「パパ塾・ママ塾」に向く家庭・向かない家庭とメリット・デメリット
受験勉強をする子供に、パパやママが勉強を教える「パパ塾・ママ塾」。「正直いってうちには向いていなかった」と言う木村美鈴さんですが、そのなかでもメリットを感じることも多かったそう。中学受験における「パパ塾・ママ塾」のメリット・デメリットと、どういう家庭に向いているか、成功・失敗を分けるポイントをお伝えします。
パパ塾・ママ塾とは? メリット・デメリットは?
パパ塾・ママ塾とは、一般的に「ママやパパが子供に勉強を教えること」を指す言葉です。
中学受験に関しては、たとえば問題集の丸付けを親がしたり、子供がわからなかった問題を解説したりと、主に塾の勉強をフォローする役割がその中心です。
“リビング学習の延長”ともいえますね。
ちなみに、私の知り合いでパパ塾・ママ塾をしていた家庭では、パパとママの得意教科で担当を変えたり、子供の中学受験を経験した親戚に勉強のチェックなどをお願いしたりしていたようです。
パパ塾・ママ塾のメリット
私は、パパ塾・ママ塾を実践するなかで、次のようなメリットを感じていました。
パパ塾・ママ塾のメリット
・苦手な単元を集中的に補習できる
・お金がかからない
・子供に合った方法でアプローチできる
まず、苦手な単元を集中的に補習できるのはメリットです。
個別指導に通うのも手とはいえますが、「今すぐに補習をしたい」という場合にはパパ塾・ママ塾のほうが素早く対応できます。お金がかからないのもポイントですね。
また、子供に合ったアプローチ方法がわかっているのも大きなメリットといえます。
たとえば、子供が興味を持ちそうな動画を使ったり、家族旅行の経験を例にしたりと、子供が理解しやすい方法で勉強を進められます。
ちなみに、親に褒められると子供は嬉しく感じるようで、私の子供の場合は、勉強のモチベーションアップにもつながっていたようです。
パパ塾・ママ塾のデメリット
パパ塾・ママ塾を始めようと考えている場合には、メリットだけでなくデメリットも押さえておくと、いざ始めてみた後に後悔せずに済みます。
パパ塾・ママ塾のデメリット
・親も中学受験の勉強をする必要がある
・準備に時間がかかる(問題選び、スケジュール管理など)
・親子関係が悪化するリスクがある
親が中学受験の勉強をするのは、思った以上に大変です。
特に中学受験を経験していない場合には、算数の“独特な解き方”を理解するのは大変なはず。
私自身、「この問題で方程式を使わずに解くなんて大変すぎる……」と何度も思っていました。
そしてパパ塾・ママ塾では、問題選びや時間の管理も必要です。家事や育児、または仕事をしながらだと準備が間に合わない可能性もあります。
また、場合によっては親子関係が悪化するリスクも。
特に反抗期の子は攻撃的な態度で親に接することもあるので、子供の態度を見て親のほうがイライラしてしまうかもしれません。
パパ塾・ママ塾に向いている家庭って?
私自身の経験、そして周りの家庭の様子を踏まえると、パパ塾・ママ塾に向いている家庭には次の特徴があるように思います。
パパ塾・ママ塾に向いている家庭の特徴
・子供のタイミングに合わせて教えられる
・子供が小さい頃から親子で学ぶ習慣がある
・親が目標を見失わないでいられる
パパ塾・ママ塾で大切なのは、子供が「ここを教えて!」と言ったときにすぐに対応できるかどうか。
私の知り合いでパパ塾・ママ塾がうまくいっていた家庭では、「子供からの質問に優先して対応する時間」を決めていたようです。
そして、小さい頃から親子で学ぶ習慣がある家庭もうまくいっているように感じます。
たとえば、家族で一緒に博物館に行って色々な話をしたり、公園で見つけた生き物を親子で詳しく観察したり、といった家庭ですね。
またパパ塾・ママ塾では、そもそも「何のために子供の勉強に時間を使うか」といった目標を親が見失わないことも大切です。
あるお母さんから聞いた話では、はじめは子供の苦手な単元をフォローするために始めたのに、いつの間にか「クラスアップ」が目標になってしまい、子供に反発されてしまったと言っていました。
わが家で「ママ塾」が失敗した理由
上の子が5年生のとき、通信授業のフォローのために「ママ塾」をしていたことがありますが、わが家ではどうしても向いていませんでした。理由は次のふたつです。
わが家ではうまくいかなかった理由
・衝突してしまうことが多かった
・算数の「特殊算」に対応するのが難しかった
反抗期の子供って、「イヤだ!」と言うのが“仕事”みたいなところがありますよね。
このことはわかってはいたものの、そこは気の短い私。
勉強を教えているときに子供から何かにつけて「イヤ」と言われることに対して、すぐにイライラしてしまいました。
また、算数の「特殊算」に対応しきれなかったことも原因です。「特殊算」とは、つるかめ算、旅人算などを指します。
中学受験では一般に、中学以降の数学で習うxやyを使わずに、算数としての解き方を使って特殊算を解く必要があります。私は中学受験を経験していないので、特殊算の解き方に慣れていなかったんですね。
そのため、はじめに勉強が必要で、そのうえで子供に解かせる問題を選ぶ必要もあるなど、準備するだけでも忙しく……。
準備が遅れたことで子供の学習ペースに影響が出てしまうこともあり、結果として勉強は塾に任せるようになりました。
向いていない場合は、すぐに撤退するのも手
パパ塾・ママ塾の大きなメリットは、子供に合った方法で学習を進めていけることです。
親だからこそわかる子供の特性を活かして学習できるので、子供も学びやすく、「親に褒められて嬉しい」という気持ちは子供のモチベーションアップにもつながります。
一方で、わが家のようにパパ塾・ママ塾が向かない家庭もあるかもしれません。
そのためパパ塾・ママ塾を始めてみる前は、お伝えしたデメリットも参考にしつつ、親子でよく話し合ってみると良いでしょう。
そして、いざ始めてみて「ウチには向いてないな」と思ったら、親子の関係が悪化する前に“撤退”を考えてみるのも大切なことかなと思います。