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2024年08月10日 20:15 更新

夏期講習から中学受験塾へ通うのはアリ?気を付けることは?│中学受験塾のトリセツ#41

夏休みのタイミングで塾に通いはじめてみようかな。中学受験専門塾への入塾を考えるご家庭に向けて、塾の夏期講習とはどんな授業内容なのか・スケジュールはどんな風に進むのかなどお伝えします。夏期講習から塾に通う「メリット」「注意点」も知っておくと安心ですね。大手塾講師であり、自身も受験生の母である天海ハルカさんが解説します!

夏期講習から塾へ通うメリット、デメリットは?

塾へ通い始めるのは学年が切り替わる2月が多いと思いますが、夏もひとつの大きな切り替え時期。

生活リズムをつけやすいなどのメリットがあるため、夏期講習から塾へ通い始めるのはアリだと思います。

とくに、夏期講習中も平常授業の延長でカリキュラムが進むタイプの塾では、少しでも早く通塾を始めたほうが身につくものも増えるでしょう。

ですが、低学年のお子さんや、夏休み中は復習がメインである塾の場合は、夏期講習明けの9月からでも良いですね。

今回は夏期講習から塾へ通うメリットと、注意点についてお話しします。

夏期講習には2タイプある

中学受験塾の夏期講習には大きく分けて2つのタイプがあります。

授業の内容が平常授業の続きである「延長型」と、復習などがメインで平常授業とは別カリキュラムの「独立型」です。

3年生までは、どちらの型でも急いで通い始める必要はありません。

4~5年生は、延長型の塾なら通い始めるのは早いほど良いでしょう。

独立型の塾は、夏休みの過ごし方としてメリットを感じるなら通ってもいいですが、無理して行かなくても良いというのが私の考えです。

本格的に通塾をスタートした後の夏休みは、夏期講習で忙しくなってしまいます。旅行や帰省などにあてられる時間が取りづらくなるため、今のうちに楽しんでほしいと思います。

6年生に関しては、塾のタイプがどちらの場合も夏期講習から参加してほしいです。

夏期講習後は、過去問に手をつけるなど完全受験モードになるため、勉強面に加えて精神面でも早くから通ったほうが安心だと思います。

夏期講習から塾へ通うメリット

夏期講習から塾へ通うメリットは、早く勉強に取りかかれることだけではありません。

平常よりスケジュールが楽

夏期講習は夏休みに行われるため、学校から帰ってすぐに塾へ行かなければならないという気忙しさがなく、心に余裕を持って過ごせます。

平常授業では学校から帰ってさっと軽食をとり急いで出発したり、塾が終わって遅い時間から学校の宿題をさせたりと大変なんですよね。

新しく塾へ通い始めるときは、親子ともに環境の変化についていくだけで手いっぱいになりがちです。

通塾だけに専念できる状態で、塾に慣れてから学校との両立を考えられるという点では、夏期講習はスタートに適した時期と言えるでしょう。

夏休みの生活リズムが整う

夏休みは学校がないため、生活リズムが崩れやすいもの。

毎日遅くまで起きてこず、だらだらテレビを見て、勉強は後回しという我が子の姿に親はイライラ……というのは我が家だけではないでしょう。

夏期講習の授業時間は毎日同じなので、通塾すれば時間を意識せざるを得なくなり、生活リズムを整えやすくなります。

塾の予習復習があることで家でも勉強する習慣が付き、夏休みの宿題にも取りかかりやすいという子もいるでしょう。

私が講師という立場だからという理由もあるかもしれませんが、塾で学校の夏休みの宿題の話になると、「何もしていない」より「もう終わった」と自慢する子が多いんですよね。

