
読みたい本は手元に! 専門家が教える、かさばる漫画の「分散収納」
普段の生活になくても困ることはないものの、あると潤いが生じる本。おうち時間の増加で、本を手にする機会が増えた方も多いかもしれません。でも、かさばる本は収納の悩みのタネ。特に、連載ものが多い漫画本はいつの間にか収納スペースを占拠していませんか? 今回は、そんな漫画本の収納を見直した我が家の事例をご紹介します。
こんにちは、ライフオーガナイザー®のうめだあさみです。
夫婦ともに、漫画好きの我が家。おうち時間の増加とテレビアニメの影響も受け、最近では子どもたちも漫画好きになりつつあります。
そんな我が家には、夫婦それぞれの手放しがたい漫画本が200冊以上。なかなか読み返す機会が訪れないのをいいことに、収納は適当。リビングから遠く離れた2階の収納庫に積み上げたままの状態が長く続いていました。


ところが、我が家に漫画ブームが到来したことで問題発生!
収納庫に押し込まれた漫画本は、出しにくく戻しにくい状態……。ただ「場所に納めるだけ」の収納のおかげで、お目当ての本を探すために収納庫は散乱。読み終えた本も出しっぱなし。家のあちこちに本が散乱し、楽しく読めるはずの漫画本が、私をイライラさせる兵器へと変貌したのです。
家族みんながストレスなく漫画を楽しめるように収納を見直した、我が家の「読み返すため」の漫画本収納をご紹介します。
まずは、読み返す頻度の見直しを
図書館のようにズラッと並んだ本棚は、圧巻。好きな本ばかりに囲まれた空間は、想像するだけでうっとりです。
でも、実際にはそれほどの空間的余裕を叶えるのはなかなか難しいもの……。そのうえ、リビングやら子ども部屋やら、それぞれ自由な場所で読むことが多い子どもたちにとっては、窮屈な空間。「別室へ持ち出し、読んだまま出しっぱなし」が安易に想像できてしまいます。
そこで、一カ所収納ではなく分散収納することに。読み返す頻度によって、収納場所を分散し、収納方法も変更です。


まずは使用頻度を分類。家族とともに、読み返す頻度ごとに仕分けを。
【1】週に何度か……使用頻度・高
【2】数か月に何度か……使用頻度・中
【3】年に何度か……使用頻度・低
【例外】毎日読むほどドはまり中……使用頻度・最高
家族でもブームはそれぞれ。
大きなくくりではどれも同じである「漫画本」も、小分けにしていくとタイトルごとにベストな収納場所と方法が見えてきます。
収納方法の見直し
使用頻度・高

子どもたちが数日に一度は読み返している、使用頻度高めの漫画本。子どもたちがメインに読むことから、収納場所は1階和室の子ども部屋に。リビングから近い部屋なので、読み終えたあと、本棚に戻すのもスムーズ。出しっぱなしの頻度は低くなりました。

奥行きのある収納棚は前後2列に並べれば、たくさんの本を収納することが可能。でも、前後に並んだ本は、出し入れが面倒。
手に取る頻度が高いものは、「出しやすく、戻しやすく!」が原則です。

そこで活用するのが、透明の収納ボックス。
タイトルごと、ボックスにひとまとめ。漫画の表紙が外から見えるようにボックスを入れれば、何があるかは一目瞭然! 子どもたちでも、お目当てのタイトルを探すのが簡単です。タイトルと巻数をケースにラベリングしておけば、探すのも、出し入れも、もっと便利に。

使用頻度を見直したおかげで、棚には余裕が。
ビッチリ詰まった本棚に比べ、ゆとりのある本棚は出し入れもスムーズです。「戻しにくいから!」という出しっぱなしの言い訳は、通用しません!

