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2026年04月03日 17:36 更新

杏さん「日本の学校では絶対ありえない」パリで衝撃の教育ギャップ。日本とフランス、どちらも良いところがあると気づいた二拠点生活

俳優・モデルとして活躍する一方、YouTubeで見せる自然体な姿も評判を呼んでいる杏さん。36歳で海外移住を決め、現在はフランス・パリにて三児と犬二匹とともに暮らしています。

杏さん一家がパリへ来て3年。3月18日に発売した9年ぶりのエッセイ『杏のパリ細うで繁盛記』(新潮社)では、パリでの巣作りから、カルチャーショックを受けた文化、子どもたちとの生活や習い事、バカンス……3年間の出来事、感じたことがたっぷり綴られています。

パリでの子育てを通じて得た驚きや戸惑い、そして価値観のアップデートについて、杏さんにじっくり話を聞きました。

■驚きの学校文化

ーー日本からパリに移住して、どんなことにギャップを感じましたか?

杏さん(以下、杏) もともと馴染みのある街だったので私自身はそれほど大きなギャップを感じることはなかったのですが、教育面では色々と驚きがありました。それこそ旅行で訪れるだけではわからなかったことですよね。私は日本の教育で育ってきて、フランスの教育に触れるのは初めて。「日本の学校ではなかなかないよね」ということがたくさんありました。

ーーたとえばどういったところですか。

 最近驚いたのは、「宿泊数がクラスによって違う旅行」ですね。学年で、5泊するクラスもあれば3泊しかしないクラスもあって、担任の先生の状況によって変わるんです。日本じゃまずないなってびっくりでした。ただ、これは別にフランスでも一般的なことではないらしく、他のお母さんたちも「えっ」となってました(笑)。

ーーそれはびっくり。学校の旅行ではどんなことをするのですか?

 内容はその土地の歴史を学んだり、ポニーに乗ったり、自然に触れたりといったレクリエーションが中心です。面白いのが、ナイト(騎士)の歴史を学んでいたこと。ナイトの兜や甲冑を着けさせてもらっていました。日本だったら武士みたいなことなのかな? さすがヨーロッパの文化だなと思いました。

ーー面白いですね。フランスでは日本のような学校行事がほとんどないとも聞きました。

 ないですね。入学式、卒業式、運動会、文化祭、始業式、終業式もなし。すごくシームレスに、ふっと始まってふっと終わります。団体になって何かをすることに重きを置いていないのかなと感じています。あと、フランスの学校は土日だけじゃなく水曜日もお休みなんです。

ーー週休3日なんですね。では水曜日に子どもたちはどんなことをするのですか?

 習い事の日にしている家庭が多いですね。そもそも体育や音楽、芸術などは学校ではそこまでカバーしていなくて、水曜日には好きなことを自分でどんどん掘り下げてくださいね、みたいなところがあります。好きなものに一点集中してもいい、という土壌がありますね。ただ我が家は「好きなものに一点集中」という段階ではなくて、「とりあえずなんかやってみれば」という感じですが。
学校では家庭科の授業なんかもないです。日本だと、家庭科の授業で調理や裁縫の基礎を教わりますし、体育でいろんな運動をしますよね。音楽も美術も学校で触れることができる。そう考えると、公教育で幅広い経験ができることは日本の良いところだなとあらためて認識しました。

■パリでの1日のルーティン

3人の子どもたちの習い事スケジュールを組むのは至難の業……!(杏さん直筆イラスト『パリ細うで繁盛記』より)

ーー杏さんのパリでの1日の過ごし方を聞いてもいいですか?

