昔からある一般的なランドセルの形状。ランドセルのへり(ふち)部分を残して縫製しているのが特徴。強度が高い分、若干大きめに仕上がる。
・キューブ型…最近増えつつあるランドセルの形状。ランドセルのへり(ふち)部分をなくしている。軽くて大容量のランドセルニーズに応え、コンパクトにするために開発された。
・半かぶせ型…かぶせの部分を短くして、通常ランドセルの下にくる錠前部分をランドセルの表面にもってきた型。開け閉めしやすく、やや軽く、個性的なランドセルを求める層に人気。
・横型…ワイド型とも呼ばれ、横に長いランドセル。中身が見やすく出し入れしやすいのがメリットだが、普及率は低め。
製造国
人工皮革を素材として使っているのであれば、生地から製造まで国産のランドセルが4~6万円でじゅうぶん買えます。
6年間使うランドセルだから、国産じゃないと心配という声も多いですよね。ランドセルの生地に関しては、3万円以下のランドセルを販売しているメーカーでも、メジャーどころは国産を使っているところがほとんど。
ただ、製造だけは中国など外国に委託して、価格を下げているパターンは見られます。
メーカー
メーカーによって、やはりブランド力が違いますので価格の差はあります。4~6万円で買えるのは人工皮革のランドセルが中心になりますが、下記に価格帯別のメーカーを目安としてあげます。
【4万円台が中心のメーカー】ニトリ
【5万円台が中心のメーカー】池田屋、協和(ふわりぃ)、羅羅屋(ララちゃん)、ナース鞄工(キッズアミ)など
【6万円台が中心のメーカー】セイバン、ハシモト(フィットちゃん)、イオン、三越伊勢丹など
購入時期
購入時期によっては、ランドセルが安く買える場合もあります。具体的には、年長の夏くらいまでに買う場合の「早期割引」と、オンラインで買う場合の「WEB限定割引」、また年長の秋以降に実施される「クリアランスセール」です。
【早期割引】
10%割引になることが多いです。セイバンなどが実施しています。
【WEB限定割引】
フィットちゃん、ふわりぃ、イオンなどで実施。時期により5~15%と割引率が違うブランドもあります。
【クリアランスセール】
8月末以降、実施するメーカーやブランドもあります。割引率は20~70%と幅広いですが、なかには最大80%オフというランドセルも! 前年度の型落ち品や、在庫一掃品、展示品などがセールになります。
2022年入学向けには、セイバン、フィットちゃん、三越伊勢丹といった人気店や、イトーヨーカドー、ニトリといった身近なお店もアウトレットセールを実施していました。
高いランドセルと安いランドセルの違いと買うときの注意点
ここまでランドセル相場の中心価格帯、4~6万円のランドセルについて説明してきましたが、4万円以下、6万円以上のランドセルにはどんなものがあるのでしょうか。どんな方におすすめできるかを含めてチェックしましょう。
4万円以下の低価格帯のランドセルの特徴と買うときの注意点
4万円以下のランドセルを販売するメーカーとして代表的なのが、ニトリ。オリジナルランドセル「わんぱく組」を、2万円台から販売しています。価格は安くても生地にはこだわり、ニトリが上智大学と共同研究した結果をふまえ、子どもに快適な日本製生地を使っています。
ほかの大手メーカー・ブランドとしては、イオンの「はなまるランドセル」が3万円台です。
いずれも、生地や製造過程やデザインでコストをおさえる工夫がされています。量販店で気軽にランドセルを買いたい方、コストをおさえながらもメジャーなメーカーから買いたい方におすすめです。
さらに安い2万円以下のランドセルになってくると、6年間安全に使うための品質や保証が心配な場合もあるので、注意が必要です。
6万円以上高価格帯のランドセルの特徴と買うときの注意点
6万円以上のランドセルとなると、大手メーカー(ブランド)の高級モデルや、工房系の天然皮革製も選択肢に入ってきます。予算が潤沢な場合や、高級感を求める方、他とは差をつけたい方におすすめです。
注意点としては、特に工房系のコードバン(馬のおしりの革)製品や一部の牛革製品になりますが、素材が希少だったり職人がつくれる生産数が限られているために、完売するのが早いということです。天然皮革製のランドセルを購入視野に入れていている場合は、年中の8月頃からカタログの取り寄せなど「ラン活」を早めることが必要になります。
参考記事>「ラン活」とは? いつ・何をすればいいの? ランドセル選びをゼロから解説
