【医師監修】妊娠超初期に脚(足)の付け根は痛くなる? 妊娠に関係する痛みと考えられる他の要因
妊活中、生理が始まるかどうかドキドキしながら待っているころ、これまでにない体の変化を感じたら、「妊娠の影響では!?」と気になってしまいますよね。ここでは妊娠超初期と「脚の付け根の痛み」の関係について解説します。
「妊娠超初期」に「脚の付け根が痛む」可能性はあるの?
「なんだか脚の付け根が痛い……、そういえばもうすぐ生理が始まるころだけど、もしかして妊娠した!?」。妊活中には体のちょっとした変化に敏感になるものですが、脚の付け根の痛みと妊娠に、何か関係はあるのでしょうか。
「妊娠超初期」とはどんな時期?
まず、「妊娠超初期」についておさらいしておきましょう。医学用語ではなく、きちんとした定義があるわけではありませんが、「妊娠超初期」とは、妊娠のごく早い時期、生理開始予定日より前の期間を指して、俗に使われることが多い言葉です。
妊娠週数で言うと、妊娠0週~3週までのことを「妊娠超初期」と呼ぶことが多く、妊娠13週まで続く妊娠初期のごく始めのころです (生理開始予定日ごろが妊娠4週にあたります)。妊娠超初期では、妊娠2週始めに「排卵」、その直後に「受精」、妊娠3週ごろに「受精卵の子宮への着床=妊娠の成立」が起こります。
「妊娠超初期」と「脚の付け根の痛み」の関係は?
妊娠したことにより感じる体の変化は、個人差がとても大きいものです。妊娠が引き起こす症状として多くの人が知っている「つわり」でさえ、経験するのは妊婦さんの5~8割[*1]であり、全員に現れるわけではありません。
「脚の付け根の痛み」を感じた時、それが妊娠と関係するかどうかですが、確かに妊娠によって脚の付け根に痛みを感じることはありますが、それは普通、子宮が急激に大きくなることによって引き起こされるものなので、妊娠超初期に感じる可能性は低いでしょう。次の項で詳しく説明します。
脚の付け根の痛みを起こすおもな原因
ここでは、脚の付け根に痛みを引き起こすおもな原因について、簡単に説明します。
妊娠に関係するもの
妊娠初期や中期によく起こるのは、子宮への血流が増えて筋肉が伸び 、それを支える靭帯(円靭帯)が引っ張られることで、太ももの付け根(鼠径部)に沿って片側または両側に痛みや違和感を覚えるというものです。長時間の立ちっぱなしや歩行後に起こりやすいのですが、安静にしていればよくなります。
女性に多い「変形性股関節症」
女性2.0~7.5%、男性0~2.0%と、女性はもともと、股関節に異常が出る「変形性股関節症」になる割合が男性より多いことが知られています。これにより股関節に痛みを覚えるのは通常、50歳ごろが多いのですが、子供のころから股関節に異常を抱えていた人では痛みを感じ始めるのが通常より早く、平均37歳であったという報告もあります[*2]。
変形性股関節症では進行とともに常に痛みを感じるようになったり、夜間も痛みに悩まされるようになります。
その他、感染に伴うリンパ節の炎症や鼠けいヘルニアなどによっても、脚の付け根に痛み・違和感を感じることはあります。
脚の付け根の痛みが気になったら
さきほど紹介したとおり、妊娠超初期に感じるかどうかは人によって大きく異なるものの、妊娠による脚の付け根の痛みであれば、しばらく安静にすることで良くなるでしょう。
もし、脚の付け根の痛みが続いている場合は医療機関を受診してください。その際は、妊娠の可能性があることをかならず伝えましょう。
まとめ
妊娠初期に感じる症状は、後で振り返ると「そういえば、あれは妊娠による影響だったのかも!」とひとり合点しがちですが、痛みなどの症状の感じ方は人それぞれ。とくに妊娠超初期はまだ妊娠のごく早期の段階で、万人が感じる兆候というものはほとんどありません。妊娠の可能性があるなら、適切な時期に妊娠検査薬を使い、産婦人科を受診しましょう。また、痛みがひどいときや続いている場合も、我慢せずに医療機関を受診しましょう。
(文:マイナビ子育て編集部/監修:宋美玄先生)
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※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました
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