美しい表情の人が“やっていない”4つのことって? 世界的フォトグラファーが解説|美しい表情#1
自分が写った写真を見て「え、私ってこんな顔してた!?」とびっくり&がっかりした経験、ありませんか?
世界的フォトグラファーであるジョー・モリヤマさんは、世界中の著名人を含め2万人以上のポートレートを撮影してきました。そんな彼が説く“表情と魅力の方程式”について、著書『美しい表情は人生を変える』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)よりお届けします。
今回のテーマは「美しい表情の人がやっていないこと」。4つあるというその内容とは――
はじめまして、ポートレート写真家のJoMoriyama(ジョー・モリヤマ)です。
僕はこれまで、世界各国の著名人やプロのモデル、一般の方々から秘境の部族まで、たくさんの人々のポートレートを撮影してきました。街中で知らない人にカメラを向けることもあるし、プライベートな仲間たちを撮影することもあります。その数は、のべ2万人になります。
良いポートレートは、写真を通して見る人に感動や共感を与えます。単に撮られる人の姿を写真に収めるだけではありません。その人が一瞬見せる自然体の表情や、内面の美しさが表れた表情を切り取り、写真に収めることが大切です。
僕はそうやってポートレートを撮り続け、キャリアを築いてきました。
僕が重要視しているのは、写真に関してはあまり知識のない一般の方にも「良い写真だな」と感じてもらえる写真を撮ること。写真の専門家から高い評価をもらうよりも、「写真のことはよくわからないけど素敵ですね!」と言ってもらうほうがずっと嬉しいんです。
そしてそんなふうに言ってもらえる写真には必ず、「万人に共通する表情の力」があることに気づいたのです。
面白いことに、顔のつくりや人種、文化や習慣、お国柄の垣根を飛び越えて、人が美しいと思う表情は「万国共通」です。たとえ地球の裏側の、まったく異なる常識で生きている人々の中に飛び込んでいったとしても、「素敵な表情だな」と思う感覚は同じなんですね。
世界基準の美しい表情の定義
誰もが魅力を感じ、美しいと思う表情は「万国共通」だという話はすでにしましたが、どういう表情が美しいのかを知るために、僕の考える美しい表情をしている人が「やっていないこと」をお伝えしましょう。
それは、つぎの4つです。
1. 表情に力が入っている
2. 眉間にシワを寄せる
3. 口角が下がっている
4. 芝居がかった大げさな表情をする
これらを「しない」ことで「美しい表情」が生まれます。その仕組みは、
1. 力が入っていない→自然体でいられる
2. 眉間にシワを寄せない→不安(ネガティブなイメージ)を感じさせない
3. 口角を下げない→ほどよい自信をのぞかせる
4. 芝居がかった表情をしない→周囲との協調性を乱さない
ということです。
つまり、言い換えると「世界共通の美」は、「自然体でポジティブで、そして程よい自信と協調性のある人」から醸し出されるものだと言えます。
表情が印象的なあの人
「表情」が素晴らしい人として僕の頭にすぐに思い浮かぶのは次の方たちです。みなさん、僕の考える「世界基準の美しい表情」を身につけています。一人ずつ紹介しましょう。
榮倉奈々さん(女優)
初めてお会いしたのは、彼女がデビューした14歳くらいの頃。屈託のない笑顔が最高にかわいらしくて、その愛らしい笑顔は今も変わりません。
キャリアを積み、また母親にもなり、ほどよく自信を身につけたことで、少女の頃には見せなかったような深みのある素敵な表情も見せてくれるようになりました。
島田順子さん(デザイナー)
世界を舞台に活躍しているデザイナーの島田順子さん。
子どものような無邪気さと、大人ならではの協調性や思いやりを持っていて、それが周囲の人を幸せにする表情につながっています。表情が素敵なのはもちろんのこと、醸し出す色気とさりげない気遣いが素晴らしい! 人に会う前に、こっそりとリップを塗って、香水をひと振り。そんなしぐさも可愛らしいんです。
SAWAさん(モデル)
『美しい表情は人生を変える』のカバーモデルも務めてくれたモデルのSAWAさん。撮影のときはいつもフォトグラファーのリクエストに応じて変幻自在な表情を見せてくれますが、彼女の表情からは「つくり込み」や「わざとらしさ」というものが一切感じられません。
それは彼女の中にある「ありのままを見られてもかまわない」というほどよい自信から生まれるものだと思っています。
安藤和津さん(エッセイスト・コメンテーター)
たくさんの著書を出している安藤和津さん。講演会では、親しみやすい表情をパッと浮かべて、あっという間に観客席の人たちとの距離を縮めます。
大きなお嬢さんがお二人も、さらにお孫さんまでいるとはとても思えない、いつまでも少女のような笑顔が素敵です。一方で、どんなことが起こっても、どんな言葉を投げかけられても動じないような、肝の据わったところもあります。その余裕のある表情もとても魅力的な人です。
サラ・ジェシカ・パーカーさん(女優・プロデューサー)
テレビ、舞台、映画と幅広く活躍する女優であり、映画プロデューサーのサラ・ジェシカ・パーカーさん。
僕は女優さんを撮影するとき、映画監督のマネをしてポーズを提案することがあります。そうすると、中には「どんなポーズを要求されるのだろう?」と身構えてしまう人もいます。しかし彼女には最初から、どんな提案も100%受け入れてくれるようなポジティブな姿勢を感じました。
そのポジティブな気持ちは、みなさんもよくご存知の、大きな口を開けたキュートな笑顔によく表れています。僕はよく「50代の女性は金木犀」と表現しますが、まさに彼女の笑顔には煌めきが溢れるような魅力があります。
彼女たちに共通するのは、「自然体でポジティブで、ほどよい自信と協調性」があること。それが僕の考える世界のどこでも通じる「世界基準の表情の美しさ」を生み出しています。世界基準の表情の美しさは、場所や時代で変化する「美しさの基準」を簡単に飛び越えてしまうのです。
▶︎続きは書籍で!
島田順子さん、榮倉奈々さんも推薦! 写真の中の自分も、リアルな自分も好きになれる、これまで知らなかった自分の新しい表情が見つかる一冊です。