
嫌いな義母への対処法は? 夫婦や子育てがうまくいくための7つのポイント
結婚すると、多くの人に降りかかる嫁姑問題。子どもが絡むと、問題はよりフクザツに! 夫の母親をどうしても好きになれないとき、義母が原因で夫との信頼関係まで揺らぎそうなとき、どうしたらいいいのでしょう? 恋人・夫婦仲相談所を運営し、嫁姑問題に悩む女性からの相談を数多く解決してきた三松真由美さんに教えてもらいました!
- 実録! あきれた義母のおそろしいエピソード
- ものを大切にするのはいいこと? 義母はゴミ屋敷の住人
- リッチな教育ママ義母の介入で夫婦仲にも亀裂?
- 義母に奉仕するのは当たり前? 要求に応えないと「冷たい嫁ね!」
- 「超」きれい好きな義母 帰省中はダメ出しの嵐でストレスMAX!
- 跡継ぎ誕生への執念が異常 エッチのタイミングにまで口出しする義母!
- 週末ごとにアポなしの奇襲 「部屋が汚い」と掃除をしていく義母
- 義母が嫌いでもなんとかなる! 夫婦円満、ハッピー子育ての7つのポイント
- 義母に対する「盾」~最大の味方「使える夫」を育てる
- 義母を同じひとりの女性として考えてみる
- 義母の行動のウラにひそむものに思いをはせる
- 義父と義母の夫婦仲を取りもつ
- 思いきってホンネをぶつける
- 菩薩の心でスルーする
- きっぱり断るのもあり
- まとめ
実録! あきれた義母のおそろしいエピソード

あなたの義母はまだまし? それとももっとひどい?
既婚女性を悩ませる「義母」のエピソード。こんな義母は勘弁してほしい!という、 実際にあった事例を、まずは紹介します。
ものを大切にするのはいいこと? 義母はゴミ屋敷の住人
結婚後はじめてのお正月、夫の実家を訪れた加奈子さん(仮名、29歳)が目にした驚愕の光景。夫の実家はもの、もの、ものであふれたリアル「ゴミ屋敷」だったのです。
加奈子さんの夫は学生時代から実家に毎月10万円もの仕送りをしており、結婚後もそれを続けています。義母はそのお金でTVショッピングやネットオークションで買い物をしまくり、段ボールすら片付けることなく、家をものであふれかえらせていました。
そんなゴミ屋敷で暮らせる義母に驚いた加奈子さんですが、その義母のDNAは夫にもしっかり受け継がれていました。「ものを大切にするのはいいことだ」「誰にも迷惑かけてない」ためらいもなく義母の作り上げたゴミ屋敷を肯定する夫。
義母から何かをされたわけではありませんが、将来同じようにゴミ屋敷で暮らすようになるかもしれない夫を受け入れるなんて到底ムリ。加奈子さんは夫と別れることも検討しています……。
リッチな教育ママ義母の介入で夫婦仲にも亀裂?
「娘のところは○○小学校に入れたんだからあなたも負けちゃダメよ。いい大学に行かせなきゃ」
子どもはお金がかからない公立でと思っていた瞳子さん(仮名、38歳)には、義母の教育ババっぷりが理解不能。さらに、「お金を出してくれるって言ってるんだから、お受験させればいいんじゃないの?」とあっけらかんと言い放つ夫の態度にもショックを受けました。
子供の教育に口出ししてくる義母は嫌だし、子供の教育費を親に頼って悪びれた風もない夫は情けないし、夫婦仲にも亀裂が入ってしまいそうです。
義母に奉仕するのは当たり前? 要求に応えないと「冷たい嫁ね!」
「足をケガしたから一週間くらい来てくれないかしら?」義母から連絡があり、夫の実家に向かった清美さん(仮名、40歳)。
義母には「もっといて欲しい」と言われたものの、自分の家が気がかりだったこともあり、3日ほどで帰ることに。すると、義母からは「冷たい嫁ね!」と言い放たれ、夫には「もっといてやれよ」とむくれられ……。
ムッとした清美さんが「だったらあなたが行きなさいよ!」とやり返し、結局夫婦げんかになってしまいました。
「超」きれい好きな義母 帰省中はダメ出しの嵐でストレスMAX!
夫の実家は車で二時間の距離。まあまあ手軽に帰れることもあり、年末年始、GW、お彼岸、お盆……、かなりの頻度で帰省しているあや子さん(仮名、43歳)。
問題は義母の、「超」が付く極度のきれい好き。
わんぱく盛りの三人の孫に家を荒らされるのに耐えられないくせに、嫌われたくない一心で孫に対しては終始笑顔。そして、そのストレスを発散するため、帰省中は、あや子さんのすることなすこと、すべてにダメ出ししてくるのです。
これだけ帰省していて、誉められたことも、感謝されたことも、まったくないあや子さん。ストレスが溜まりまくる帰省を何とか回避できないものかと思案中です。
跡継ぎ誕生への執念が異常 エッチのタイミングにまで口出しする義母!
