旬を味わおう! たけのこの下処理と丸ごと使い切りレシピ
たけのこは春の味覚の代表ですが、丸ごと手に入ってもどう処理したらいいのか困ってしまうことも。ちょっと大変そうなアク抜きなどの下処理~おいしいたけのこ料理のレシピまでご紹介します。
こんにちは♪ キャラ弁・フラワーケーキ講師のよんぴよままです。
春の楽しみはいろいろありますが、我が家でみんなが密かに? 楽しみにしているのが「たけのこ」。1年中、水煮は手に入りますが、春に食べられる掘りたてのたけのこはまた別格のおいしさです。たけのこが家で採れるお友達から、子どもがたくさんいただいたことがきっかけで、我が家はみんなたけのこが大好きになりました。
旬の時期はスーパーでも丸ごと購入できますが、自分でアク抜きなどの下処理をするのはちょっと大変。手間はかかりますが、やはりパックの水煮にはない味わいを楽しめます。今回は自宅でできる下処理の方法や、さまざまなたけのこレシピも合わせてご紹介します。春の味覚をぜひ満喫してくださいね♪
たけのこの魅力
たけのこは、その名の通り竹の若芽。イネ科の植物で多くの種類がありますが、食用にされるのはほんの一部です。地域にもよりますが3~4月ごろがよく出てくる時期。竹林ではあちこちからひょっこりとたけのこの頭が出てきますが、10日ほどで一気に大きくなって竹になってしまいます。柔らかくアクの少ないものはまだ成長していない芽を出したばかりの頃。地面から頭が出ているくらいのものを掘り起こして食用にします。
たけのこにはアミノ酸がグルタミン酸などのうまみ成分や食物繊維が豊富。茹でたときに出る白い物質はチロシンというアミノ酸の1種。集中力を高めたり、疲れを取ったりしてくれる働きがあります。
数年前に念願のたけのこ掘りに行ってきました。頭だけ出ている状態で掘り始めるので、土の中に隠れている大きさが素人目にはわからず、こんなにサイズの差が! 実は案内の方にどれがいいか聞いて掘ったのが、左の大きなたけのこ。ちゃんと見分けるコツがあるようです。小ぶりなたけのこは食べる部分は小さいですが、柔らかいので、こちらを狙って掘る方もいるそうです。
掘るのは根気と体力がいりますが、とっても盛り上がりました! その年によって多少時期が変わるので、たけのこ掘りができるかどうか開催場所に確認の上、要予約。苺狩りなどのようにその場で味わうことはできませんが、春のレジャーとしておすすめです。
たけのこの下処理の仕方
たけのこ掘りに行かなくても、旬の時期は一般のスーパーでも丸ごと販売しています。たけのこは毛の生えた固い皮で覆われていますが、この皮つきであることがおいしさを保つポイント。乾燥を防ぎ、旨みを逃がさないでくれます。また茹でるときにじっくりと火が通るため、よくアクが抜けておいしく茹でることができます。
たけのこは掘りだした途端、アクがどんどん強くなります。できるだけ早く茹でてアク抜きすることがおいしく食べるコツ。掘ったまま、購入したまま放置せず、すぐにアク抜きをスタートしなくてはいけませんが、茹でてしまえば、冷蔵庫で1週間程度は保存できます。
【アク抜きの必要なもの】
・米ぬか
・唐辛子
・大きな鍋
・水
たけのこのアク抜きに必要なものはこの4つ。スーパーや直売所などで丸ごと購入する場合は、米ぬかと唐辛子をサービスで付けてくれることが多いと思います。もし米ぬかがない場合は、お米のとぎ汁で代用しても大丈夫です。この2つは入れなくて水煮にすることはできますが、アクが抜けず、えぐみが残ってしまうので、おいしいたけのこを食べたい場合はできるだけ入れるようにしてくださいね。
たけのこの穂先は固いので、茹でる前に斜めに切り落として、火の通りが良くなるようにします。また、固い皮の部分に切り込みを1~2か所入れます。
お鍋にたけのこが被るくらいの水をたっぷり入れ、米ぬかと唐辛子を加えて茹でます。たけのこが出てしまうと火が通らないので、落し蓋をして浸かるようにしましょう。また強火で早く茹でると、アクがしっかり抜けません。中火~弱火でじっくりと茹でるようにするとえぐみの少ないおいしい水煮ができます。茹でるとかなりの泡が出てくるので、吹きこぼれないよう気を付けてください。
