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2024年08月29日 16:14 更新

本選びは難しい……「〇年生向け図書」は参考にならない!?|読書好きの子どもを育てる!”ささる”本の選び方 #1

これまでうちの子が本を読まなかったのは、親の「本選び」が間違っていたから?1日2時間の動画が1日2冊の読書になると話題の書籍『東大発!1万人の子どもが変わった ハマるおうち読書』から、子どもがハマる本の選び方を全5回に分けてお伝えしていきます。読書を通じて、お子さんの将来に役立つ読解力や表現力を磨いていきましょう!

「レベル」と「好み」を見極める

子どもが読書を好きになれるかどうか。

それは、本選びにかかっているといっても過言ではありません。
読書家への扉はいつでも、お気に入りの1冊との出会いによって開かれるからです。

難しそうと思いつつも読みはじめてみたら、意外と楽しく読破できて、「ぼくもやればできるんだ!」と達成感を味わえた。

たまたま読んだ本の中に自分が大好きな世界が広がっていて「本ってこんなにおもしろいんだ!それならもっと読んでみたい!」とワクワクした。


そんな経験をすると、遠くに感じていた本の存在がぐっと身近なものになります。

本の内側には、まだ知らないワクワクするような世界が広がっている。
そして自分は、その世界に入りこんで味わうのに十分な力を持っている。

そんな実感を持てたなら、本への関心はどんどん高まっていくはずです。

では、そうした1冊に出会うためには、一体どうすればいいのでしょうか。

そこで手がかりになるのが「レベル」と「好み」という2つの軸です。
「レベル」も「好み」も、子どもに合ったものを選ぶことが重要です。

レベルを見極める

子どもは日々成長していきます。そのため、成長の段階にぴったりフィットする本を選ぶことが非常に重要です。

たとえば、習っていない漢字や知らない難しい言葉にぶつかると、とたんに難しく感じるから。
特に、読書に慣れていない子どもにとって、本はそもそもハードルの高いものです。
加えて、背伸びしないと読めないような難しい本であれば、すぐに閉じたくなってしまいます。

また、オチの部分にわからない言葉があったためにオチが理解できず、好みに合っているはずの本なのにとてもつまらなく感じてしまうこともあります。

レベルが合わない本を読むことで難しさやつまらなさを感じ、子どもは読書嫌いになってしまうのです。

好みを知る

子どもには、一人ひとり好みがあります。その好みにぴったりと合う本に巡りあえば、読書のおもしろさに目覚める可能性は高まります。

本のジャンルがファンタジーなのか、学園ものなのか。登場人物の性格が好奇心旺盛なのか、クールなのか……。そうした特色が読者の好みに合っているかどうかは、読後の満足度に大いに影響を与えます。

同じ本を読んだところで、子どもによって感じ方が違うのは当然のこと。人気の本だからといって、すべての子どもの心に響くわけではありません。好みを意識して本を選んだほうが、楽しさを感じやすくなるのです。

そこで必要となる読書教育は、子どもの「レベル」と「好み」を見極めるお手伝いをすること。そうして子どもとの相性がぴったりな本と出会えるようにすれば、読書家の扉は開きやすくなるのです。

「〇年生向け」をあてにしない

本選びをはじめるにあたって、まずはレベルについて考えていきましょう。

どうすれば、子どもに合ったレベルの本を見つけられるのでしょうか。
レベルの判断に迷ったときに頼りにしがちなのが、子ども向けの本にときどき書いてある「〇歳向け」「〇年生向け」という表記です。

しかし残念なことに、その表記通りに本を選んだところで、読書が苦手な子どもの場合は特にレベルが合わないことがよくあります。

たとえば、3年生の主人公が登場する本に「3年生向け」と書かれているのはよくあることですが、その本が主な読者として想定しているのは「読書が好きで本を読むのが得意な3年生」です。

つまり「読書がそれほど好きではなく、本を読むのが苦手な3年生」にとっては、難しすぎる場合が多いのです。

ではここで、想像してみてください。

読書が苦手な3年生が、「『3年生向けの本』だから読みなさい」といって興味もない本を押しつけられると、どうなるでしょうか。
難しすぎて理解することもできず、退屈さや不快さだけを味わうことで、読書への苦手意識がますます強くなってしまうはず。
そうして読書に対するネガティブなイメージを持つと、本との距離はますます開いてしまうでしょう。

子どもは一人ひとり、体の成長速度が違います。それと同じように、読む力の成長速度にも個人差があります。
3年生の頃には平均よりも身長が低かった子どもが、6年生になるとクラスの誰よりも高身長になっている……ということもあり得ます。
読む力の成長にも、同じことがいえます。

3年生のときには「3年生向けの本」が難しすぎて読めなかった子どもが、読書経験を積んで6年生になると「6年生向けの本」をスラスラと読めるようになっていたりするのです。

たとえ読む力の成長が遅くても、それは読む才能がないせいではありません。
読む力は、何歳からでも高めることができます。
そのときどきのレベルに合った本を読み続けていけば、それが栄養となって読む力は伸びていくのです。

※この記事の本文は、書籍『東大発!1万人の子どもが変わった ハマるおうち読書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)からの抜粋です。

出典: https://www.amazon.co.jp

中学受験ナビの連載『読書好きの子どもを育てる!”ささる”本の選び方』の記事を、マイナビ子育て編集部が再編集のうえで掲載しています。元の記事はコチラ

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