
離乳食の栗はいつから?後期・完了期レシピ【管理栄養士監修】
今回の離乳食テーマは「栗」。甘くておいしい栗ですが、赤ちゃんにはいつごろから食べさせていいのでしょうか。また「栗でアレルギーは起こる?」「甘栗は離乳期にOK?」「甘露煮や渋皮煮、赤ちゃんも一緒に食べられる?」など、赤ちゃんに栗をあげる際の疑問も解決しますよ! 栗を使った離乳食レシピも一緒にチェックしてくださいね。
栗、赤ちゃんは離乳食でいつから食べていいの?

・初期の調理:与えない
・中期の調理:あげる場合は、加熱をして皮をむき、裏ごしする
・後期の調理:加熱して皮をむき、裏ごしする
・完了期の調理:加熱して皮をむき、こまかくきざむ
栗は野菜? 果物?
栗の旬は秋。甘栗は一年を通して手に入る身近な食品です。
栗は果物ではなく、栄養学的にいうと「種実類(ナッツ類)」になります。茹でて食べるほか、果物のようにお菓子に使ったり、野菜のように炊き込みご飯などにも使えるので、とても万能! 旬になったらぜひ楽しみたいですね。
意外とカロリーが高い!?

栗は栄養価が高く、糖質をはじめビタミンB1やビタミンC、カリウム、食物繊維、葉酸が多く含まれています。カロリーも高く、茹で栗100gのカロリーは約160kcalであり、これは白米100gに相当します。
離乳期は食べ過ぎ注意
初めて与える時は、栗を茹で、皮をむき、裏ごししたものを少量から始めることをおすすめします。また、栗にはお腹の中で溶けにくい食物繊維(不溶性食物繊維)が多く含まれており、消化機能が未発達な赤ちゃんが食べすぎるとお腹が痛くなる可能性もあります。
離乳食の栗、下処理の方法

生の栗は洗った後、鍋に栗がかぶる程度の水を入れ、沸騰後1~2分茹でたところで火を止め、粗熱をとります。厚い皮(鬼皮)をむき、薄い皮(渋皮)は残した状態で再び鍋に戻します。再び栗をゆがき、沸騰したら火をとめてそのままの状態で冷まします。渋皮をむき、ペースト状または慣れてきたら細かくきざみます。
栗の離乳食、よくある疑問
離乳食に栗を使う際の疑問についてお答えします。
甘栗はあげてもいい?

手軽に手に入りそのまま食べやすい甘栗ですが、甘栗にもお腹の中で溶けにくい食物繊維(不溶性食物繊維)がたくさん含まれています。消化器官の未発達な赤ちゃんにとって摂りすぎは腹痛の原因にもなります。2〜3個程度に抑えましょう。もちろん、裏ごししたりきざんだりしないで、そのままあげるのはNGです!
瓶詰などの甘露煮をあげてもいい?

瓶詰めされた栗は甘いシロップに浸かっているものがほとんどです。砂糖がたくさん含まれており、離乳期の赤ちゃんにとっては味が濃すぎるので避けたほうがよいでしょう。
栗の渋皮煮をあげてもいい?

栗の鬼皮、渋皮は消化にも悪いため必ず皮をむいて栗の黄色い部分をあげましよう。渋皮をやわらかく煮てあったとしても、消化には悪いです。また、渋皮煮の渋皮をむいたとしても中の栗は味が濃い場合もあるので避けたほうがよいです。栗の渋皮は塩水を少し入れた水に一晩つけるとむきやすくなりますよ。
栗の離乳食レシピ! 後期・完了期
最後に、栗を使ったおすすめ離乳食レシピをご紹介します。
<離乳後期のレシピ>栗とさつまいものきんとん
材料(1回量)
・さつまいも 40g
・栗 30~40g(皮をむいたもの2粒程度)
・さつまいものゆで汁 適量
作り方
① さつまいもは皮をむいてイチョウ切りにして水にさらし、茹でてからつぶす
② 栗はやわらかく茹でて皮をむき、つぶして裏ごしをする
③ ①②を合わせ、さつまいものゆで汁で食べやすいかたさに調節する
④ ラップに包み、食べやすい形に整える

<離乳完了期のレシピ>栗ご飯
材料(1回量)
・軟飯(またはご飯) 80g
・栗 30~40g(皮をむいたもの2粒程度)
作り方
① 栗はやわらかくゆで皮をむき、こまかくきざむ
② 栗を軟飯(またはご飯)に混ぜる

<離乳完了期のレシピ>マロンケーキボール
材料(作りやすい分量)
・ホットケーキミックス 200g
・栗 100g(皮をむいたもの3~4個程度)
・バター 40g
・卵1個
・砂糖 大さじ1
作り方
① 栗はやわらかく茹で、皮をむき裏ごしをする
② バターをレンジで数秒温め、溶かしたところに砂糖を加える
③ ②に卵を割り入れ、よく混ぜ①も加える
④ ③にホットケーキミックスを加えよく混ぜる
⑤ ④の生地を手で丸め、クッキングシートをしいた鉄板に並べる
⑥ 170℃に熱したオーブンで15~20分ほど焼く※
※オーブンによって時間は異なりますので様子を見て調整してください

まとめ
栗は離乳初期は避け、その後もなるべく裏ごししてあげましょう。やわらかく茹でたつもりでもかたいことがあるので、ご飯やさつまいもなど粘りのあるものと一緒に食べさせるといいでしょう。栗ならではのほくほく感や甘さは赤ちゃんもきっと気に入るはずです。ぜひ、秋ならではの味覚として離乳食に取り入れてみてはどうでしょうか。
(文:茅野陽 先生、監修:川口由美子 先生)
※挿入画像はイメージです