2大メーカーランドセルの価格帯別おすすめ10選
ランドセル大手の2大メーカー、「天使のはね」で有名なセイバンと、「フィットちゃん」のハシモト。それぞれ高価格帯、平均的価格帯、低価格帯からおすすめの商品を紹介します。
セイバン
ブランド名の「天使のはね」は、密着度を高め重心を上げる肩ベルトの構造から。人工皮革は、セイバンが独自に設けている厳しい品質基準と強度試験をクリアした6年間の使用に耐えられる素材のみを使用しています。
色やデザインが豊富で、その種類は100種以上! ぴたっと安定・ぴたっと密着して背負いやすい「Wぴたっと設計」が特徴です。
素材メーカーのFILWELと共同開発した人工皮革「アンジュエール」使用の〝モデルロイヤル クリスタル”、軽さや安全性、タフさやフィット機能をさらに特化させた〝スゴシリーズ”が代表的。
セイバンの低価格帯おすすめ
セイバンの平均価格帯おすすめ
セイバンの高価格帯おすすめ
フィットちゃん
最大の特徴は、特許取得の「フィットちゃん背カン」。子どもの肩への圧力を軽減し、ランドセルが軽く感じられる設計になっています。車のライトで光る「安ピカッ」、背中のクッション素材が厚い「楽ッション」など独自の機能も。
数量限定で(2023年度分は1,000本)、オーダーメイドのオリジナルランドセルをつくることも可能。すべてのランドセルに、岡山県で製造された国産クラリーノが使われています。
フィットちゃんの低価格帯おすすめ
フィットちゃんの平均価格帯おすすめ
フィットちゃんの高価格帯おすすめ
4大工房系ランドセルの価格帯別おすすめ13選
天然皮革製を得意とする工房系ランドセルブランド。なかでも人気の、土屋鞄製作所、池田屋、黒川鞄工房、鞄工房山本の4ブランドに絞って、価格帯別の商品を紹介します。
土屋鞄製作所
150を数えるパーツと300を超える手仕事にこだわりを注いだ、洗練されたデザインのランドセルをつくる工房として定評あり。
牛革をメインにコードバン、ヌメ革、クラリーノなど10種を展開。新色(プレミアムカラー)から完売していきます。価格幅は、64,000~140,000円。
土屋鞄製作所の低価格帯おすすめ
土屋鞄製作所の平均価格帯おすすめ
土屋鞄製作所の高価格帯おすすめ
池田屋
刺繍を入れずに価格を抑えたシンプルなデザインにこだわり。コードバン1種、牛革6種、人工皮革4種を展開。
老舗工房でありながら、クラリーノ製ランドセルにも力を入れています。人工皮革の価格帯は5万円台と手頃。特別な加工でツヤを抑えることに成功しており、落ち着いた雰囲気シックなマットクラリーノ、ツヤ消しクラリーノが人気です。
牛革製は防水加工やシワ加工をほどこすなど、独自の風合いと手頃な価格で人気上昇中の工房。価格帯は51,000~98,000円。
池田屋の低価格帯おすすめ
池田屋の平均価格帯おすすめ
池田屋の高価格帯おすすめ
黒川鞄工房
ブランド名は「はばたく®ランドセル」。コードバンで7種、牛革で6種を展開。本革のランドセルを求める方に人気で、業界全体がその動向に注目しています。
ラン活でも早い対応を求められ、2023年度分の場合、カタログは年中の9月に配布開始して、半年後の年中・3月には配布が終了。4月に展示会を行い、5月にはランドセルの受注も終了していました。
人工皮革製品もあり、工房系ランドセルの最大容量を実現しつつ軽さを追求した「軽量クラリーノF」を採用しています。価格帯は68,000~298,000円。
黒川鞄工房の低価格帯おすすめ
黒川鞄工房の平均価格帯おすすめ
鞄工房山本
創業70年の鞄工房。作業の委託・分業が多い鞄業界ですが、鞄工房山本では革の型入れ・裁断から縫製、仕上げまでの工程を、一貫して奈良の工房で行っています。
革の裁断面を磨いてニスを塗る工程を3〜4回繰り返して仕上げる「コバ塗り」が特長。上品な色づかいと独特の艶、スタイリッシュなシルエットが、全体のデザインを引き締めてくれます。
コードバン、牛革、人工皮革で21種展開。女の子向けは花やリボンのモチーフが入ったものが人気。価格帯は49,900~190,000円。
鞄工房山本の低価格帯おすすめ
鞄工房山本の平均価格帯おすすめ
鞄工房山本の高価格帯おすすめ
まとめ
以上、ランドセルの価格の相場や、価格の差はどこからくるのか、詳しく解説してきました。2大メーカーと工房系4大メーカーの価格帯別おすすめランドセルは、各ブランドのランドセル購入を検討している方の目安になりますので、ぜひチェックしてくださいね。