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2024年11月08日 16:00 更新

落ち着きがない息子。思ったことはすぐに口に出し、お友達を傷つけてしまうことも……<子育て心理カウンセリングルーム>

子育て中のママ・パパの悩みを臨床心理士・公認心理師に相談する『子育て心理カウンセリングルーム』。今回は、息子の行動について母親からのお悩みです。「7歳の次男が落ち着きがなく、困っている」というその訳は……。

カウンセリングルームロゴ

落ち着きのない7歳の息子。周りのみんなは「気にしていない」と言うけれど……

7歳の次男の落ち着きのなさで他人に迷惑をかけていることが気になっています。
思ったことはすぐに口出しお友達を傷つけてしまったり、大事な場面でもじっと出来なかったり……親の知らないところでも他の人に迷惑をかけているのではないかと心配です。
周囲の人はみんな「気にしてない」とは言ってくれるのですが、ヒヤヒヤしてます。
(29歳・女性・清掃業/清掃)

■相談者の家族構成:自分29歳、夫32歳、長男11歳、長女9歳、次男7歳、次女2歳
■お困り度:★★★★★☆☆☆☆☆

※写真はイメージです

お子さんが周りと比べて落ち着きがなかったり、その気はないのにお友達を傷つけてしまっている姿を見ると心配になりますよね。
周りが気にしていないと言っても素直に受け取ることができなかったり、なんとかならないものかと悩んでしまうこともあるでしょう。

7歳という年齢はまだまだ体も脳も発達段階にあり、社会的なスキルも未熟です。そのため、欲求を抑えたり、衝動や感情をコントロールすることが難しいことも多いでしょう。

また、体の感覚が未発達であることが原因となる場合もあります。例えば、体のバランスを取る働きをしてくれる前庭覚※がうまく働かないと姿勢が崩れやすくなりますし、力を加減するときに働く固有覚※が未発達だと物を乱暴に扱ってしまったり、動きが大きくなったりします。
(※前庭覚:体の傾きや揺れ、スピードなどを感じ取る感覚、固有覚:力の入れ方や手足の位置を感じ取る感覚)

こうした年齢的なものが原因となる場合は、年齢を重ねることで落ち着いてくるこが期待できます。

一方で、環境が落ち着かなさの原因となるケースもあります。人混みや騒がしい空間、物が多い部屋など刺激の多い環境はその代表と言えます。こうした環境では、気が散ってしまったり、刺激から逃れるためにその場から離れようとしたり、貧乏ゆすりしたりなどさまざまな落ち着きない行動が表れやすくなります。
反対に、刺激がない手持無沙汰な状況で刺激を求めて落ち着きない行動を取る人もいます。

また、環境そのものの特徴ではなく、引っ越しやクラス替え、兄弟の誕生など環境や状況の変化が原因となることもあります。ある時期から落ち着かなくなったという場合、何かこうした変化はなかったか探してみてください。

ここまで原因として考えられることをいくつか挙げてみましたが、お子さんに当てはまりそうなものはありましたか。

子どもが落ち着かないときはどんなときか、反対に落ち着いて過ごせるのはどんなときか、まずはお子さんの様子を観察してみることで落ち着きない行動をどう理解し、どう対処していったらいいかが見えてくると思います。

思ったことを口にしてお友達を傷つけてしまったときにお子さん自身に傷つけてしまったという自覚はありそうですか。もしないのであればそれは社会的スキルの未熟さからくる可能性があり、相手がどんな気持ちになるか、どんな言葉を使ったらよかったか伝えていくといいでしょう。
もし自覚があるのであればそれは衝動性の問題であり、例えば「メンタルカウント」といって、口に出す前に思っていることを一度心の中で言う練習を重ねたりできるといいかもしれません。

また、じっとしていられないことに関しては環境調整で改善できることはありそうでしょうか。
周りが気にしていないと言うのは、お子さんが外では我慢して頑張れているのかもしれないですし、環境が整っていたり、お子さんに合った良い対応がされていることで落ち着きなさが家ほど目立っていないのかもしれません。学校での様子などを聞きながら、考えられる原因ややってみて良かった対応などを周りと共有していけるといいですね。

また、専門家に相談してみるという選択肢もぜひ持っていてください。実際にお子さんの様子を見てもらうことで気づけることもあるでしょうし、きっと力になってくれると思います。

(文:臨床心理士 おおくぼ まりこ/うららか相談室)

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