伊佐美さん(仮名、35歳)の夫の実家は歴史ある地方の造り酒屋で、長男の夫はその跡取り息子。義父母とはもちろん同居です。
覚悟はしていましたが、「子供はまだか」プレッシャーは想像以上で、義母の言動は日に日にエスカレート。なんと、伊佐美さんの生理の時期を把握し、子作りの日にちまで指示するように!
生理のタイミングを義母が知っていることを不思議に思い問いただすと、悪びれた様子もなく「ゴミ箱を見ればわかります」と、伊佐美さんの出すゴミをチェックしていたことを話す義母。
「そこまでする?」ストーカーばりの義母の驚愕行為に、背筋に冷たいものが……。
週末ごとにアポなしの奇襲 「部屋が汚い」と掃除をしていく義母
恵美さん(仮名、32歳)の夫は一人っ子。
義母は、結婚式の花束贈呈の際に「たあくん、嫌なことがあったらすぐお家に帰ってらっしゃい!」と花婿に抱きつき泣き叫ぶという醜態をさらした筋金入りの息子ラブ。
結婚後は、アポもなしに恵美さん夫婦宅を訪れ、「家が汚い。これじゃあ、たあくんが病気になっちゃう!」と、これ見よがしに掃除をして帰っていくのが土曜の朝のお約束。
「せめて来る前に連絡を入れるように言って欲しい」と訴えても、夫が義母に伝える様子はまるでなく、週末に向けて憂鬱な気持ちがつのる恵美さんです。
義母が嫌いでもなんとかなる! 夫婦円満、ハッピー子育ての7つのポイント


モンスター義母に悩む人に必要なのは、実は、嫁姑関係をどうにかしようとするのではなく、「夫婦」を考えること。夫婦仲がよければ、たいていのことはうまくいくものです。
「自分たち夫婦」「義父母夫婦」、二組の夫婦それぞれが幸せになるためになにが必要か、何ができるかを考えてみましょう。やがて巣立っていく子どもに追いすがることなく、もちろん、一人でさみしく過ごすこともなく、「夫婦」という単位を大事に生きる、それが人生100年時代の生き方です。
自分たち夫婦はもちろん、義父義母にもそんな生き方を実践してもらいましょう。そのためのお手伝いを買って出ることで、嫁姑問題に終止符を。
そうは言っても手強い義母相手はなかなか骨が折れるもの。次に挙げる具体的な対策や考え方の7つのポイントを参考に、自分にできることから、実践してみてください。
義母に対する「盾」~最大の味方「使える夫」を育てる
「あなたがお母さんの味方をするのなら、私は出ていきます」くらいの、確固たる態度を夫に示しておきましょう。
「我慢できない!」義母の言動は、夫婦げんかの原因になります。それなのに、「母さんのせいでけんかになってるからやめてくれよ」と、自主的に自分の母親に言える男性は、悲しいかな、ほとんどいない。
つまり、義母との問題を解決するには、あなたが動くしかない。自分にできることを前向きに実践していきましょう。
そもそも、愛があるのなら、夫は万難を排してあなたの味方となるべき存在のはず。夫には、自分の立場をしっかり自覚してもらい、義母問題の最大の防御ツール「盾」となる「使える夫」を育てましょう。
義母を同じひとりの女性として考えてみる
「男の子のママって、本当に息子が大好き」「息子って本当にかわいいのよー」ママ友との会話によく登場するフレーズですよね。
相手はずっと年上なので忘れがちな視点ですが、義母だって「男の子のママ」。そう考えれば、義母があなたの夫のことが大好きなのは当たり前です。
どんなに完ぺきなお嬢さんを連れてきたとしても、あらを探し出し、いちゃもんをつけたくなるのが「姑」というもの。女の子のママには少しむずかしいかもしれませんが、もし、あなたが男の子のママなら「自分が姑になったら」と考えてみる、あるいは、ご近所の息子ラバーのお母さんならどんな姑になるか想像してみましょう。
息子を愛するがゆえの義母の言動が、ちょっとだけかわいく見えてきませんか?
