簡易トイレ「1日5~8回×一週間×家族の人数分」持ってる? 本当に備えておきたいものを厳選「危機備えバッグ&ポーチ」とは
9月10日、かぜ薬ブランド「ジキニン」と「ゆとりうむプロジェクト」による『日常の危機備え』メディアセミナーが開催されました。
ジキニン×ゆとりうむプロジェクト
「ゆとりうむプロジェクト」は、時短ではなく時間のゆとりをうみだすことを目指しています。ジキニンで知られる全薬工業は、9月29日(急(9)に(2)来(9)る)の「かぜ備えの日」にあわせ、急な体調不良にみまわれても“ゆとり”を持てるよう、日頃から必要なものをわかる形で備えておくことを推奨しています。
三年目となる今年のテーマは、「日常の危機備え」。ちょっとした体調不良や住まいのアクシデント、急な残業による計画変更など、日常のあらゆるシーンで小さなピンチ・トラブルに出くわすことってありますよね。
トークゲストで二児の母・前田有紀さん(株式会社SUDELEY 代表/フローリスト/元テレビ朝日アナウンサー)が「日常のピンチ」と聞いて真っ先に思いつくのは、やはり子どものこと。
夫婦共働きで7歳と4歳の男の子を育てていますが、子どもが体調を崩して急いで園まで迎えに行かなければならなくなることや、仕事が予定より長引いて大慌てで家路を急ぐことは日常茶飯事。「周りの人たちに助けられながらなんとかやっています」と話しました。
また、日本では地震や台風などによる災害も相次ぎ、防災の観点からも備えの意識はますます高まっています。
ゆとりうむプロジェクト理事で料理研究家・防災士の島本美由紀さんは、「防災グッズを買い求める方が増えている」といい、一時期はECサイトでも簡易トイレが品切れに。
実はこの夏、家族で鹿児島県を旅行していた際に日向灘地震が発生し、大きな揺れを体感したという前田さん。「簡易トイレは何個用意しておけばいいのですか?」と聞くと、島本さんの答えは「1人当たり1日5~8回×一週間×家族の人数分」で、思った以上にたくさんの備えが必要なことに衝撃を受けていました。
簡易トイレだけでなく、飲料水や食料も、慌てて買おうとしたときには商品が売り切れている可能性もありますし、“買占め”現象は良いこととは言えません。そこで島本さんが重要だと説くのは「フェーズフリー」。災害が起きたときのためだけに特別な準備をするのではなく、日常的に使っているものを日頃から少し多めに備えておき、災害時に役立てるという考え方です。
たとえば食品のローリングストック。島本さんは「災害だけでなく雨が降った日とか、ちょっと今日は体調が優れないな、という日常のピンチにも助かる。普段から食品をストックして、賞味期限の近いものから順番に消費し、なくなる前に補充していく習慣にしておくと、いざというときに助けになる」とすすめました。
このとき大切なのは、「家族や自分が好きなものを選んでおく」ということ。非常時も自分の好きなものを食べられると安心感がありますよね。
「危機備えバッグ」を作ろう!
もうひとつ重要なのは、自分にとっての「危機備えバッグ」を作っておくこと。自宅に置いておく防災リュックだけでなく、職場や車の中に置く「置き備えバッグ」と、バッグに入れて持ち歩く「持ち備えポーチ」があると、外出時のピンチにも対応できます。
置き備えバッグ
職場や車の中に置いておきたい「置き備えバッグ」は、体調不良時はもちろん、被災時にもそのまま持ち出せるような備蓄セットを。バッグは中身を取り出しやすく補充もしやすいトートバッグがいいでしょう。
中身は飲料水のペットボトル、簡易トイレ、かぜ薬や胃腸薬などの常備薬、小銭、ホイッスル、チョコレートやナッツなどお腹を満たせるもの等々。普段コンタクトレンズを使っている人は、メガネや替えのコンタクトレンズも必要でしょう。女性は生理用品やストッキング、化粧品も少量あると安心です。
きちんと備えポーチ
プチ備えポーチ
「きちんと備えポーチ」は普段の外出時からしっかり備えたい人に。出張や旅行のときも、そのまま持ち運べます。そして「プチ備えポーチ」はかさばらず普段のバッグに収まるサイズで必要最低限のアイテムを入れておきます。
前田さんの置き備えバッグ
前田さんが作った「置き備えバッグ」には、フローリストという仕事柄必須の軍手もIN。軍手は被災時にも大いに役立つため「素晴らしい」と島本さん絶賛です。
「家族の体調不良バッグ」もあると便利!