読んでいると1冊では止まらないのは、漫画の"あるある"ではないでしょうか?
事前に数冊まとめて用意しておきたいときにも、ボックス収納は便利。読みたい本が入ったボックスごと移動すればOKです。持ち出した先でも、散らかることもありません。
棚&収納ボックスでの漫画収納には、ママにもメリットが。
ふと目にしたとき、巻数の並び順がバラバラだと、何だか気持ち悪くありませんか? 整えながらも、ちょっとイライラしてしまいますよね。
ボックスを活用した収納なら、パッと見たとき、目に入るのは表紙のみ。収納ボックス内の並び順までは目が届きません。気分的・時間的に余裕があるときのみ、のぞいて整える。あとはさらっとスルーすれば、ムダにイライラすることもありません(笑)。
使用頻度・中、低

見返す機会が比較的少ない漫画本は、これまで通り2階の収納庫へ。
使用頻度を見直したおかげで、「リビングから遠い場所でも問題ナシ」ということが明確に。収納庫に詰め込む後ろめたさも、家族からの文句も生じません。

すのこや廃材を活用した簡易棚には、収納庫に納める本のなかでも、手に取る頻度が高い「使用頻度・中」の漫画類を。
収納庫への移動は必要なものの、探し出すこと自体はスムーズ。扉を開ければパッと見つかり、サッと手に取ることができます。

収納庫に納めた本を全て棚に並べるとなると、かなりのスペースが必要に。
そこで、同じ収納庫内でも出番が少ない「使用頻度・低」の漫画本は、フタ付きケースを活用。積み重ねてコンパクトに収納します。

我が家が使用するのは100円ショップで購入した不織布のコミック収納ケース。お求めやすい価格と、未使用時にはコンパクトになる素材がポイントです。
一部がクリアになっているので、ケースを開けて中身を確認する必要もありません。
お目当ての漫画が入ったケースを持ち出して、好きな場所でゆっくり読むことができます。

このほか、頑丈なプラスチックケースなら、本の傷みもなく積み重ねて収納ができそうですね。ベッド下などのデッドスペースも、漫画本収納に活用できます。
【例外】使用頻度・最高
我が家で空前の大ブームを引き起こしている漫画、『鬼滅の刃』。毎日誰かしらが読み返し、使用頻度は最高ランクです。
家族全員が手に取るため、基本的に個室への持ち込みはナシ。読む場所はリビングのソファーがメインです。そのため、ソファーの上には読みかけの漫画本、横のチェストには積み上がった漫画の山……。
散乱した見た目はもちろん、不規則に積みあがった漫画の山は、読みたい本がすぐに見つからず、イライラが募ります。

片づかない本にイライラするなら! 毎日必ず手に取るなら!
ブームは一時的なものと受け入れ、「出しっぱなし」は容認することに。でも「散乱」は見過ごせません!

そこで活躍するのが、スニーカーを購入した際の空き箱。一時的な利用のため、家にあるモノで代用します。なんとこれが、漫画本とジャストフィット! 気持ちいいほどピッタリです。
あちこちに散らばった本をまとめて空き箱に納めるだけで、散乱状態が解消。イライラする見た目にサヨナラです。

普段はソファー横の棚に置きっぱなし。
一歩も動かずに出し入れできるズボラ手法は、読む人にも優しい収納。
背表紙を上にして収納すれば、読みたい本も一目瞭然。「○巻はどこ!?」と、積みあがった本の山からお目当ての本を探すよりもスムーズです。
急なお客さまがいらした、といった隠したいときには箱ごと移動でラクラク。散らかった本をかき集める手間もありません。
箱のデザインが気になるなら、リメイクシートでアレンジしてもOK。ですが、我が家は「一時的なこと」と捉え、このままです(笑)。
漫画本の収納は定期的な見直しを!


一時は読み返し頻度が高かった漫画も、いつかは飽きてしまうかもしれません。反対に、クローゼットの奥に収納した漫画をふと繰り返し読みたくなることも。
ブームの移り変わりに気付いたら、早めに手を打ちましょう! 「面倒くさい」と見直しを先延ばしにしても、問題が解決することはありません。むしろ、出しにくく、戻しにくい収納が原因で、家中に漫画本が散乱するおそれが。
「定期的な見直し」に要する時間は、「毎日散らかった漫画本を拾い集めながら片づける」よりも、確実に短いはず。お気に入りやブームは変化していくもの。ご自身や、ご家族の状況を見極めて、定期的な使用頻度や収納場所・方法の見直しをすることが、ゴキゲンな漫画ライフにつながります。
まとめ
一カ所にまとめるだけが、収納の方法ではありません。同じ漫画本でも、使用頻度に応じて臨機応変に収納していきましょう。
漫画本が増えすぎて困っている方も、ドはまり中の漫画本が手放せない方も……。臨機応変な漫画収納で、ゴキゲンな漫画タイムと楽しいおうち時間を過ごしませんか?