過干渉な親に育てられた子供はどうなる? 親子間の距離を適切に保つ実践例を紹介
ちょっとしたことでも「ああしなさい」「こうしなさい」と、ついつい子供の行動をコントロールしたくなってしまいませんか?
子供の行動をコントロールしようとしすぎると……
親が子供の行動を必要以上にコントロールしようとすることを「過干渉」といいます。
親が子供に対して、嫌がることを強制したり、望むことを制限したりするのは、しつけとして必要な場合もあります。
しかし、しつけの範囲を超えて、何でもかんでも「親の言うことを聞きなさい」となると、それは過干渉です。
今回は、過干渉が子供に及ぼす影響と、親子間の距離を適切に保つために親ができることを紹介します。
過干渉は子供の自尊心や自主性などを損なう
そもそも過干渉な親に育てられた子供はどうなるのでしょうか?
まず、自分のことを自分で決めるのが苦手になります。
どんなことでも親から「こうしなさい」と言われるので、自分の頭で考えない指示待ち人間に育ちます。
次に、いつも親の顔色をうかがっているので、親以外の他人との関係でも顔色をうかがうようになります。
自分の意思で行動するのではなく、他人の行動に合わせようとする傾向も見られます。
過干渉によってこのような性格になった子供は、「自分で決めて、自分でやってみる」という気持ちが育ちにくいため、自尊心が低くなりがちです。
また、叱責を恐れるあまり失敗を極端に嫌がり、自主性や創造性を発揮することができなくなるという点も指摘されます。
ほかにもさまざまな問題があるといわれています。
自分の気持ちとしっかり向き合う
「自分は過干渉かもしれない」と思う親は、自分の気持ちとしっかり向き合ってみてはいかがでしょうか?
具体的な向き合い方を紹介します。
過干渉の原因が不安だと自覚する
「子供のため」という親心はとてもすばらしいものです。
しかし、これが強すぎると、子供の行動に口出しすることが多くなってしまいます。
そんな場合は、「『子供のため』は本当に子供のためなの?」と自分に問いかけてみることをおすすめします。
「子供のため」の正体が「自分が不安だから」であることも少なくないでしょう。
過干渉の原因が不安だと自覚するだけでも、子供への接し方を改めるきっかけになります。
「自分と子供は別の人間」と自分に言い聞かせる
過干渉な親は、自分と子供とをつい重ね合わせてしまうことが多いようです。
自分と子供を比べて「どうしてできないの?」と言ったり、自分が親にしてほしかったことを子供に押し付けたり……。
そうなっている場合は、「自分と子供は別の人間」と自分に言い聞かせるといいでしょう。
子供を一人の人間として尊重することが大切です。
具体的に行動を変えていく
自分の気持ちと向き合った親は、次に行動を変えていくことになります
その具体例をいくつか紹介します。
親子で過ごす時間を短くする
親子で顔を合わせている時間が長いと、親はどうしても子供の行動に口出ししてしまいます。
子供の欠点がとにかく目に付くからです。
こういう状況を改善したければ、思い切って親子で一緒に過ごす時間を短くするのが有効です。
たとえば、パートに出たり趣味の集まりへ参加したりすれば、親自身の気分転換にもなって、子供にイライラしなくなるのではないでしょうか?
子供の教育を他者に任せる
親が「子供のことは何でも自分でやらないといけない」と思うと、不安や焦りが大きくなって過干渉へとつながります。
こういう場合は、子供の教育を他者に任せると気持ちが楽になります。
具体的には、中学受験の勉強は「塾にお任せ」として、塾の方針にあまり口を挟まないようにすることが考えられます。
もちろん、宿題の管理や教材の整理など、親が最低限のフォローをする必要はあります。
しかし、子供に「この問題を教えて」と言われたら、「明日、塾の先生に質問しなさい」と言うようにするといいでしょう。
親が子供の勉強から手を引いて、生活や健康のサポートに徹するという方針です。
焦らず気長に子供を見守る
以上で紹介したことは、あくまでも例に過ぎません。
「こうすれば必ず上手くいく」というものではありません。
各家庭の事情に合わせてアレンジしていただければ幸いです。
親子間の距離を適切に保っていれば、中学受験の勉強を通して親子間の絆が深まり、子供は学力的にも人間的にも大きく成長するものです。
親に求められるのは、焦らず気長に子供を見守る姿勢なのではないでしょうか?
