自分に有利な条件ばかりを並べるママ友。会いたくないのに、定期的に連絡が来て……<子育て心理カウンセリングルーム>
子育て中のママ・パパの悩みを臨床心理士・公認心理師に相談する『子育て心理カウンセリングルーム』。今回は、苦手なママ友に関するお悩みです。「あるママ友から定期的に連絡が来るのがストレスになっていて、困っている」というその訳は……。
自分本位で、一切譲らないママ友が苦手。避けているのに定期的に連絡が来て……
ママ友が自分本位で困っています。
自分から会いたいと連絡を寄越すくせに、〇日しかダメ、場所も〇〇(自分の行きやすい場所)じゃなきゃ無理、と自分都合の条件を付けてばかりで、こちらの条件には歩み寄りが一切ありません。
そういうのが疲れてしまって、最近は敢えてこちらからは連絡してないのですが、定期的に向こうから連絡が来るのがストレスです。
はっきり言えない自分にも腹が立ちます。どうしたら良いでしょうか?
(31歳・女性・専業主婦)
■相談者の家族構成:自分31歳、夫29歳、長男7歳
■お困り度:★★★★★☆☆☆☆☆
ママ友と一言で言っても、いろいろな性格の人がいますので、お付き合いを続けていくのも大変な場合もありますね。自分本位なママ友さんへの対応に、疲れてしまったのでしょう。
自分から連絡することが増え、相手からは連絡がもらえないことに気が付き、少し様子を見るなどしてくれてもいいと思いますが、それでも連絡が来るということは、よほど相談者さんはそのママ友さんに必要とされているのだと思います。必要とされているとしても、対等で安心できる関係性でなければ、それは一方的に依存されているか、相談者さんの性格を勘違している可能性が高いです。
おそらく、相談者さんは普段からとても優しいお人柄で、受容的な性格だと思われているのでしょう。
たとえば、そのママ友さんの希望と、ご自身の希望が一致せず、こちらの都合を伝えるときに、「多分」、「きっと」、「まだはっきりしていないんだけど」、などと前置きをしてしまうことはありませんか。気配りのつもりでも、ただ迷っているだけと受け取られてしまった場合、じゃあ私が決めればいいわ、と勘違いされてしまうこともあります。
そのようなご自身を否定する必要はありません。でも、もう少しはっきりと発言なさっても大丈夫かもしれませんね。
一方、もし、こちらも無理だとはっきり伝えたときに、そのママ友さんが不機嫌になったり、その後連絡が途絶えるといったことが予想されるのであれば、それはその人が心理的に幼く、確かに自己中心的ですから、そもそも対等な友人関係とは言えません。
必要最低限のやりとりにして、あとは、どれほど懇願されてもお断りしてもいいんですよ。「どうしても都合が合わなくて」、「せっかく誘ってくれて申し訳ないけれど」、などと前置きをしつつ、はっきりと「ノー」を伝えましょう。一般的な感覚をお持ちであれば、それ以上無理な主張はされないでしょう。
お子さん同士のお付き合いもあるでしょうし、お子さんのお友達のご家族に対する不満や愚痴はお子さんの耳に入れるべきではありませんので、できれば表面的な関係は可能な範囲で保つようになさってください。
相手を傷付けるかもしれないとか、嫌われてしまうかもしれない、などと不安になりすぎる必要もありません。一時期お付き合いをしたけれど、お互いを知っていく中で価値観や性格が合わない部分がわかってきて、疎遠になるというのは普通に起こりうることです。
受け容れることだけが優しさではありません。ご自身の本心を大切になさることを第一に、少し勇気を出して、試してみてくださいね。
(文:臨床心理士 大岡 みほ/うららか相談室)