世界30カ国中、日本人の幸福度は28位と低い結果に。人生で最も満足しているのは「自分の子供」
物質的豊かさが十分あり、治安も良く、健康に暮らすことができる……これが一般的な日本のイメージではないかと思います。では、日本人はどのくらい幸せを感じているのでしょうか? 今回は、グローバル企業であるイプソス株式会社が、日本を含む30カ国で実施した「幸福感調査」をもとに、特に日本人の幸福感にかかわる部分を見ていきます。
日本を含む世界3カ国、23,000人超に調査
1975年にフランスで設立され、世界90カ国に自社拠点をもつ世界最大規模の市場調査会社イプソス株式会社が今回、日本を含む30カ国で23,269人を対象に「幸福感調査」を実施。その結果、日本人の幸福感は世界的に見てかなり低いことが分かりました。
日本人の幸福度は30カ国中28位
幸せか、幸せではないかを聞いた設問に対し、日本で「幸せである」と回答した人の割合は57%でした。これは、調査を行った30カ国中28番目という低さで、トップのオランダ(85%)からは28ポイント、30カ国平均値(71%)からも14ポイント低くなっています。
日本の結果を年次推移でみると、前年よりもやや下がっており、調査を開始した2011年の70%から比べて13ポイント減少していることが分かりました。
最も幸福感が強いのは「ベビーブーマー世代」
次に、日本の回答者のうち、「幸せである」と回答した人を世代別で見てみると、最も多かったのは「ベビーブーマー世代」で66%でした。ちなみに日本で言う「団塊の世代」(1947年~49年生まれ)はこのベビーブーマー世代に含まれます。以下、「Z世代」(62%)、「ミレニアム世代」(53%)、「X世代」(49%)となっています。
X世代は現在40~60歳程度の人々ですが、子育てや夫婦関係、さらに親の介護の悩みなども出てきやすい世代であることから、より幸福感を感じにくくなっているのかもしれません。
なお、この結果は他の国でもほぼ同様の傾向が見られました。
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※本調査における世代区分
ベビーブーマー世代:1945年から1965年生まれ
X世代:1966年から1979年生まれ
ミレニアル世代:1980年から1995年生まれ
Z世代:1996年から2012年生まれ
人生で最も満足しているのは「自分の子供」
では、自分の人生の中で満足している事柄にはどんなものがあるのでしょうか。
30項目についての満足度を聞いた結果、「満足している」と回答した人が最も多かったのは、「自分の子供」で75%でした。次いで「パートナー/配偶者との関係」(69%)、「自分がアクセスできるニュースおよび情報源」(68%)、「自然にアクセスできる/触れることができる」(63%)と続いています。
一方、満足度が最も低かったのは「自国の経済状況」(21%)でした。
これを他国と比較すると、全体的に日本の満足度は低く、たとえば「自分の子供」を見ると、30カ国の平均は84%で、日本の75%は最下位となっています。「自分の子供」以外にも、日本は30項目中、「恋愛/セックスライフ」「友達」「両親、兄弟姉妹、いとことの関係」「愛されているという感覚」「評価されているという実感」「自分の人生をコントロールできるという感覚」「自国の経済状況」「自分の見た目」など、計17項目において最下位という結果でした。
まとめ
今回の結果から、諸外国と比べて日本人の幸福感の低さが浮き彫りとなりました。世代で見ると、現在40~60歳にあたるX世代が最も幸せを感じられていないこともわかりました。また、項目ごとに満足度を見た結果は、「自分の子供」がトップでした。30カ国の平均でも「自分の子供」がトップとなっているので、子供に対する満足が高いのは世界共通といえそうです。皆さんは普段、どのくらい幸せを感じられていますか? 今回の調査結果を参考に、自分ならどう回答するのかを考えてみるのもよいかもしれませんね。
(マイナビ子育て編集部)
調査概要
■2024年イプソスグローバル「幸福感調査」
調査方法:イプソス グローバルアドバイザー調査プラットフォーム 、IndiaBus プラットフォームを使用したオンライン調査
調査対象:世界30カ国(日本、韓国、インド、オランダ、メキシコ、インドネシア、ブラジル、タイ、アイルランド、マレーシア、ニュージーランド、英国、シンガポール、ベルギー、アルゼンチン、米国、ポーランド、オーストラリア、フランス、カナダ、コロンビア、スペイン、南アフリカ、チリ、ベル―、スウェーデン、ドイツ、トルコ、イタリア、ハンガリー)、23,269人
調査時期:2023年12月22日~2024年1月5日