もちろん塾やクラスにもよるでしょうが、ある程度勉強をしている子たちには「宿題は早く終わらせることが良いことである」という雰囲気があるように感じます。

夏期講習は一気に授業が進む

平常授業からカリキュラムが続いている延長型の塾では、夏期講習で一気に授業が進みます。

たとえばSAPIXの4年生理科の場合、平常では月に4コマ授業がありますが、夏期講習は8コマがカリキュラムに組まれています。

早稲田アカデミーの5年生算数の場合は、平常では月に8コマの授業が、夏期講習は18コマに。

夏期講習は平常の2ヶ月分もの授業が進むと考えれば、受けたかどうかで差がつく可能性は大きいでしょう。

もちろん受けなくても受験には間に合うようカリキュラムは組まれていますが、受けないよりは受けたほうが安心ではありますよね

夏期講習から塾へ通うときに気をつけたいこと

夏期講習からの塾通いにはメリットだけでなく、注意したいこともあります。

塾と予習・復習の両立が必要になる

夏期講習も、授業に参加するだけでなく予習や復習が必要です。

授業が午前のみだったとしても、帰ればまるまる自由に過ごせるというわけではありません。

午前に塾で授業を受け、午後は翌日の予習やテストの準備が必要になる日もあります。

授業以外も時間が取られるため、夏休みの家族のスケジュールは少し余裕を持って考えておきましょう。

連続授業で疲れやすい

4年生を例にとると、多くの塾の平常授業は週2回で、月・水など授業日は連続しません。

一方で夏期講習は、3日間連続で授業日ということも多く、バタバタと忙しい日が続きます。

さらに塾によっては一日の授業時間が平常授業の2倍になり、塾で昼食をとるというところもあります。

夏は暑さもあって消耗が激しい時期。夏バテも含めて健康、精神の両面をケアしてあげたいものですね。

学校の宿題も忘れずに

塾へ行き予習復習もこなしていると、夏に必要なタスクをこなしていると思いがちです。

「この夏は塾を頑張った!」と思っていたら学校の宿題は手つかずだった……なんてことにならないよう、学校の宿題やスケジュールにも気を配りましょう。

とくに読書感想文や自由研究など、ドリル系以外の宿題は、夏期講習後にやろうと考えてしまい忘れやすいんですよね。

我が家でもドリル系はすぐ終えたのに、習字は夏休み最終日に思い出して、慌てて取り組んだという失敗経験があります。

夏期講習後から塾に通う場合、夏休みにやっておきたいこと

夏期講習後の9月から塾へ通い始める場合は、夏休みの過ごし方が重要です。

入塾後、スムーズに授業に入れるよう準備ができると良いですね。

1学期の復習をしっかり

4年生以降の中学受験塾は、少しずつ勉強内容を先取りします。

夏休みの間に、学校で1学期に学んだ内容をしっかりと身につけておきたいものです。

具体的には、学校のテストで間違えたところを解き直したり、苦手な分野を学び直したりしてください。

繰り返し使えるドリルがあるなら、しばらく触れていない単元を改めて解いてみるのも良いでしょう。

時間が経つと知識や解き方は忘れるものなので、しっかり復習して定着を図ります。

計算や漢字をこれでもかというくらいやっておく

入塾後のことを考え勉強するなら、先取り学習よりも基礎固めを優先してください。

算数や理科の新しくて難しい計算方法も、基本の計算力があってこそですからね。

漢字力は国語の読解はもちろん、社会の解答力にも繋がります。

先取り学習は必須ではありませんが、同じ学年の漢字は先取りして学んでおいても良いですね。

学校と塾では学ぶ順番が違うため、学校では勉強していない漢字が塾では学習済みということも考えられます。

社会の用語は漢字で書かなければならないことが多いので、たとえば都道府県や有名な地名などの漢字を練習しておくのも有効です。

基礎や復習は地味だと感じる子もいるかもしれませんが、基礎力は入塾後にその重要性を実感すると思いますので、頑張ってみてください。

夏期講習から始める塾通いは得るものが大きい

夏期講習から始める中学受験塾はアリです。

メリハリのある夏休みを過ごせるなどメリットは多いので、検討しているならぜひ始めてみてください。

とはいえ、時期は未確定でも塾に通うことが決まっているなら、夏休みを他のことに使うのも有意義でしょう。

とくに低学年では、家族との夏の思い出を優先するのもとても良いと思います。

学年が上がると、夏期講習の日程はどんどん厳しくなって、なかなか家族の時間を取ることも難しくなってきます。

お子さんやご家庭にとって有意義な夏が過ごせますように!

中学受験ナビの連載『塾のトリセツ』の記事を、マイナビ子育て編集部が再編集のうえで掲載しています。元の記事はコチラ
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