勉強しない子供に響いた! 中学受験親が効果を実感した声掛けとイライラ解消のコツ
宿題や予習、復習など、やるべきことがたくさんあるのに、マンガやゲームに熱中している子供――。そんな様子を見て、イライラしてしまうことってありますよね。子供の学級崩壊を経験し、知識ゼロからの中学受験に挑んだ木村美鈴さんが、子供と格闘する毎日のなかで意識する考え方や「イライラ解消法」を、中学受験の現場からお伝えします。
勉強しない子供にも言い分がある!
勉強しない子供に怒ってしまい、親子げんかに発展するのは“中学受験あるある”ですよね。
わが家も例外ではありませんが、少し冷静になってみると、受験生といってもまだまだ子供。
特に、以下の理由から子供の勉強のモチベーションが上がらないのだと、だんだん気付けるようになりました。
・学校の友達は遊んでいる
・学校行事や友達関係で疲れている
・苦手な単元だからやる気になれない
・思春期で親の言うことを聞きたくない
受験生の子を持つ親御さんであれば、「友達は遊んでいるのに自分だけ遊べない……」とわが子が辛そうにしている様子は、なんとなく感じられますよね。
「受験をしたい!」と自分から言い出した子であっても、外が暗くなるまで友達が遊んでいる様子をみると、うらやましく感じてしまうもの。学校行事の準備で疲れている場合や、友達とケンカをして帰ってきた日には、勉強にも身が入らないかもしれません。
こうしたときは勉強に集中できないので、思い切って休ませ、翌日に短時間で勉強させるに限ります。ちなみに苦手単元の宿題にあたると、子供はどうしてもやる気を見せてくれません。勉強しても成果につながらず、わが子も苦しそうでした。
そして中学受験は、子供がだんだんと思春期に入っていく時期とも重なります。思春期は、友達関係で悩みが増え、親からのアドバイスも素直に聞こうとしない不安定な時期。「勉強しなさい!」「今やろうと思っていたもん」といったやり取りを、わが家も何度繰り返したかわかりません。
子供自身に勉強不足と気付かせる
受験に対し、やる気がなかなか見えてこなかったわが子ですが、塾で大幅なクラス落ちを経験してはじめて「勉強不足だったかも……」と反省し、自分から勉強をするようになりました。
テスト結果の折れ線グラフは、成績の良いときと悪いときがジグザグになると言われていますが、それまでのわが子もその通り。結果が悪いと次のテストに向けて努力をし、良い結果のときは手を抜いてしまっていたのです。
さすがに偏差値が10以上ダウンしたときは私も困ってしまいましたが、クラス落ちで「このままじゃマズイ」と焦ったり、テストの結果を見て自分の努力不足を自覚したりと、子供自身が気付くまで辛抱強く待つことも、親に必要なことかもしれないなと考えるようになりました。
たしかに、クラスが大きく下がると、そこからすぐに這い上がるのは難しいのかもしれません。でも本人さえやる気になれば、塾の先生や親のフォローもしやすく、「挽回のチャンスはあるのでは」とも感じましたね。
親である私のイライラ解消の3つのコツ
勉強しないことを怒っても、子供に悪影響を与えるだけ。このことはわかっていても、どうしてもイライラしてしまうことがあります。こうしたとき、私は次のようなことに気をつけています。
・夫に愚痴を聞いてもらいつつ、冷静な意見をもらう
・子供が苦手単元で悩んでいるようだったら、先回りして塾に相談する
・わが子に響く「ポジティブワード」を見つけ、積極的に声をかける
子供の勉強についてどうしても愚痴を言いたくなったら、夫に聞いてもらっています。「ただ聞いてほしい」「アドバイスがあれば教えてほしい」とあらかじめ伝え、一方で「子供は責めない」と約束。ちなみに私の夫はポジティブ思考なこともあり、私の話から「○○には、こんなところもあるんじゃないの?」と子供の良い面を見つけ出します。冷静な意見をもらえることで、私自身、子供の良い面にも目を向けられるようになりました。
子供が苦手な単元で悩んでいるときは、先回りして塾に相談するのもおすすめです。わが子は先生に質問に行くのが苦手なため、あらかじめ塾に相談し、塾講師から声をかけてもらうこともあります。塾のサポートを十分に受けられるように手助けするのも、親だからこそできるサポートだと感じますね。
さらに、「ポジティブワード」を探しておくのもおすすめです。私の子供は「○○ならできると思っていたよ!」というポジティブワードがお気に入り。この言葉をかけると、ちょっと照れくさそうな笑顔を見せてくれます。ポイントは、やるべきことがひとつでも終わっていたら、ちょっとオーバーなくらいに褒めてあげること。子供のやる気に火がつき、勉強の習慣も少しずつ付いてきますよ。
勉強したくなるように、子供を後押し
子供が勉強しないとイライラしてしまいますが、怒るのはやはり逆効果。私の経験からも、怒りそうになったときほど「いつも応援しているよ」と前向きな言葉を伝えたほうが、子供の心に響いているなと感じます。
あくまで冷静に、でも子供のことを誰よりも応援してあげる。
子供の一番近い存在として、子供が勉強したくなるようにサポートしてあげるのが、受験生の親に特に求められる役割なのかもしれませんね。