火を止めるタイミングは、根元の固い部分に竹串がスッと入る程度(長く茹ですぎると柔らかくなりますが風味もなくなります)。火を止めたら、そのまましっかり冷めるまで茹で汁に浸したままにします。この冷ます時間にもアクが抜けていきます。
しっかり冷めてから皮を剥きます。黒い固い皮の内側にある柔らかい部分は、姫皮と呼ばれ食べられます。この部分はパックの水煮では取り除かれてしまっているので、自分で茹でたときにだけ食べられる部分です。捨てずにおいしく味わってください。皮を剥いた、たけのこの水煮は、タッパーなどの容器に入れ水に浸けて冷蔵庫で保存。1週間程度は大丈夫です。
穂先は柔らかく和え物や酢の物などに、根元はしっかりとした固さがあるので煮込み料理向き。それぞれに味わいと合う調理方法がありますが、お好みで使い分けてください。
たけのこレシピ
紹介するレシピは、すでに下処理の終わった水煮を使用しています。ご家庭で茹でたものでもパック入りの市販の水煮でも作ることができます。
たけのこご飯
たけのこ料理の代表といえばたけのこご飯。シンプルにたけのこだけを加えたり、油揚げと鶏肉を入れたりして炊くことが多いと思います。ご家庭によって好みの味付けや具材があると思います。
今回はちょっと具たくさんの炊き込みご飯に。
【材料 4人分】
・お米…2合
・たけのこ…50g
・鶏もも肉…1/2枚
・油あげ…1/2枚
・人参…40g
・ごぼう…10g
・昆布…1枚(15cmくらい)
・干し椎茸…2枚
・ごま油…大さじ2
・砂糖…大さじ1
・醤油…大さじ2
・塩…小さじ1
・水…360ml
具材は変わっても大丈夫です。好みで調味料も調整してください。
【作り方】
①干し椎茸と昆布は水に浸けて戻す。
②お米を研いでざるにあけておく。
③戻した干し椎茸と昆布は薄切り、人参はいちょう切り、たけのこは薄切り、油揚げは熱湯をかけて油抜きして短冊切りに、ごぼうはささがきにして水にさらしてあく抜きし、鶏肉は食べやすい大きさに切る。
③フライパンにごま油を入れ、具材を炒めて、鶏肉に火が通ったら調味料を加える。
④炊飯器にお米、干し椎茸と昆布の戻し汁を入れ、上に具をのせて炊く。
⑤炊き上がったら全体を混ぜる。
たけのこご飯はおにぎりにしてもおいしいですよね♪ たけのこ、鶏肉、油揚げにひじきを加えて炊き上げるのもおすすめです。
たけのこと菜の花のおかか和え
たけのこと菜の花の塩茹でをシンプルにかつお節で和えました。春の味覚のマリアージュを楽しめます。
【材料 2~3人分】
・菜の花…1束
・たけのこ…100g
・かつお節…10g
・ごま…大さじ1
・醤油(またはポン酢)…大さじ2
味付けはお好みで調整してください。
たけのこの唐揚げ
たけのこ料理の中で我が家NO.1人気なのが唐揚げ。カリッと揚げたアツアツのたけのこは止まらないおいしさです。
【材料 2~3人分】
・たけのこの…150g
・醤油…大さじ1
・片栗粉…大さじ2
・揚げ油…適量
【作り方】
①たけのこを食べやすい大きさに切り、醤油を混ぜて下味をつける。
②片栗粉をまぶす。
③油でからりと揚げる。
たけのこは揚げると水分が抜けて小さくなります。ひと回り小さくなることを考えて、大きめに切ってください。
たけのこと鶏肉のめんつゆバター炒め
たけのこと鶏肉をこっくりとしためんつゆバター炒めにしました。ネギとしめじをたっぷり加えて食べごたえある1品に。
【材料 4人分】
・たけのこ…150g
・鶏もも肉…2枚
・長ねぎ…2本
・しめじ…1株
・にんにく…1片
・バター…20g
・めんつゆ…大さじ2
・油…小さじ1
・塩、コショウ…適量
【作り方】
①たけのこは食べやすい大きさの薄切り、長ねぎは5cm幅に、しめじは石づきを切り落としてほぐしておく。にんにくは薄切りにし、鶏もも肉はぶつ切りに。
②フライパンに油を流し、にんにくを炒めて香りが出たら、鶏肉の皮目から焼き、長ねぎも加える。
