バナナの離乳食はいつから?アレルギーは?注意点と初期・中期・後期レシピ【管理栄養士監修】
1年中手に入りやすく栄養価も高いバナナ。赤ちゃんの離乳食に使いたい方は多いでしょう。熟したものは甘くて果肉もやわらかく、赤ちゃんでも食べやすそうですよね。実際にいつからOKなのか、加熱は必要なのか、黒くなったバナナはOKなのか、など、離乳食のバナナの気になる点を管理栄養士がお伝えします。おすすめのレシピも紹介。
バナナは離乳食でいつから食べられる?
バナナは、離乳食期の強い味方と言えます。ペーストにすれば初期から使うことができ、後期以降はそのままでも大丈夫です。ただ、いくつか調理のポイントがありますので、見ていきましょう。
バナナは離乳初期から可能
初期の調理
積極的にあげる必要はありませんが、もしあげるならやわらかくペーストに(レシピはこちら)。
中期の調理
薄切りにして加熱すればやわらかくなります。生の場合、フォークで粗くつぶすか、熟してやわらかくなっているものであれば、薄切りや粗みじんでも。
後期の調理
5mm程度の薄切りならそのままでもOK。また、離乳食の回数が増える時期なので、持ち運び便利なバナナをレパートリーのひとつに加えるとよいでしょう。
完了期の調理
そのままでOKですが、スティック状にしてしまうと丸呑みしてしまう可能性もあるので、薄切りがおすすめです。補食としてバナナと豆乳などのスムージーなどもにしても。
バナナのアレルギーは?
バナナは基本的に離乳初期から食べられる果物ですが、気をつけなければいけないこともあります。
実はバナナはアレルギー表示推奨品目[*1]のひとつ。大人になってからも発症の可能性がある口腔アレルギー(OAS)や、似たようなものなので発症するラテックス(ゴム)アレルギーなどの可能性があります[*2]。
初めて食べる時は少量(ひと口)から試し、注意深く様子を見て、アレルギーが疑われる症状が見られたら小児科を受診しましょう。
黒いバナナは離乳食に使える?
果肉まで黒いならば避ける
バナナの皮に黒い斑点があるのは、ご存知「シュガースポット」と呼ばれる、甘いバナナである目安のひとつともいえます。
しかし、皮ではなく中身まで黒くなっているバナナは離乳食期には避けた方が無難です。
中身が黒い場合には、いくつか理由があります。
・強くぶつけた時
・皮が破けた時
・腐った時 など
ぶつけて黒くなったくらいであれば問題はありませんが、ひょっとして腐っているかもしれません。理由や状況がわからない時には、乳児期には避けておいた方が安心でしょう。
離乳食のバナナの調理のポイント
初めのうちは加熱するのがおすすめ
そのまま食べてもいいですが、最初に食べる時は加熱をすると、ほどよい柔らかさになるのと同時に甘さも引き立ちます。すこし電子レンジにかけるとおいしくなるので是非試してみてくださいね。
離乳食のバナナの量は?
離乳食のバナナの量は、炭水化物と考えるか、果物野菜類と考えるかでも変わってきます。本来離乳食はそこまで細かくグラム数を気にする必要はありません。
しかし、どうしても気になるという場合は、
離乳初期:10g程度
離乳中期:30g
離乳後期:40g
離乳完了期:50g
くらいを目安としてみてもいいかもしれません。これは、だいたい、炭水化物類の半分をバナナでとるというイメージで算出しています。
ごはんを足したり、野菜を足したりしても、特に影響はない数字でもあります。あくまでも参考として考えてみてくださいね。
バナナの冷凍保存の方法
バナナはすぐ黒くなってしまうので、早めに冷凍保存することがおすすめです。冷凍する時は皮をむき、ラップにつつむだけでOKです。特にレモン汁などもいりません。
薄切りにしてジッパー袋に並べていれておくと、少しずつ使えて便利です。
川口先生おすすめ!バナナの離乳食レシピ
バナナペースト|5、6ヶ月~
■材料(約1~2回分)
・バナナ 20g
■作り方
① バナナはラップをし、電子レンジ(600W)で20秒ほど加熱し、やわらかくする
② こし網などでつぶす
*こし網でつぶしやすいように加熱しています。ブレンダーなどの場合は加熱しなくても大丈夫です
きなこバナナ|7、8ヶ月~(大人も!)
