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2024年11月01日 16:00 更新

完璧主義?の10歳の息子。怒られることを極端に嫌がり、嘘でごまかすように……<子育て心理カウンセリングルーム>

子育て中のママ・パパの悩みを臨床心理士・公認心理師に相談する『子育て心理カウンセリングルーム』。今回は、息子の性格に関するママのお悩みです。「10歳の長男が失敗を嘘でごまかすようになり、困っている」というその訳は……。

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忘れ物を怒られたくなく、「取られた」と噓をついた息子。ごまかし癖が着いてしまい…

長男10歳のことなのですが完璧主義、というか怒られることを極端に嫌がります。
昨年は学校で忘れ物をした際に先生に怒られるのがいやで「下級生に取られた」と噓をついてごまかしてしまいました。すぐにバレて私にも連絡がきて子供と話し合ったところ、私にはすぐに本当のことを話してくれましたが、後日、本人は校長先生にも指導されたようです。
きっかけとして考えられるのは、小学校2年生の時。
担任に教壇に立たされてクラス中の生徒から身だしなみ(制服のポケットがほつれてる・名札が外れそうなど些細な事)を指摘されたことがあり、そのあたりから体育の授業などでやることは事前に家でも練習したりして、怒られたり笑われるぐらいなら……とかなり努力します。
努力することは良いことなのですが、怒られたときに嘘をついてごまかす癖がついているようで不安です。改善する方法はあるのでしょうか。
(35歳・女性・専業主婦)

■家族構成:自分35歳、夫36歳、長男10歳、次男8歳、三男6歳
■お困り度:★★★★★★★★☆☆

※写真はイメージです

相談者は10歳の長男について悩まれているお母さんです。
長男は人から怒られたり、笑われたりするのを恐れるあまりに嘘をついてしまう。そんな長男の態度に不安を感じていらっしゃいます。

では今回は、長男の嘘をついてごまかす癖を改善する方法について考えてみましょう。

まずは、なぜ長男は嘘をついてしまうのでしょうか?

嘘にもいくつかの種類があるのは、自分自身の経験からも理解することができると思います。相手を騙して利を得ようとする嘘、見栄を張ってついてしまう嘘など、一口に嘘と言っても、様々な嘘があります。長男のつく嘘の意図を考えてみると自己保護の為の嘘と考えられるでしょう。

小学校2年生の頃にクラス中の生徒から身だしなみを指摘されるという恥ずかしい経験をしたことで、心に傷が残り失敗を極度に恐れるようになったのでしょう。そのため、失敗が明かされるくらいならば、嘘をついてでも回避したいという思いに駆られてしまうのは想像に難くありませんね。

では、嘘をついてごまかす癖を治すにはどうしたら良いでしょうか?
それは、長男が「失敗しても辱めを受けることはない」という安心感を持つ必要があります。安心感を持たなければ、ずっと自分を守るために一人で不安に駆られてしまうのです。そこから脱却するためにも、家族が出来ることはなんなのかということを考えてみましょう。

まずは、失敗しない努力をする長男に対して努力を労うこと。そして嘘をついてごまかしたときに、嘘をついたことをいきなり叱らずに、嘘をついてまで回避したいという心に寄り添ってあげてください。そして「私達家族は、あなたを絶対に辱めたりしない」ということを伝えて守ってあげてください。

叱らない教育がすべて良いというわけではありません。しかし、まずは長男にとって家族は絶対的な味方だということを伝えて安心を与えてください。絶対的な安心感を得ることができればきっと長男は家族という安全な場所から飛び立ち、噓をついてごまかさず、ちゃんと社会に挑戦していけるようになります。

子供の心を癒し成長させてあげるには家族が味方であるということが不可欠。ぜひとも長男の心の安全基地になってあげてくださいね。

(文:臨床心理士 石堂 達也/うららか相談室)

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