③鶏肉に火が通ったら、たけのことしめじも加えて炒める。
④バター、めんつゆを加えて味を絡める。
⑤塩、コショウで味を調えて完成。
たけのこと菜の花の茶わん蒸し
具たくさんの春の茶わん蒸しです。
【材料 4~5人分】
・卵…2個
・だし汁…400ml
・たけのこ…50g
・しいたけ…2枚
・菜の花…4本
・海老…4~5匹
・蒲鉾…5cm
・醤油…小さじ1~2
・塩…適量
味付けはお好みで調整してください。具材は、鶏肉など他の物を加えてもおいしいです。
【作り方】
①だし汁に醤油、塩を加えて味を調える。
②卵を溶いて①に混ぜて濾す。
③菜の花は塩茹でにして4つに切り、たけのことしいたけと蒲鉾は薄切り、海老は殻を剥いて背ワタを取る。
④器に具材を入れる。菜の花の花の部分は後で飾るため取り置きする。
⑤器に②を注ぐ。
⑥蒸し器で12~15分程度加熱し、最後に取り分けて置いた菜の花を飾る。
いろいろな具がゴロゴロっと出てくるとうれしいですよね。たけのこはコリコリとした食感がするので、食べるときにアクセントになります。優しいだしとたけのこの旨みがほっとする味です。
たけのこといんげんのつくね
たけのこのコリコリ感を残したつくねは、食べごたえのあるヘルシーなメイン料理に。いんげんも入れて彩り良く春のお弁当にもぴったりです。
【材料 3~4人分】
・たけのこ…100g
・鶏ひき肉…300g
・いんげん…5本
・卵… 1/2個
・片栗粉…大さじ1
・しょうが…1片
・大葉…4枚
(下味調味料)
・砂糖…小さじ1
・醤油…小さじ1/2
・塩…小さじ1/2
(仕上げ調味料)
・水…大さじ1
・砂糖…大さじ1
・醤油…大さじ1
【作り方】
①いんげんのヘタを折って筋を取り、塩茹でにする。
②いんげんは1cm幅に切り、たけのこは短冊切り、しょうがは千切りにする。
③鶏ひき肉、たけのこ、いんげん、卵、しょうが、片栗粉、下味調味料を粘りが出るまでこねる。
④10等分にして丸め、フライパンで焼く。
⑤火が通ったら仕上げ調味料を加えて水分が飛ぶまで煮からめる。
⑥大葉の千切りを変えて完成。
たけのこ入りつくねの巾着
つくねの応用編です。油揚げに肉ダネを詰めて巾着煮にしました。肉ダネの材料は鶏ひき肉ではなく、豚ひき肉に変えて作ります。油揚げは1人1枚を半分にして茹でて、菜箸をコロコロ転がすと開けやすくなります。茹で卵や椎茸、糸こんにゃくなどお好みの食材と一緒にだし汁で煮込んでください。
人参を花型で抜いたあとの残りは、みじん切りにして肉ダネに混ぜ込みました。ネギや大葉などを入れてもおいしいです。
たけのこ入り肉味噌
たけのこに豚ひき肉や干し椎茸なども加えて旨みたっぷり、食感もしっかりした肉みそです。ごはんのおともとしてだけでなく、豆腐に掛けたり、ラーメンに乗せたり、チーズをかけて焼いてもおいしいです。
【材料】
・豚ひき肉…200g
・干し椎茸…3~4枚
・筍…150g
・玉ねぎ…1/2個
・人参…1/2本
・大葉…5枚
・にんにく…1片
・生姜…1片
・醤油…大さじ2
・砂糖…大さじ2
・味噌…大さじ2
・中華だし…小さじ1
・ごま油…大さじ1
【作り方】
①干し椎茸を水に浸けて戻し、食べやすい大きさに切る(戻した汁はとっておく)。人参、筍、玉ねぎ、大葉も食べやすい大きさに切る。
②にんにくと生姜はみじん切りにし、豚ひき肉と一緒に炒める。
③豚ひき肉に火が通ったら、切った食材を加えてさらに炒める。
④全体に肉の油が回ったら、干し椎茸の戻し汁を加え、ごま油以外の調味料を加えて水分がなくなるまで煮詰める。
⑤ごま油を仕上げに加えて完成。
まとめ
春が旬のたけのこは、ちょっと手間がかかるけれども、自分でアク抜きすると、市販のパックの水煮とは違う味わいが楽しめます。先に水煮にしてしまえば、冷蔵庫で1週間程度保存もできるので、すぐに食べきれなくても安心です。水煮のまま和え物にしても、唐揚げやてんぷらなどの揚げ物や、炒めたり煮込んだりと調理法も味付けも変えて使えるので、いろいろなメニューでおいしく丸ごと食べ切ってくださいね♪