
「子供は1人」 のはずが“五男の母”に!? 人々が私にくれた肯定感「ここにいていいんだ」竹田こもちこんぶさんインタビュー<後編>
今年9月に出産し、現在5人の男の子を育てながら活動しているお笑い芸人竹田こもちこんぶさんは、普段から子育ての不自由さを逆手にとったあるあるネタをSNSで配信し、多くのママ・パパの共感を得ています。
今回は『皆様、本日も家事育児お疲れ様です。』を出版された竹田さんに「ママ友」「救われること」そして「自分が考える子育て」についてお話を伺いました。
ママ友に教えてもらったこと「わたしとあなたは違う、全部いい!」

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――5人の男の子を育てている竹田さんですが、最初からお子さんは何人欲しいなどの希望はあったのでしょうか?
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一番上のお兄ちゃんが今9歳でその下が今6歳と、4学年離れてるんです。この歳の差は何かというと、当初「子どもは1人で」と思っていたからなんです。
「早く自由になって自分が好きなことをやりたい」という、それこそ“表現欲”みたいなものが収まりきらず……だから、子どもは1人でいいやと。
ママ友との関係で「子育てにハマっていった」
そんな気持ちに変化があったのが、長男が幼稚園に入る前ごろ。もっと小さいころと比べて、2〜3歳にもなると子ども同士でコミュニケーションをとれるようになりますから、そこから出てくる親同士の話題は尽きないものです。そんな時期に、子育てセンターでいろんなお母さんたちと知り合って、仲良くなったんです。そこから、子育てというものにハマはまっていきました。
共通の趣味を持ったサークル活動のように、子育ての面白いことも、悲しいことも、悪口も、全て共有できる仲間ができたことで、高揚感とか、「楽しい!」という思いが湧いてきたんです。
同じような立場で気持ちを共有できる人と繋がることって、心強いですからね。それが、「もう1人欲しい」と思うきっかけになりました。
どんな人間関係にも大事な「多様性を認めること」

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――心強い仲間に出会えたんですね。子育て中の方の中には「ママ友はいらない」という人もいれば、「仲間は欲しいけど、うまく付き合う自信がない」という人もいます。子育てがきっかけでできた友人とうまく付き合っていくには、どうしたらいいのでしょうか?
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今ではたくさんのママ友がいますが、実は子どもができるまで、「人と深く関わらず、当たり障りなく」っていう人生でした。そんな私がママ友ができて思うことは、とにかく多様性を認めるということ。これはおそらく人間関係全てにおいて同じですよね。
特に子育てって、本当に人それぞれで。やり方も、大事にしてることも、その家庭によって全然違う。だから「3歳までお菓子はあげない」「うちは1歳半からあげてるよ」など、違いを全部認め、「わたしはこうだけど、あなたのところはそうだよね、全部あり!」っていうのを、人間関係のベースにしておけばいいんです。
理解すれば「意外といいやつ!」も。リアルをさらけ出そう
そして、見栄や意地を張らずに、苦しいときは苦しいということを伝え。助けてほしいときは助けてほしいということを伝える。リアルにさらけ出して付き合うのが一番いいんじゃないのかなと思います。
お母さんにもいろんな人がいて、それまでどういう人生を送ってきたかも子育てに反映してくるなと思います。だから、みんなに煙たがられるような人でも、よくよく話を聞いてみたらちゃんと理由があって、背景を理解すると「意外といいやつ!」と思えたり。どうしてもうまくいかない相手もいますが、必ず繋がれる人は出てくるはずです。
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大変さ・辛さだけじゃない「子育てって幸せ!」って思えるとき

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――書籍の中で、おじさんやおばさん、女子高校生、男子中学生、お年寄りなど、さまざまな年齢立場の方々とのエピソードも語られています。子連れ外出は迷惑をかけるんじゃないかヒヤヒヤの連続ですが、他者の何気ない小さな言葉や行動で救われることはありますね。
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そうですね。私が伝えたいことの一つに「子育てってマイナスな面ばっかりじゃないよ」というのがあります。
どんなことでもそうですが、マイナスの部分を探っていけばいくらでも出てきますよね。それって人間関係――それこそ、夫に対してもそうなんですけど、嫌な面を挙げようと思ったらいくらでも出せます。逆に、その気になれば、良い面もいくらでも引き出せると思うんですよね。
みんなに、育児の負の部分だけでなく、良い面にも目を向けてほしいなと思っています。

子育て中に出会う「ちょっとした表情や何気ない声掛け」
また、今現在子育てしてない人に伝えたかったこともあります。
社会にいる人たちのちょっとした表情や何気ない声かけで、子育て中の私たちは「心の爆弾を取り除く」ことができるんだよということ。
子どもと公共の場へ行くとき、誰かに迷惑をかけるんじゃないか、うるさくさせないように……と、爆弾を抱えたような気持ちでいます。そんなとき、出会う人たちに救われることがあるんです。
なにか特別なことをしてほしいうわけではなく、ほかの誰かのおかげで私たちは「ここにいていいんだ」という自己肯定感を持てるんだということを知ってもらえたらなと思います。そしてこれは、子育てをしてる人たちに限らず、さまざまな立場の人――障害がある方、病気の方、ご年配の方などにも同じことが言えるんじゃないかなと思っています。
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竹田こもちこんぶが考える「子育てとは」

私自身、子育てを通して自分が180度変わったように思います。
それまで自分が大事にしていたものが、子どもによって全部一旦崩されて、改めて「本当に大事なことは何だろう」と。子どもと一緒にいると、本当にいらないもの・余計なもの、人が生きていく上では必要のないもの……いろんな無駄なものがそがれて、シンプルになっていく気がします。
人間は大人になるにつれ、いろいろ経験して汚くなっていく。そうなる前の状態の子どもたちを眺めるということが、大人にとってすごく必要なんじゃないかなと思っています。私は、自分が道を誤らないように子どものそばにいたいと思っていて、もはや、そのための子どもなんじゃないかとすら思うんです。
子育ての不自由さは「花の種」
子育てしていると、今まで感じたことないような不自由をたくさん感じる場面があると思います。でも、この不自由というのは必ず「自分の貯金」となって、いずれ大輪の花を咲かせるような種なんです。
この不自由を逆手にとって、大いに楽しんで子育てしませんか?
苦しいときは愚痴りましょう。どんどん愚痴って溜め込まないでいきましょう!
(文・構成:マイナビ子育て編集部)
皆様、本日も家事育児お疲れ様です。
