ライフ ライフ
2024年10月25日 16:00 更新

妻は子ども達のために、夫は家や車に……。お金の使い道ですれ違う夫婦、どうすれば?<子育て心理カウンセリングルーム>

子育て中のママ・パパの悩みを臨床心理士・公認心理師に相談する『子育て心理カウンセリングルーム』。今回は、夫婦の価値観の違いに関する30代女性からのお悩みです。「夫とお金に関する考え方が合わず、離婚も考えている」というその困りごととは。

カウンセリングルームロゴ

夫と価値観が合わず、いつの頃からか会話もなくなって……

夫との関係性の修復のしかたに悩んでいます。
夫とはいつの頃からか口を聞かない関係になってしまいました。私が口を聞かない理由は、何を言っても価値観が合わず相談などをしても平行線で余計にイライラしてしまうからです。
育ってきた環境の違いというのでしょうか、例えばお金を使うタイミングでよく揉める気がします。
・お互い大切にしたいことが違いすぎて、私がお金を使う部分に共感されない(子供に対しての費用を惜しまない)
・夫がお金を使う部分に共感できない(家の外装や車の小さな傷を直す)
などから、今では話すことも疲れ、夫の足音や食べる音、咳払いまでもイライラしてしまう始末です。分かり合えない人と一緒に暮らすことがこんなにも苦痛なものかと感じています。
まだまだ長く結婚生活は続きますし、本当ならばどこかで夫婦仲を改善していかなければと思うのですが、方法が見つかりません。もう離婚しかないのか……悩んでいます。
(38歳・女性・マスコミ・広告/販売職・サービス系)

■家族構成:自分38歳、夫38歳、長男15歳、次男10歳
■お困り度:★★★★★★★★★

※写真はイメージです

一緒に住んでいるパートナーと口を聞かない生活、本当に毎日が重苦しいものだと思います。

何度も話し合いと喧嘩を繰り返しその度に価値観の違いを埋められず、今はもう会話自体を諦めてしまわれておられる様子ですね。どこかで改善していかなくてはという思いもおありとのことですから、離婚せずもう一度夫婦関係を立て直していきたいというお気持ちも残っておられるようですね。

お金に関する部分でご夫婦が揉めやすいということですが、お金を何にかけるかというのはとても大きな問題ですよね。相談者さんは子供に使う費用は惜しみたくない、一方パートナーは家や車など生活を整えることにお金を使いたいのですね。

相談者さんからすれば、何よりも子供たちのためにお金を使ってあげたい気持ち故、パートナーを身勝手に感じるかもしれません。パートナーからすると、自分の生活空間を豊かにするためのお金は譲れないし教育費に多額を投じる必要を感じていないのかもしれません。

お互い自分の価値観が正しく相手の価値観が偏ったものだと感じてしまうと、相手に共感できず衝突してしまいますよね。夫婦で話し合いお互いの価値観の違いを擦り合わせていくことができればそれは理想的だと思います。

でも現実は、お互いが大切にしていることであればあるほど価値観を変えることは難しいです。そこで、夫婦の価値観を統一することにエネルギーを注ぐのではなく『お互い価値観が違うけどそれは当たり前。違いを認めて受け入れていこう』と視点を変えるのも一つの方法です。
今回の場合ですと、
●相談者さんは子供にこれとこれをさせてあげたい。
●パートナーは家の修繕をこれだけしたい。
●お金を出せる額は決まっているため、相談者さんは子供にしてあげたいことの一部は諦める。旦那様も家や車に費やしたいことの一部は諦める。
といった形で、価値観の擦り合わせには焦点を当てず、それぞれが満足できる妥協点を探すことに意識を向けてみてはいかがでしょう。

また、話し合いで解決できれば理想的ですが、会話がヒートアップしお互い感情的になり余計なことを言ってしまうこともあるでしょう。話し合いがうまくいかない時はLINEやメールなど別のコミュニケーション方法を模索してみるのも一つの方法です。相談者さんも、パートナーともう一度良い関係性に戻りたいお気持ちが残っておられるようなら、直接の会話が難しいければラインやメールなどで話しかけてみてはどうでしょう。

そして、価値観の相違などお互い譲れない部分については、お互いの価値観を統一しようとするのではなく、価値観の違いをありのまま受け止め、違う価値観の中でどうやって共に生きていくか、と視点を変えてみてはいかがでしょうか。

(文:臨床心理士亀井紗代子/うららか相談室)

PICK UP -PR-

関連記事 RELATED ARTICLE

新着記事 LATEST ARTICLE

PICK UP -PR-