
コーヒーダイエットの効果を高めるポイントと2つの注意点
コーヒーがダイエットにいい、ということを聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。どうしてそのように言われるのか、またダイエットにコーヒーを役立てるときのポイントと摂る際の注意点を詳しく解説していきます。
- コーヒーがダイエット中におすすめってホント?
- ダイエットに役立ちそうな、コーヒーに含まれる成分
- 眠気覚ましだけではない!「カフェイン」 の働き
- 「クロロゲン酸」 は抗酸化とともにダイエットにも役立つ可能性
- 糖や脂質をエネルギーに変える「ナイアシン」
- ダイエット中におすすめのコーヒーの飲み方
- 砂糖やミルクは入れずにブラックにする
- 食後の1杯で間食を防ぐ
- コーヒーの種類や作り方は取り入れやすい方法を
- ダイエットで摂るときの注意点
- 1日に摂る量の目安
- コーヒーは飲み過ぎると良くない?
- ブラックコーヒーにちょい足し!コーヒーのアレンジレシピ3選
- すっきり爽やか、レモンコーヒー(1人前:5kcal)
- ピリっと刺激的。ジンジャーコーヒー(1人前:37kcal)
- 優雅な香り、シナモンコーヒー(1人前:8kcal)
コーヒーがダイエット中におすすめってホント?


コーヒーでダイエットに成功しましたか?
※マイナビ子育て調べ 調査期間:2020年10月22日~11月1日 調査人数:142人(21歳~40歳以上の女性)の回答から抜粋
※ここで紹介したダイエット方法と結果は、個人の体験によるものです。記載の方法を推奨したり、結果を保証するものではありません。効果的な減量方法や結果の出方は個人により異なります。
カフェインやポリフェノールなどがダイエットをサポートする可能性
コーヒーダイエットは、その名の通りコーヒーを飲んでダイエット効果を期待する方法です。近年の様々な研究によって、コーヒーに含まれるカフェインやポリフェノールなどの成分にはダイエットのサポートに役立ちそうな作用があるとわかってきました。ただ、実際、コーヒーの摂取量が肥満に影響を与えるかどうかまではまだよくわかっていないようです。
ということで、コーヒーを飲めば飲むほどやせるということではありませんが、飲み方によってはダイエットに役立つ可能性があるようなのです。このあと詳しく見ていきましょう。
ダイエットに役立ちそうな、コーヒーに含まれる成分


まずは、コーヒーに含まれる成分にはダイエットに関して、どんな働きが期待されているのかを説明します。
眠気覚ましだけではない!「カフェイン」 の働き
眠気覚ましとしてよく知られている「カフェイン」ですが、実は「脂肪燃焼の促進」にもかかわっているのではと言われています。
体内には「褐色脂肪細胞」という、熱を産生してエネルギーを消費する組織があります。カフェインには、これを活性化させる作用がありそうなのです。実際、マウスから培養された脂肪細胞では、カフェインによって脂肪燃焼が促進されたと確認できたそうです。ヒトでも同様の効果があるのかはまだよくわかっていませんが、コーヒーによる肥満の改善が期待されています[*1,2]。
「クロロゲン酸」 は抗酸化とともにダイエットにも役立つ可能性
コーヒーに含まれるポリフェノールの一種「クロロゲン酸」には、強い「抗酸化作用」があると言われています。
体内で活性酸素が過剰に作られると、細胞を酸化させ、老化を促進してしまいます。活性酸素はシミやくすみなどの原因となるメラニンを増加させてしまうことも知られています。このように過剰に作られた活性酸素による細胞の酸化を抑えるのが「抗酸化作用」で、コーヒーに含まれるクロロゲン酸はそれに役立つことが期待されています。
また、クロロゲン酸には糖の吸収をおだやかにしたり、脂肪の燃焼を促進するなど、ダイエットに役立つさまざまな働きがある可能性が、ヒトおよび動物での研究により確認されています[*3,4]。
糖や脂質をエネルギーに変える「ナイアシン」
ナイアシンは、ビタミンB群の一種です。体内での様々な化学反応に必要なビタミンで、食事から摂った糖質、脂質、タンパク質をエネルギーに変えることにも関わっています[*5]。
痩せやすい身体づくりのために積極的に摂りたいビタミンですが、コーヒーはこのナイアシンも比較的多く含んでいます。
ダイエット中におすすめのコーヒーの飲み方