また、ゆとりをうむ家事ハックを募集した「家事ハック大賞2023」の受賞アイデア「家族の体調不良バッグ」も紹介。たとえば子どもが嘔吐すると「大変だ!」とパニックになりますよね。あらかじめ、消毒スプレー・ポリ袋・ウェットティッシュ・キッチンペーパー・マスクなどをひとつにまとめた「嘔吐用バッグ」を用意しておき、家族で共有しておくと安心感が段違いです。これは早速作りたい!
「子ども用の持ち備えポーチも作りたい」
イベント終了後、前田有紀さんと全薬販売株式会社の寺田匡宏さんにお話を聞きました。
ーー前田さんの息子さんたちは、やんちゃなタイプですか?
前田さん 兄弟とも「長い棒」がすごく好きで(笑)、よく戦いごっこをしています。住まいが鎌倉で海も山も近く、子どもたちもよく自然の中で遊ぶので、ちょっと転んで足を擦りむくなんてしょっちゅう。でも日常のピンチというと、怪我よりもやっぱり病気のほうが多いです。急なお迎えにはどうしてもバタバタしちゃいますね。
ーー上のお子さんはもう小学生。小学生になると、1人で行動する機会も増えますか?
前田さん 1人でバスに乗って小学校から学童へ移動することもあります。だから息子にも小さな「持ち備えポーチ」を用意して持たせたほうがいいなって今日思いました! 中身は親の連絡先を書いた紙と小銭、ティッシュ、ホイッスル……簡易トイレも使い方を教えて、1つ持たせたほうが良さそうですよね。
ーーそれはすごく良さそうです。
前田さん 季節ごとに中身を見直すことも大事ですよね。子どもと一緒に確認して、親子で危機備え意識を持つようにしたいな、と思いました。
ーー見直しといえば、かぜ薬などの常備薬って「いつのまにか使用期限が切れていた」ということもよくあるんですよね……。どのように管理すればいいのか、寺田さんにお伺いしたいです。
前田さん 確かに、そういえば数年前に買った薬だった……とか、あるあるです。薬の適切な保管方法も知りたいです。
寺田さん それは困りますよね。やっぱり市販薬を購入したときの箱に書いてある使用期限を守っていただいて、箱の中には使用上の注意などが書かれた紙が入っているので、それを見ていただくと「直射日光の当たらない湿気の少ない涼しいところに保管してください」といった注意書きがあると思います。引き出しの中とか、救急箱の中に保管しておいてほしいですね。
ーーしっかり読むようにします。寺田さんは「日常の小さな災害」ってありますか?
寺田さん 僕も5歳の息子がいるので、小さな災害はいっぱいあります(笑)。保育園でかぜをもらってくることはしょっちゅうですし、子どもって思ってもみないことをしますよね。この夏は虫捕りにはまって、木の根っこに足を引っかけてケガをしたりも。虫除けや日焼け止め、暑さ対策も含めて、夏はいろんな備えが必要だなとあらためて感じました。
ーーこれから秋冬に向けて、季節の変わりめで体調を崩しやすくなる時期ですから、体調不良への備えも大切ですね。
寺田さん ゆとりうむプロジェクト「家事ハック大賞」の嘔吐用バッグのように、家族の体調不良に備えたセットを用意しておくといいと思います。それと、お子さんの体調不良はもちろん、やっぱりパパさんママさんが体調を崩してしまうと家庭が回らなくなりますよね。いざというときのために、「こういうときは、こうしよう」と夫婦で共有しておきたいですね。
(マイナビ子育て編集部)