義母の行動のウラにひそむものに思いをはせる
人と生きていくとき、誠意をもって相手の状況を考えてあげたいものです。
一言でいうと、思いやりをもって生きるということ。ひどいことをしてくる義母にも、長年お父さんに泣かされてきた深い悲しみや不幸があるかもしれません。
実際、いまどきのお舅さんはバブル世代で、派手に遊びまわって自分勝手な人も多く、不幸なお姑さんも多々見られます。
愛されている人、満たされている人は、意地悪なんてしない。意地悪は不幸の裏返しなのです。
義父と義母の夫婦仲を取りもつ
イヤな義母は、舅である自らの夫とうまくいってない人が多いもの。つまり、愛情欠落症なのです。
足りない愛情を息子に依存するため、ヨメが憎くてたまらない。夫婦関係が良好で満たされている義母は、息子夫婦に干渉なんてしているヒマはありませんからね。
このケースでは、義母問題をもとから断つのがポイント。つまり、義母と義父の仲を取り持ち、幸せにしてしまいましょう。
おすすめは、コンサートのチケットや旅行券のプレゼント。一緒に出かける機会を提供するのです。
ゴルフ好きの舅に「お母さんにゴルフを教えてあげては?」と提案、義母にゴルフクラブを贈ったところ、しょっちゅう2人でゴルフに行くようになり義父母の夫婦仲がよくなった例、義父母夫婦にマッチしそうな熟年サークルを探し出してあげて成功した、といった例もあります。
仕事の忙しさもひと段落、ゆっくり夫婦の時間が持てる50代、60代に、夫婦仲がよいのは本当にしあわせなこと。義父母夫婦が夫婦の時間をどう過ごしていいかわからないようなら、そんなときこそ情報収集が得意な世代、令和のヨメの出番!
義父義母の年齢になったとき、自分たち夫婦はどうなっていたいか、理想の状況をイメージしてアドバイスしてあげましょう。
思いきってホンネをぶつける
どうしてもうまくつきあうのが無理そうな義母には、ホンネをぶつけてみるのもひとつの手です。
ホンネをぶつけるコツとしては……
電話やメールはNG
表情が見えない電話やメールは、言葉や表現がきつくなりがちで、こじれやすく危険。ホンネは、必ず面と向かって伝えるようにしましょう。
ホンネをぶつけたあとは、すぐに普段の態度に戻る
ホンネをぶつければ険悪なムードになることは必至。しかし、たとえ義母がむちゃくちゃ引きずっていたとしても、あなたは何ごともなかったかのように、もとの態度に戻ることが肝心です。
「国交断絶」という外交危機を避けるため、ここは勇気を出してがんばって。
言いたいことは整理しておく
アポなし訪問をやめて欲しい、妊活や子どもの教育問題に口出ししないで欲しい、女性が働くことに理解を示して欲しい、など伝えたいことは事前に書き出し、厳選した項目を伝えるようにしましょう。
すべてを一気に理解してもらおうと思わない
あくまでも「とりあえず意見を伝えられてよかった」くらいの控えめな気持ちで臨むことが肝心です。
菩薩の心でスルーする
人の話にはきちんと耳を傾ける、これは基本。しかし、受け流すのは自由です。
相手に気取られないよう、あくまでも感じよく、「はいはい」と聞いておきましょう。
なかには、「これはもうスルーしかない」という、ひどい義母もいます。その場合、3回くらいスルーしてみて、どうなるか様子見を。
「スルーだなんて!そんな恐ろしいこと!」と思う人は、気を使いすぎ。スルー、してみればいいのです。義母の投げる荒れ球をいちいち受け止めて怒っていたら精神衛生上よろしくないですし、だいたい、気にするから腹が立つのです。
言葉は交わすし、会話はするんだけど、基本的に義母の一言一句に自分の魂を左右されない生き方をする。自分の人生を優先して、わが道を行きましょう。
きっぱり断るのもあり
いやいやでも、請われるままに手伝いなどをしていれば、義母はやがて、あなたをあてにするようになります。「言うことを聞いてあたり前」と思われないためにも、「私ができるのはここまで」という線引きをしっかりし、きっぱりと伝えましょう。
ただし、「わがまま!」「自分勝手!」と思われるような言い方で断るのは避けて。夫や子供など家族のためにやらなければならないことがあると説明すれば、納得してもらえることでしょう。
まとめ
女性の幸せ、不幸せは、「パートナーにいかに末永く愛され続けるか」にかかっている部分も大きいと思います。同じ女性として、角突き合わせるのではなく、「あなた(義母)も私も、お互い仲良し夫婦生活を満喫して100歳まで幸せに生きましょう!」と考えてみませんか? キーワードは「姑に愛を」。みんなの幸せな未来を思い描いて、義母問題も解決しましょう。
とはいっても、「そんなに甘くない」という状況の人もいることでしょう。そんなあなたに伝えたいのは、「結婚はあくまであなたと夫の関係である」ということ。
あなたが心身ともに健康で幸せに生きていくために、どうか、姑問題にエネルギーを使い過ぎないでください。
大切なのは、あなた自身。「いい嫁」になろうとすることなんてない。ホンネをぶつけたっていい。ときにはあきらめも肝心です。ストレスで体調を崩す前に、自分の人生を最優先に考えてくださいね。
(文:三松真由美/構成:暮らしのチームクレア 小川睦美/漫画:ひらたともみ)
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