ダイエット中にコーヒーを取り入れる際に、失敗しないおすすめの飲み方を紹介します。
砂糖やミルクは入れずにブラックにする
コーヒーに含まれる成分で効率的なダイエットを目指すなら、「ブラック」がおすすめです。その理由は、砂糖やミルクを入れることで摂取カロリーが増えてしまうからです(それぞれ200mlの場合:ブラックコーヒー約8kcal、コーヒーミルク入り約20kcal、砂糖入り約31kcal、コーヒーミルク・砂糖入り約43kcal、カフェオレ約77kcal) 。
また、市販のコーヒー飲料は種類が豊富で、ミルクの濃さや甘味料の種類、トッピングなども様々。ミルクなどを加えることでコーヒー自体の量が減ると、コーヒーに含まれる成分の摂取量が減ってしまいます。知らず知らずのうちにカロリー過多にならないよう、ダイエット中はブラックを選びましょう。
食後の1杯で間食を防ぐ
食事をはじめてから、満腹中枢が刺激されるまでには一定の時間がかかります。とくにダイエット中で食事量が少ないと、満腹中枢が刺激される前に食事が終わり「何となくまだ食べたい……」という気持ちになることもあるのではないでしょうか。
食後に香りを楽しみながら、ゆっくりコーヒーを飲むと、満足感を得て食事を終えることができ、間食を減らすのに役立つでしょう。
コーヒーの種類や作り方は取り入れやすい方法を
ダイエットには、ポリフェノールをより多く含むことが期待される、浅煎りの豆を使ったドリップコーヒーが勧められることもありますが、 カフェインの含有量はインスタントでもドリップでも、それほど変わりません。
毎日の食生活に適量を取り入れることが大切なので、味や作り方、コスト面なども踏まえて、好みの種類や方法で取り入れてみてください。
ダイエットで摂るときの注意点


ここまで、コーヒーをダイエットに役立てる際のポイントをお伝えしてきました。では、注意した方がいいことはあるのでしょうか。
1日に摂る量の目安
ダイエット中にもおすすめのコーヒーですが、飲めば飲むほど良いというわけではありません。コーヒーに含まれるカフェインは、摂り過ぎると身体に悪影響を及ぼす可能性もあります。
カフェインによる影響は個人差が大きいことから日本では上限量ははっきりとは定められていませんが、海外では摂取許容量が示されています。国により多少の差はありますが、多くの国では、健康な成人は1日カフェインで400mgまで、妊娠中や授乳中の人は1日200mgまでが推奨されています。
レギュラーコーヒーはカップ1杯(150ml)でおよそ90mg、インスタントコーヒーはカップ1杯(150ml。粉を3g使用した場合)でおよそ120mg のカフェインを含むので、健康な成人は1日4杯まで、妊娠中や授乳中の方は1日2杯までを目安にすると良いでしょう。
ただし、個人差が大きいので、自分の身体への影響にも目を向けて、目安を超えない範囲でちょうどいい量を知っておくようにしましょう[*6]。
コーヒーは飲み過ぎると良くない?
コーヒーを飲み過ぎると、カフェインの過剰摂取となり身体に悪影響を及ぼす可能性があります。カフェインを多量に摂取することで起こる症状には、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠、下痢、吐き気などがあります[*6]。
カフェインへの反応には個人差が大きいのですが、コーヒーを飲むと睡眠に影響が出る人もいるのではないでしょうか。健康的なダイエットにおいては、規則正しい生活リズムを送ることが基本です。睡眠に影響が出ない程度に、まずは適量を守るようにしてください。
ブラックコーヒーにちょい足し!コーヒーのアレンジレシピ3選


ブラックコーヒーを楽しむアレンジレシピを紹介します。
すっきり爽やか、レモンコーヒー(1人前:5kcal)
材料:コーヒー150㏄、レモンスライス1枚
作り方:
【1】ホットコーヒーにレモンを浸す。アイスの場合は炭酸水と氷を加える。
ポイント:ビタミンCがプラスされて栄養価も高まります。
ピリっと刺激的。ジンジャーコーヒー(1人前:37kcal)
材料:コーヒー150㏄、すりおろし生姜 お好みの量、はちみつ大1/2
作り方:
【1】全て合わせてよく混ぜる。
ポイント:コーヒーの苦み、生姜の辛み、はちみつの甘みが楽しめるコーヒーです。
優雅な香り、シナモンコーヒー(1人前:8kcal)
材料:コーヒー150㏄、シナモン お好みの量
作り方:
【1】コーヒーにシナモンを加える
ポイント:シナモンの香りが立ち、リラックスタイムにおすすめです。
まとめ
コーヒーがダイエットに役立つと期待されている理由と、取り入れ方のポイント、注意点を紹介しました。ただ、コーヒーは薬ではないので、飲めば痩せるというものではありません。ダイエット生活を楽しく継続するときのサポートとして、上手に取り入れてみてください。
(文:薦岡具代)
※画像はイメージです
[*1]Velickovic K. et al.: Caffeine exposure induces browning features in adipose tissue in vitro and in vivo, Sci Rep. 2019 Jun 24;9(1):9104.
[*2]eヘルスネット 脂肪細胞
[*3]Tajik N et al.: The potential effects of chlorogenic acid, the main phenolic components in coffee, on health: a comprehensive review of the literature, Eur J Nutr. 2017 Oct;56(7):2215-2244.
[*4]ポリフェノールの皮膚における抗老化作用の検討
[*5]長寿科学振興財団:健康長寿ネット「ナイアシンの働きと1日の摂取量」
[*6]農林水産省 カフェインの過剰摂取について
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます