21歳で結婚。「いい奥さんにならなきゃ……とは思わなかったんです」/香椎由宇さんインタビュー【1】
青い紙パックのパッケージでお馴染みのミルクティーを飲みながら、「これ、大好きなんです。こればかりです」と顔をほころばせるのは、俳優の香椎由宇さん。結婚、出産を経て昨年4月放送『恋なんて、本気でやってどうするの?』(フジテレビ系)で約8年半ぶりに連続ドラマにレギュラー出演、本格的に復帰した香椎さんに聞く、結婚のこと。
「結婚について何も知らずに決めたんです(笑)」
ーーそのミルクティー、高校時代にみんな飲んでいました。
香椎由宇さん(以下、香椎) いろんな方からそう言われるので、「あ、そうなんだ」と思いました。私は高校時代をずっと引きずっているのかなって(笑)。
ーーそれって一途ですね!
香椎 一途です。
ーー今回、「新しい私」というテーマでお話を聞きたいのですが、まもなく結婚生活16年目に突入されますよね。2008年に21歳の若さで結婚を決めたことは、それこそ新しい世界に飛び込むような大きな決断だったのではないかと思います。
香椎 振り返ってみると、「決断した」というよりも、ほんとうに何も知らなかったんです。結婚に対するイメージが何もなかったので、できたんだと思います。
いま私は36歳ですが、周りの同級生を見ると、結婚についてもっと真面目に考えています。お金のこと、今後のライフプラン……全部ひっくるめて考えた上でみなさん結婚しているのですごいなと思いますね。
もともと特に結婚願望が強かったというわけでもないのですが、あのときはそうすることがただただ自然な流れだったんだと思います。
ーー結婚すると報告したとき、ご両親の反応はいかがでしたか?
香椎 「あ、そうなの」という感じでしたね。両親にしてみれば、「この子が決めたのなら、何か言ったところで聞かない……」というのがあり、何も言わなかったんだと思います。
ーー信頼されていたんですね。
香椎 信頼なのか、諦めなのか(笑)。
結婚して初めて「自分で自分を背負っていく」責任感が芽生えた
ーー結婚されてもう15年。あっという間でしたか?
香椎 そうですね。結婚後に妊娠、出産、そして子どもたちの成長があり、ほんとうにあっという間でした。
ーー結婚が香椎さんにもたらしてくれた「よい変化」って、どんなことですか?
香椎 そのタイミングで実家を出て、初めて自分で生活することになったのが、いちばんよかったことですね。それまでは常に親が助けてくれたし、私も甘えていましたが、やっと自分で自分を背負って生きていかなきゃいけないという自覚が持てるようになったんです。
ーー夫婦で新しい家庭を築くにあたって、新しく決めたルールなどはありましたか?
香椎 まったくないです。私は仕事をしながら大学にも通っていたので、登校して、仕事に行き、帰ってくるーーの繰り返しで、「ちゃんと家のことをやらなきゃ」「いい奥さんにならなきゃ」とは思わなかったし、私自身もできるとは思っていませんでした。向こうも、それを期待している感じはしませんでしたね。
ドラム式乾燥機で初めてニットを洗ったら……
香椎 ここ最近結婚をした同級生たちからは、やっぱり「家事分担とか、ちゃんとすり合わせてから結婚するよ」という話をよく聞きますが、それぞれ大人としてひとりで生活をしていた者同士がする結婚と、実家暮らしの私みたいな人がぽんっとする結婚とは、ちょっとパターンが違うのかなと思いました。
ーーということは家事の分担はどうされていたのでしょうか。
香椎 それこそ私、初めてドラム式洗濯機を回したときに、乾燥機にかけた服をものすごく縮ませてしまったんですよ。赤ちゃんの服みたいに縮んでしまって(笑)。
ーーそんなことがあったんですね!(笑)
香椎 それで「ほんとうに何もできないんだな」というのがわかったようで……。年が離れているのもあって、夫からは生活の仕方をいろいろと教えてもらいました。
香椎由宇さん/俳優
1987年2月16日生まれ、神奈川県出身。2001年にデビュー。2005年の主演映画『リンダ リンダ リンダ』をはじめ、さまざまなドラマや映画作品で活躍。2022年に『恋なんて本気でやってどうするの?』(フジテレビ系)で8年半ぶりに連続ドラマレギュラー出演。2023年は『Dr.チョコレート』(日本テレビ系)で物語の鍵を握る女性を演じるなど、活動の場を広げている。
=========
衣装協力)
コート¥44,000(AMERI/Ameri VINTAGE)
タートルネック¥15,400 シャツワンピース¥48,400 スカート¥39,600(レキップ)
ピアス¥71,500 リング¥305,800(マリハ)
(スタイリスト:後藤仁子 ヘアメイク:神戸春美 撮影:松野葉子 取材・文:有山千春)