 小学校のうちは子どもだけで通学できず保護者の付き添いが必要なので、送り迎えをしています。フランスの学校は昼休みが1時間半と長めで下校は大体16時半、そのまま習い事へ行くと終わりは日が暮れていることもあるのですが、下校から習い事までは全部大人が付き添う必要があります。
だから、朝子どもたちを送ってから帰ってちょっと日中に仕事なり自分のやるべきことをやって夕飯の準備などしていたら、あっという間にお迎えの時間です。帰ってからはご飯を食べて、片付けをして、みたいな感じで1日が終わります。

ーー杏さんはとても多趣味な印象があるのですが、自分の時間はどう確保していますか。

 基本的には子どもが寝てからが自分時間です。でも子どもたちの寝る時間がだんだん遅くなってきたので、自分の時間はどんどん短くなっています。そろそろ朝活スタイルにした方がいいなと思ってはいるんですが、まだ移行できていません。
朝は苦手ではないですし、やっぱり夜だと1日の疲れで頭の回転が鈍くなるというか、生産性がなくなってくるというか……原稿を書くようなことは朝や日中にした方がいいのはわかってるんです。でも「本当は夜に集中したいんだよな〜」という気持ちがあって、色々もどかしい部分は常にあります。

ーーいわゆる「ショートスリーパー」というわけではない?

 おそらくそうだと思うんですけど、寝ていたくても起きちゃう。できれば7時間は寝た方がいいと言われますし、もっと良好な睡眠をとらなきゃな〜とは思うものの、なかなか7時間寝ることはできないですね。寝つきが悪かった翌朝でも、目覚まし時計の10分前ぐらいになるとパッと起きちゃいます。

ーー睡眠の問題はしんどいですね。忙しい中でも最近ハマっていることはありますか?

 新しいゲーム機を買ったのでやりたいんですけど、テレビに繋ぐタイプなので、子どもたちがテレビを見ているとできないんです。で、朝活といっても「朝早起きしてゲームやったら子どもたちが起きてきちゃう」と思って(苦笑)。この間は、せっかく子どもたちが早めに寝て時間ができたので「よしやるぞ!」と思ったら、子どもたちの誰かがチャンネル争いの末にテレビのリモコンを隠していて、探し回ったけれど結局できず……という事件がありました。

■「いけるかも」と思ったら勇気をもって飛び込む

ーー日本からパリに拠点を移して、杏さんの価値観に変化したところはありますか。

 実はそんなに価値観というか自分の軸が変わった感じはなくて。本筋は変わってないと思います。ただ、子どもの成長でフェーズが移行してきたなと感じることはあるので、体調管理とか、子どもとの対話を増やさなきゃなとか、そういうアップデートは必要だなと思っています。それこそ、思春期に突入すると子どもとのかかわり方はしっかりと考えていく必要がありますよね。

ーー最後に、杏さんのように海外での生活にチャレンジしてみたいと考えている人へ、メッセージをお願いします。

 たまたま私は今、パリで子どもたちとの生活が成立していますが、日本から出るのが絶対正解とは言えないし、いろんなリスクもありますから、安易におすすめはしません。でも、知らない場所に行く楽しさがあるのは確かです。
私も移住の前にはパリへ子連れ旅というかたちで“プレ体験”をしていて、その経験から「あれ、住めるかも?」と気持ちが動きました。一方で、やっぱり入念な下調べや準備をしていても、いざ現地に行ったら全然違うということもあると思います。

ーーいきなり本番じゃなくて、まずは試してみてっていうことですね。

 はい、そしてチャンスが来たら思い切り飛び込む。たとえば私はフィンランドで撮影する作品に参加する話がきたときに、子どもたちを連れて数日間行ってみたんですね。きっかけがなかったら、きっと行っていなかったと思いますが、「こういう機会があるけどどうかな」という話があって、犬と子どもを連れて行ってもなんとかなりそうだと思えたので、飛び込んでみました。結果、すごくいい経験でした。だから、とりあえず試してみることからはじめてみるといいかもしれないですね。

©Junko Tamaki(t.cube)

1986年4月生まれ、東京都出身。2001年デビューし、その後、雑誌、映画、ドラマなどで幅広く活躍。双子の女児と年子男児を育てる母でもある。現在は日仏を行き来する二拠点生活を送っている。4月5日放送・配信のWOWOW日本×フィンランド共同製作ドラマ「連続ドラマW BLOOD & SWEAT」にて主演を務める。

杏のパリ細うで繁盛記
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(マイナビ子育て編集部)

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