きなこは大豆製品ですので、バナナと組み合わせれば、炭水化物、ビタミン・ミネラル、たんぱく質とバランスよくとることができるメニューになります。
なお、きなこは豆腐に慣れたら離乳初期から食べられますが、粉末のままだと気管に吸い込んでしまう恐れがあるので、湿った状態であげるようにします。大豆アレルギーがある場合は注意してください。
■材料
・バナナ 20g
・きなこ 適量(まぶす程度)
■作り方
① バナナを5mmほどの厚さに斜めにスライスします。
② 耐熱皿にならべ、レンジで10秒加熱します。
③ バナナが温かいうちにきなこをまぶし、指で軽く押さえてなじませます。
加熱後は熱くなっていますので、適度に冷ましてあげるようにしましょう。
■自分で噛みとれる大きさがポイント!■
手づかみで食べられるので、赤ちゃんの食べたいという意欲を損ねることなく自分のペースで食べさせてあげることができます。薄く斜めのスライスにすることで、一口よりも少し大きいサイズとなるので、噛みとることも自然とおぼえられますよ。
毎日のおやつや朝ごはんにおすすめです。便秘解消にもいい組み合わせなので、ママ・パパも一緒に食べてみてくださいね。ちょっとチンして絡めるだけで立派なおやつになり、美味しいですよ。
バナナパンケーキ|9ヶ月ごろ~
■材料
・小麦粉 30g
・豆腐 80g
・バナナ 1/2本
・バター 少々
■作り方
① バナナは電子レンジ(600W)で10秒ほど温めてやわらかくする
② ①をボウルに入れ、豆腐を手でくずしながら加えてよく混ぜ合わせる(フォークなどでつぶしながらまぜるとよいでしょう)
③ 小麦粉を少量ずつ加え、混ぜ合わせる
④ バターを溶かしたフライパンに、③を食べやすい大きさに広げて、両面を焼く
離乳食のバナナでのよくある疑問
バナナは果物?それとも炭水化物?
エネルギー源、ビタミン・ミネラル源、どちらでもOK
バナナは、一般的には果物として分類されています。もちろん、果物であることに変わりはありません。
ただし、離乳食期だけは、本によって、炭水化物(穀類)に分類されていたり、野菜に分類されていたりと様々です。
なぜかというと、一般的には、「主食(ごはん、パン、麺)」「主菜(肉、魚、卵、大豆料理)」「副菜(野菜、きのこ、いも、海藻料理)」「果物」「牛乳・乳製品」などと分類されることが多いのですが[*3]、離乳食期の食事分類は「エネルギー源(穀類/炭水化物)」「ビタミン・ミネラル源(野菜・果物類)」「たんぱく質源(魚・肉・豆腐・卵・乳製品)」の3つにしか分かれません。
そのような場合には、バナナは、糖質もビタミンもミネラルも含むので、どの栄養を期待して食べさせるかというところで分類が変わります。
離乳食期の場合は、バナナは「持ち運びが容易にしやすい主食にも該当する」「糖質が手軽に補える」「野菜は別にとってもらえればいい」という考え方から、「エネルギー源(穀類/炭水化物)」に分類することもあります。
つまり、離乳食期のバナナの考え方として「エネルギー源(穀類/炭水化物)」「ビタミン・ミネラル源(野菜・果物類)」どちらでも都合のいいほうでとってもらえれば構いません。
野菜が別にもう少し足せそうな時には足すように心がけてみてください。野菜がたくさん入った卵焼きとあわせたりすると栄養バランスもいいですね。
まとめ
バナナは一年中手に入りやすい果物で、独特の香りと甘みがある人気のフルーツです。ビタミン・ミネラル以外にも炭水化物も多く含むので、離乳食期はエネルギー源として考えることもできます。
万が一アレルギー反応があった場合を考え、まずは一口から試し様子を見ましょう。離乳食が進んできたら、手づかみ食べに、外出の際の携帯する食事に、と活躍してくれるでしょう。
(文・写真:川口由美子先生)
※クレジットありイメージ写真:getty