母親が一緒でないと、登校できない小学校2年生の娘。夫は「1人で行かせれば」と言うけど……<子育て心理カウンセリングルーム>
子育て中のママ・パパの悩みを臨床心理士・公認心理師に相談する『子育て心理カウンセリングルーム』。今回は、子どもの登校に関する37歳女性からのお悩みです。「小2になっても、母親の付き添いなしでは学校に行けなくて……」というその困りごととは。
1人で学校に行けない小2の娘。無理強いさせると、道端で泣いてしまい……
長女が一人では学校に行けず、一緒に登校しています。
一年生の時は教室にも入れずに私が付き添っていました。少しづつ頑張って今は登校時のみ付き添っていますが、夫からはもう一人で行かせればと言われます。チャレンジしたこともあるのですが、道端でも大声で泣いてしまうので、結局まだ一緒に行っています。
無理にでも一人で行かせた方がいいのか、本人が自分から一人で行けると言い出すまでは付いて行ってあげるのか悩んでいます。
(37歳・女性・専業主婦)
■家族構成:自分37歳、夫36歳、長女7歳、次女4歳
■お困り度:★★★★★★★★☆☆
お子さんは今は二年生のようですね。二年生になると保護者の送り迎えもめっきり減ってきて、このままずっと登校に付き添っていいのかご不安になることと思います。
質問者様の場合、娘さんは一年生の時は教室にも入れずお母さんがクラスまで付き添われていらしたとのことで、そこから比べると、今は登校時にお母さんが付き添って行けば、教室にも1人で入れるようになり、下校時はお母さんのお迎えが無しでも大丈夫になったということですよね。大きな進歩ですね。
娘さんは大好きなお母さんと離れることに非常に強い不安を感じていたかと思いますが、1年間かけてゆっくりと学校にもお友達にも馴染み、今は学校までお母さんと一緒に行けばそこからは安心して1人で1日過ごすことができるようになったのだと思います。お母さんが1年間毎日娘さんのペースに寄り添って安心させてあげたからこそここまで進んでこられたのですから、お子さんに寄り添っていらしたことに是非自信を持ってくださいね。
今は校門までお母さんが一緒に付いて登校しておららるようですから、次は校門よりほんの少し手前までお母さんがついて行ってあげ、そこからは1人で学校に行くことにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。お子さんにとって、ちょっと勇気を出せば頑張れるくらいの小さな目標を設定してあげて、それができたら沢山褒めてあげてください。
校門より少し手前までお母さんがついて行きそこから1人で行くことに慣れ、お子さんが自信を持てるようになってきたら、今度は校門よりちょっと離れたところまでしかお母さんはついて行かない、というようにして、少しずつ1人で登校できる距離を伸ばしていくのが良いと思います。
大きな不安に立ち向かうことはとても怖いし勇気がいることです。ですから、スモールステップで、少しだけ勇気を出せば頑張れるかな、というくらいの小さな目標からチャレンジして少しずつ段階的に大きな目標に挑戦していくという方法がおすすめです。
これは、お母さんと離れるという分離不安に対してだけでなく、大人でも子供でも、様々な不安に立ち向かう時に有効な方法です。一歩ずつお子さんがチャレンジすることに寄り添い励まし、うまくいった時には一緒にたくさん喜んであげましょう。
周りのお友達と比べて焦ってしまいがちかと思いますが、お子さんの中での成長に目を向けてあげ、お子さんにも自信を持たせてあげてくださいね。応援しています。
(文:臨床心理士 亀井紗代子/うららか相談室)