【医師監修】これはマミーブレイン?産後頭が回らない理由と対処法
「マミーブレイン」という言葉を知っていますか? 産後ママの集中力が低下したり、物忘れがひどかったりする状態を指して、一般的にこう呼ばれることがあります。これはなぜ起こるのでしょうか。また、その時のママたちの様子はどうだったのでしょうか。マミーブレインが起こる理由や様子、対処法について調べてみました。
(構成・文:マイナビ子育て編集部/監修:宋美玄 先生)
マミーブレインとは? 症状と原因
まずは、「マミーブレイン」とはどんな状態のことを指すのか解説します。
症状|記憶力や集中力の低下・ぼんやりする
「マミーブレイン」は医学用語ではなく、きちんとした定義があるわけではありませんが、一般的には産後の女性にみられる、おもに脳の働きからくると考えられる変調を指して使われることが多い言葉です。
出産した女性全員に起こるというわけではありませんが、具体的には、産後に「記憶力の低下」や「集中力の欠如」「ぼんやりすることが多くなる」などといった変化を感じる人が多いようです。
体験談|これってマミーブレイン?
※マイナビ子育て調べ 調査期間:2022年2月7日~2022年2月14日 調査人数:105人(23歳〜40歳以上の出産経験のある女性)
※ここで紹介した方法と結果は、個人の体験によるものです。記載の方法を推奨したり、結果を保証するものではありません。
原因|睡眠不足や疲労なども一因に
原因についてはホルモンの影響など諸説ありますが、明確なものはわかっていません。
妊娠出産に関係なく、寝不足の時や疲れが溜まっている時は誰でも頭がぼーっとしてしまうものです。産後は慢性的に睡眠不足で、慣れない育児で精神的にも肉体的にも余裕がない状況です。そんな中でさまざまなことに気を配り、気の抜けない日々を過ごしているのですから、全てのことで万全とはいかないのも仕方のないことでしょう。
「どうしてダメなんだろう……」と気に病まず、「産後のあるあるだね!」ぐらいの気持ちで受け止められるといいですね。
マミーブレインはいつまで続くの?
集中力の低下や物忘れ、頭が回らないといった状態はいつまで続く可能性があるのでしょうか。
4割は1年未満で回復へ
一方で、睡眠不足や疲労感が続くような場合は症状が長引いてもおかしくありません。
いずれにせよ、マミーブレインはずっと続くものではなく、ちょっと調子が悪い時は無理せず、自分でできる対策を講じながら乗り越えていけるといいですね。
※マイナビ子育て調べ 調査期間:2022年2月7日~2022年2月14日 調査人数:105人(23歳〜40歳以上の出産経験のある女性)
※ここで紹介した方法と結果は、個人の体験によるものです。記載の方法を推奨したり、結果を保証するものではありません。
他にも症状がある場合は要注意
■産後うつ病でよくみられる症状
・気分が落ち込む
・イライラする
・疲れやすい
・食欲がない/気を紛らわせるために食べ過ぎる
・性欲がない
・不眠(寝つきが悪い、眠りが浅い)
・楽しいことを楽しいと感じない
・何にも興味を持てない
・否定的な考え方をする
・不安が強い
産後うつ病かもしれないときは、早めに専門家に相談するのが大切です。産後に受ける産婦健診などで相談してみてください。
対面で相談しづらい場合は、全国にあるこころの相談センター(精神保健福祉センター)の無料電話相談を利用するという方法もあります。以下のサイトで住まいの近くのセンターが調べられるので、こころの不調が気になるときはまずは電話相談してみてください。
物忘れなどのトラブル予防に|マミーブレイン対処法
産後、物忘れなどがひどくて困っているとき試してみてほしい対処法を紹介します。
スマホをフル活用!
マミーブレイン状態にあるかどうかは関係なく、産後はただでさえやることが増えるので、初めての育児ならなおさら頭が混乱しても仕方がありません。そんなときは下記のような方法を試すと役に立つかもしれません。
・メモする
買うものなどは気づいたときにすぐメモしておきましょう。スマホなどいつも見るもののメモ帳に書き留めておくことを習慣化すると、メモがどこかにいってしまうことを防げます。
・カレンダー、アラーム、リマインダーをセット
家族でカレンダーを共有して、予定ややるべきことを記録しておきましょう。アラームやリマインダー設定をオンにしておけば、やり忘れを防げます。
・毎日のルーチンを整える
寝かしつけ、授乳など、赤ちゃんのお世話のルーチンが整ってきたら、赤ちゃんが寝ているうちにやることを片付ける時間が生まれます。そのためには、母子ともに毎日の生活リズムをできるだけ整えるのが大切。赤ちゃんの寝かしつけのコツは下記の記事でくわしく解説しているので、参照してください。
睡眠をできるだけとる
産後はどうしても睡眠が不足しがちですが、あまり無理せずできるだけ横になる時間をつくってください。
とくに赤ちゃんが低月齢のうちは細切れにしか眠ってくれないので、それに付き合うママも短時間ずつしか眠れない状態がしばらく続きます。そんなときは頭が回らない状態になっても当然です。まずは少しでも眠ることを優先するようにしましょう。
周囲に助けを求める
出産は女性の体に大きなダメージを与えます。また、頭の働き含め、妊娠中に心身には大きな変化が起こっており、それは出産したからといってすぐに妊娠していないときの状態に戻るわけではありません。そんな状態で、生まれたばかりの赤ちゃんを昼夜関係なく世話しなければならないのですから、誰かに手助けしてもらうのをためらわないでください。
休憩が必要だと感じたときは、夫はもちろん、その他の家族や友人などに赤ちゃんを少しみていてもらいましょう。行政や民間が運営する「乳幼児の一時預かりサービス」もあります。行政サービスなら、住まいのある自治体の窓口に相談してみてください。誰かに赤ちゃんを預け、その間に少しでも休息をとってください。
まとめ
最近よく耳にする「マミーブレイン」の症状、そうなる理由、これが起こる時期、対処法などについて紹介しました。マミーブレインの状態になったとしても、徐々に元に戻っていくのであまり心配しないでください。
妊娠・出産は女性の心身にとって大きなイベントということ。そこに育児という大仕事がのしかかってきているのですから、多少記憶力が落ちたり、集中できなくなったりしても仕方がないのです。大きなダメージを受けた心身を回復させるためにも、産後は可能な限り体を休めることを心がけてくださいね。子育てはひとりで抱え込まず、できるだけ周囲の人に頼りましょう。
(構成・文:マイナビ子育て編集部/監修:宋美玄 先生)
※画像はイメージです
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます