【助産師解説】赤ちゃんが「遊び飲み」して困る!時期と原因、ママの対策
おっぱいを飲みながら「ニヤニヤ」「キョロキョロ」、時にはぺたぺた触ったり噛んだりしておっぱいで遊び始める赤ちゃん。そんな「遊び飲み」はなぜ起こるのでしょうか。集中して飲んでくれない問題を解消する方法について、助産師がアドバイスします。授乳時間が長すぎて困っているというママ、ぜひ参考にしてください。
授乳中、遊ぶ赤ちゃん!! 遊び飲みはあった? ~ママアンケート~
子育て中のママたちにアンケート調査を行ったところ、34%のママが「赤ちゃんが遊び飲みしたことあり!」と答えました。
遊び飲みとは?主な行動と見られる時期
ある時期になると始まることがあるとされる「遊び飲み」。具体的にどのような行動で、なぜ起こるのでしょうか?
遊び飲みってどんな状態?
赤ちゃんが母乳やミルクを飲むことに集中せずに、遊びながら飲むことを俗に「遊び飲み」と言ったりします。これは周囲のものに興味を示し始める頃に、周りが気になって授乳に集中しなくなることで起こるといわれます。
遊び飲みの様子としては、以下のような行動が見られることが多いです。
・授乳の途中で急にキョロキョロと周囲を眺める
・ニヤニヤ笑っていて、なかなか母乳を飲んでくれない
・授乳中に急に飲むのをやめたり、のけぞる
・授乳中にママの乳房を触って遊ぶ
・授乳中に乳首を噛む
遊び飲みをするのはいつからいつまで?
遊び飲みは、周囲の物や音に興味を持ち始める生後3~4ヶ月頃から始まることが多いようです。
ただ、時期には個人差があるので、これより早く始まる子もいれば、遊び飲みをせずに卒乳する子もいます。また、授乳期間中ずっと遊び飲みをする子もいれば、時々する子、いくつか対策をすると遊び飲みをしなくなる子と、パターンや期間も赤ちゃんによりさまざまです。
遊び飲みが始まったらどうする?主な要因と対策
遊び飲みは成長の過程で往々にして見られることで、決して珍しいことではありません。多くの赤ちゃんが通る道なので、心配したり神経質になる必要はないでしょう。
とはいえ、遊び飲みをするとなかなか授乳が進まなくなるので、いつまでも飲んでくれず授乳時間が長くなってイライラ……ということも。かといって授乳をやめるわけにはいかないので、ママは頭をかかえてしまいますよね。
できるだけ遊び飲みをしないようにしたり、飲むことに集中させるにはどうすればいいのでしょうか?
「テレビ」や「歯」も遊び飲みの原因に
前述のように、遊び飲みは周囲のことに興味を持ち始めることで始まります。そのため、授乳中にテレビの音や人の声などがすると、興味が移ってしまって授乳に集中できないことが多いです。
また、この頃には以前より視力がよくなるため、見えるものも気になってきます。周囲に気になるものや景色があると、やはり授乳に集中できなくなるでしょう。
この他、歯が生え始める刺激が気になって飲むことに集中できなくなることもあるようです。歯が生える時期には個人差がありますが、生後6~8ヶ月頃から生え始めるので、時期によってはこれが要因となっている可能性もあるでしょう。
外からの刺激をシャットアウト、それでもダメならば……
遊び飲みをしないようにするには、授乳中は赤ちゃんの関心がいくものをできるだけ排除することが大切です。たとえば、以下のような対策で授乳に集中できる環境を作ってみましょう。
・テレビやスマホは電源をオフにする
・窓や扉を閉めて周囲の音をシャットアウトする
・パソコンやスマホをいじりながら授乳をしない
それでも遊んでいてなかなか飲まないときは、一度授乳を切り上げてしまいましょう。一緒に遊ぶなどして雰囲気を変え、ママも赤ちゃんも気分転換してください。少し時間を置き、タイミングを見てまた授乳を再開してみましょう。
本当にお腹がすいているときは、たとえ興味があることがあっても赤ちゃんはまずお腹を満たすことを優先します。飲むまで授乳を続けようとすると疲れてしまうので、飲まないときはそれほどお腹がすいていないと判断し、さっと切り上げることも大切です。
また、赤ちゃんは眠たいときにより集中して飲むことが多いようなので、眠たそうなときに授乳する方法を試してみてもいいかもしれません。
まとめ
周りの景色や物音に興味を持ち始める生後3~4ヶ月頃になると、遊び飲みが始まることがあります。飲むことに集中してくれないと授乳時間が長くなってイライラしてしまうかもしれませんが、遊び飲みは赤ちゃんの成長過程のひとつなので、しょうがないことと割り切ってしまいましょう。
できるだけ授乳に集中できる環境作りを工夫しながら、上手に乗り切ってください。本当にお腹がすいたり喉がかわいているときはしっかり飲むものです。
あまり心配することはありませんが、栄養状態が気になるときは排泄の回数や量、体重の増え方をチェックし、問題があるときは医療機関を受診しましょう。
(文・構成:マイナビウーマン編集部、監修・解説:坂田陽子先生)
※画像はイメージです
水野克己著「笑顔で子育てあんしん赤ちゃんナビ―6か月(はじめ)よければすべてよし!」(メディカ出版)
※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、助産師の監修を経た上で掲載しました
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます