
ダイエットにおすすめのドレッシングは? 市販品の選び方&手作り用レシピも紹介
ダイエットでサラダ中心に食べているのに全然やせない。そんな人はもしかしたら「ドレッシング」の選び方や使い方が間違っているのかもしれません。ダイエット中に気をつけたい、市販品の選び方や簡単な手作りドレッシングのレシピを紹介します。
ダイエット中はドレッシングに注意

ドレッシングの工夫でダイエットに成功しましたか?
◆アンケート情報 調査時期:2021年4月17日 調査対象:マイナビニュース会員、既婚女性 調査数:150名
調査方法:インターネットログイン式アンケート
※記事内で紹介している回答は、食品などを利用したダイエット経験があると回答した人114名の結果から抜粋したものです。
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※ここで紹介したダイエット方法と結果は、個人の体験によるものです。記載の方法を推奨したり、結果を保証するものではありません。効果的な減量方法や結果の出方は個人により異なります。
まずは、意外と知らないドレッシングのエネルギーや脂質量について確認しましょう。
意外に高いドレッシングのカロリー
手軽な市販品が豊富にあるドレッシング。そもそも、どんな材料でできているか、ご存じでしょうか? ドレッシングとは植物性のオイルと酢、もしくはかんきつ類の果汁をメインに、塩や砂糖、香辛料などで味をととのえたもの。
おもに、油と水が分離した「分離液状」タイプと、混ざり合った「乳化液状」タイプに分けられ、半固体状のマヨネーズもドレッシングの一種です。これらに、油を使用しないドレッシングタイプ調味料(いわゆるノンオイルドレッシング)と、サラダ用調味料(サラダ用のスパイスなど)を加えたものが「ドレッシング類」と呼ばれています。
ドレッシングのエネルギーと脂質量(おおよそ大さじ1杯当たり)
※タイプにより比重が異なるため、それぞれ大さじ1杯(15ml)に当たる重量を下記とした場合の栄養成分を計算[*1,2](以下同様)
ドレッシングの種類と 大さじ1杯相当の重量 |
エネルギー | 脂質 |
---|---|---|
マヨネーズ (全卵型)、12g |
80kcal程度 | 9g程度 |
マヨネーズ (卵黄型)、12g |
80kcal程度 | 9g程度 |
マヨネーズタイプ調味料 (低カロリータイプ)、12g |
30kcal程度 | 3g程度 |
フレンチドレッシング (分離液状)、17g |
56kcal程度 | 5g程度 |
フレンチドレッシング (乳化液状)、15g |
56kcal程度 | 6g程度 |
和風ドレッシング (分離液状)、17g |
30kcal程度 | 2.5g程度 |
和風ドレッシング (ノンオイルタイプ)、15g |
12kcal程度 | ほぼ0g |
ごまドレッシング (乳化液状)、15g |
60kcal程度 | 5.7g程度 |
サウザンアイランドドレッシング (乳化液状)、15g |
59kcal程度 | 6g程度 |
代表的なドレッシングのエネルギーと脂質の量は上記のようになっています。これを見るとわかるように、1回の使用量を大さじ1としてもドレッシングは意外と高カロリーなものが多いのです。
これは最初に解説したとおり、ドレッシングの主原料のひとつがオイルだから。脂質は1g当たり9kcalと糖質やたんぱく質(1g当たり4kcal)と比べてカロリーが高いため、オイルを主原料とするドレッシングは高カロリーなものが多くなるのです。
ノンオイルドレッシングは糖質と塩分が高め

