ストレスからか、乱暴な言葉遣いをする息子の友達。家に遊びに来てほしくない……!<子育て心理カウンセリングルーム>
子育て中のママ・パパの悩みを臨床心理士・公認心理師に相談する『子育て心理カウンセリングルーム』。今回は、子どもの友達関係に関するお悩みです。「小学3年生の息子の友達が乱暴で、一緒に遊ばせたくない」というその訳は……。
脅したり、馬鹿にしたり……。「口が悪い」息子の友達、毎日うちに来るのがストレス
小学三年生の息子の友だちに、発言が乱暴な子がいて困っています。
よくうちに遊びに来てくれるのですが、相手を脅すような発言や馬鹿にする発言をすることが多く、見ていてこちらは不快に感じてしまいます。
また、3人以上で遊ぶ場合に誰か1人を除け者にしようとすることもあり、こちらがフォローしなければならない面も未だに多いです。子どもたちは、その時は嫌がるけどその子のことは友だちとして好いている感じなので、私としては何も言わずに見守ってあげるしか出来ません。
家や学校では優等生タイプの本当にいい子なので、うちでストレス発散しているのかなとも思ってしまいます。親御さんにそれとなく話してみた時も、全然信じてもらえませんでした。
子どもたちがいいなら、私としては一緒に遊ばせてあげたいのですが、毎日うちに来られることで、私のストレスが溜まっています。今日もうちで暴れるのかと思うと、嫌で仕方ありません。
外遊びしてもすぐにうちに来てしまうので、一体、どうしたら良いのかと困っています。
(38歳・女性・小売店/販売職・サービス系)
■家族構成:自分38歳、夫38歳、長男8歳
■お困り度:★★★★★★★★★☆
今回は小学三年生の息子を持つ親御さんのご相談です。
息子の友達が乱暴な言動をしており、親としても不快な気持ちになられているようです。でも子供の人間関係にどこまで口を出していいものか……親としては困りますよね。
何も言わずに見守ることしかできないとお思いかもしれませんが、親が子供の人間関係について意見を伝えても良いのです。
ただし、一方的に「あの子と遊んではいけません」と引き離すだけではいけません。なぜその友達との関係に口を出すのかを、丁寧に説明してあげてください。「私は友達が暴言や馬鹿にする発言をしているのを見て嫌な気持ちになるけど、あなたはどう感じている?」と息子さんとじっくり話し合うことが大事です。
まだ小学三年生で理解できないこともあるでしょう。しかし、息子さんが良い人間関係を自分で選んでいくチャレンジをしていきましょう。
息子さんはこれからの人生で様々な人と出会っていきます。中には嫌な思いをさせられるような人間もいる、それが社会です。付き合っていく人間を選ぶのは自分自身、ということを子供のうちから教えていかないといけないのかもしれません。
また、息子さんとしては友達の嫌な言動に対して距離を置くことがまだできないのかもしれません。そういった息子さんの困った思いがあるのか話を聞いてみましょう。そしてもし困った思いがあるのであれば、どのように伝えたら相手に伝わるのかをシミュレーションしてあげたりすると良いでしょう。
なお、その友達が普段は家や学校で優等生タイプのいい子であるということでが気になります。もしかしたら、日頃溜まったストレスを相談者の家で発散している可能性もあります。余計なお世話になってしまうかもしれませんが、その友達とちょっと話をしてみてもいいのかもしれません。その友達が抱えているストレスを言葉として吐き出し信頼関係を作ることができれば、暴言についても適切な指導が可能になるかもしれませんね。
しかし、このアプローチは労力がいることなので、本来は友達の親や先生方に協力してもらうことが大切です。一人でどうにかしなければと思い込みすぎず、周りに助けてもらいましょう。
(文:臨床心理士 石堂 達也/うららか相談室)