本来オイルが主原料のドレッシングですが、オイル不使用の「ノンオイルドレッシング」も市販されています。こうしたタイプではオイルが含まれない分、カロリーも抑えられています。たとえば、和風のノンオイルドレッシングのエネルギーは、大さじ1当たり12kcal程度で、通常の分離液状タイプの和風ドレッシングの4割程度しかありません。
しかし、ノンオイルドレッシングには注意も必要です。オイルを使用しない分、コクが不足するため、それを補うために糖質や塩分が高くなりがちだからです。
ドレッシングの糖質量と塩分量(おおよそ大さじ1杯当たり)
ドレッシングの種類と 大さじ1杯相当の重量 |
糖質量 | 塩分量 |
---|---|---|
マヨネーズ (全卵型)、12g |
0.4g程度 | 0.2g程度 |
マヨネーズ (卵黄型)、12g |
0.07g程度 | 0.2g程度 |
マヨネーズタイプ調味料 (低カロリータイプ)、12g |
0.3g程度 | 0.5g程度 |
フレンチドレッシング (分離液状)、17g |
2g程度 | 1g程度 |
フレンチドレッシング (乳化液状)、15g |
1.4g程度 | 1g程度 |
和風ドレッシング (分離液状)、17g |
1.5g程度 | 0.6g程度 |
和風ドレッシング (ノンオイルタイプ)、15g |
2.4g程度 | 1g程度 |
ごまドレッシング (乳化液状)、15g |
2.1g程度 | 0.7g程度 |
サウザンアイランドドレッシング (乳化液状)、15g |
1.9g程度 | 0.5g程度 |
製品によって多少異なりますが、ノンオイルドレッシングの糖質はオイル入りドレッシングと比べて少ないわけではなく、むしろ多いことがわかります。糖質は主食などから多く摂取するので、ドレッシングなどの調味料から摂り過ぎないよう注意しましょう。
糖質を摂り過ぎて血液中の糖質(ブドウ糖)の濃度が上がると、インスリンの働きでブドウ糖は中性脂肪として蓄えられます。したがってブドウ糖を多く摂り過ぎると肥満を招きます[*3]。
また、ノンオイルドレッシングは塩分も高めです。
塩分量も糖質量と同じく製品によって多少違ってきますが、同じ和風ドレッシングで比較するとノンオイルは通常タイプの2倍近くの塩分を含んでいます。塩分の摂り過ぎは健康に悪いだけでなくむくみにつながるので、ダイエット中も避けたいもの。
このように、製品の栄養成分を確認せず、「ノンオイルだから健康によい」というイメージだけで使い続けると、ダイエットに逆効果ともなりかねません。
ダイエット中の市販ドレッシングの選び方

ダイエットに失敗しない、市販ドレッシングの選び方を紹介します。
商品名に惑わされず栄養素やカロリーをチェック
ひとくちにドレッシングといっても、さまざまなタイプの市販品から選ぶことができます。栄養成分もそれぞれ異なってくるため、それらを確認して選ぶことが大切です。
まずはエネルギーの摂り過ぎにならないよう、脂質の少ないものを選びましょう。もっとも、脂質は多すぎても少なすぎても健康によくありません[*4]。後述しますが、脂質の種類によっては積極的に摂取したいものもあって、脂質も体にとっては必要な栄養成分です。ノンオイルにこだわる必要はありません。
また、お伝えした通り、ノンオイルドレッシングは脂質がゼロである反面、塩分は高い傾向があります。食塩摂取の目標は、成人女性で1日に6.5g未満とされています[*5]。製品によっては、サラダに大さじ1杯のドレッシングをかけてしまうと、ドレッシングだけで1gの塩分をとってしまうことになります。
もちろん、ノンオイルではないもののなかにも塩分が多い製品はあるので、大切なのは、製品に表示されている栄養成分から判断すること。脂質や塩分量、カロリーを見て製品を選んだり、使用量を考えたりしましょう。
クリーミィ系よりもさらっとしたものを選ぶ

最初に比較したように、クリーミィ(乳化液状)なタイプは脂質が多いドレッシングが多く、オイルと調味料が分離している分離液状タイプのほうがカロリーは低い傾向にあります。
例えば、「分離液状」タイプの和風ドレッシングは大さじ1杯当たり30kcal程度ですが、「乳化液状」タイプのごまドレッシングやサウザンアイランドドレッシング、フレンチドレッシングなどは大さじおよそ60kcalと倍のエネルギーがあります。
ドレッシングを使う頻度が多いなら、数10kcalの差も積もり積もって無視できないものに。 ダイエット中にはクリーミィなものよりも、さらっとしたタイプを選ぶのがおすすめです。
良質なオイルが入ったものを選ぶ

植物油や魚油に多く含まれる「不飽和脂肪酸」には、中性脂肪やコレステロールを低下させる働きがあります[*6]。不飽和脂肪酸は、「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」に分けられます。
一価不飽和脂肪酸でよく知られている「オレイン酸」は、オリーブオイルに多く含まれています。また、オリーブオイルは、体内でビタミンAに変換されるβカロテンや抗酸化作用を持つポリフェノールも豊富に含みます[*1, 7]。
多価不飽和脂肪酸は「n(オメガ)-3系」と「n-6系」に分けられますが、これらを摂るために、アマニ油やえごま油、大豆油、ごま油、コーン油などを使用したドレッシングを選ぶのもよいでしょう。アマニ油やえごま油は、体内で合成できないため食物からとる必要がある、必須脂肪酸のn-3系脂肪酸を多く含みます。大豆油、ごま油、コーン油は、同じく必須脂肪酸であるn-6系脂肪酸を多く含むオイルです[*8]。
n-3系・n-6系脂肪酸は、日本人の食事摂取基準でも目安量が定められている重要な脂肪酸です。成人女性の場合、n-3系は1日1.6g、n-6系は1日8gを目安に摂ることが推奨されています[*9]。このようにさまざまな栄養成分を含むオイルもあるので、ドレッシングを選ぶときにはオイルの種類にも気を配ってみましょう。
もっとも、市販のドレッシングだと、オイルの種類が「食用植物油脂」としか表示されておらず具体的にわからない場合も。そんなときは好きなオイルで手作りするのもひとつです。このあと、おすすめのレシピを紹介します。
スパイスで風味付けされたものは塩分も抑えられる
スパイスの香りや辛みは料理の味を引き立ててくれるので、塩分控えめの物足りなさを補ってくれます。スパイスの風味が効いたドレッシングもダイエット中にはおすすめです。
ダイエット中は手作りドレッシングもおすすめ


やはりダイエット中に一番おすすめなのは、手作りのドレッシングです。簡単なレシピを紹介するので、ぜひ作ってみてくださいね。
ピンクのコブサラダドレッシング
エネルギー12kcal 糖質2g(ともに1人分)
・材料(4人分):
無脂肪無糖ヨーグルト大さじ4、ケチャップ大さじ1、塩・こしょう適量
・作り方:
【1】ヨーグルトとケチャップをよく混ぜあわせる。
【2】塩・こしょうで味をととのえる。
・ポイント:
ゆで卵、アボカド、トマト、キュウリなどを角切りにしていただく、コブサラダ用のピンク色がとてもかわいいドレッシング。サラダをカラフルに盛りつけてから、かけると映えますよ。
にんじんドレッシング

エネルギー43kcal 糖質2.7g(ともに1人分)
・材料(4人分):
にんじん1/2本、オリーブオイル小さじ1、レモン汁大さじ1/2、塩・こしょう適量
・作り方:
【1】にんじんは皮をむいてフードプロセッサーにかける。
【2】にんじんにオリーブオイル、レモン汁を加えてよく混ぜ合わせ、塩・こしょうで味をととのえる。
・ポイント:
フードプロセッサーがない場合はおろし器でおろすか、みじん切りにしましょう。にんじんに豊富なβカロテンは、油と一緒にとることで吸収率が高まります。
大根おろしドレッシング
エネルギー33kcal 糖質3.5g(ともに1人分)
・材料(4人分):
大根300g、大豆油小さじ1、しょう油大さじ2、みりん小さじ1
・作り方:
【1】大根は皮をむき、おろす。
【2】おろした大根に大豆油、しょう油、みりんを加えてよく混ぜ合わせる。
・ポイント:
サラダのみならず、冷たいパスタや蕎麦とあえても美味しい和風ドレッシングです。
ダイエット中のドレッシングの使い方のポイント

失敗しない、ダイエット中のドレッシングの使い方のポイントを押さえておきましょう。
かけずにあえる
量を決めずに適当にかけてしまうとかけ過ぎてしまい、脂質や塩分の摂り過ぎになる危険があります。ダイエット中にドレッシングをかけるなら、大さじ1を目安に量をはかって使いましょう。
また、野菜にむらなくドレッシングをまとわせるのもポイント。お皿に盛る前にボウルの中でしっかり野菜とドレッシングを和え、全体にドレッシングがいきわたるようにすれば、むらがなくなり味を感じやすくなります。
レモン汁やお酢で薄めて使う
市販のドレッシングで脂質や塩分が多めの場合は、レモン汁やお酢で薄めて使うという方法もあります。脂質や塩分をひかえめにできます。
まとめ

サラダに欠かせないドレッシングは、ダイエット中、毎日のように摂取する人も多いのではないでしょうか。毎日口にするものだからこそ、イメージにとらわれず、どのような栄養成分が含まれるのか、きちんと知ったうえで選ぶことが大切です。また、手作りも難しくないので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
(文:木下ともえ)
※画像はイメージです
[*1]日本食品標準成分表2020年版(八訂) 第2章(データ) 17 調味料及び香辛料類
[*2]国立健康・栄養研究所:栄養摂取状況調査のための標準的図版ツール(2009年版)に基づく重量目安表(2009版)
[*3]e-ヘルスネット ブドウ糖
[*4]農林水産省「脂質による健康影響」
[*5]日本人の栄養摂取基準 多量ミネラル
[*6]健康長寿ネット 三大栄養素の脂質の働きと1日の摂取量
[*7]日清オイリオグループ株式会社 成分・成分値に関するQ&A オリーブポリフェノールとは何ですか?
[*8]日本食品標準成分表2020年版(八訂) 日本食品標準成分表2020年版(八訂)脂肪酸成分表編 第1表
[*9]日本人の食事摂取基準2020年版 脂質
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